シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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レッドティア再び、テキサスの憂鬱

シリコンバレーの属するサンタクララ郡が、州の制定する最も厳しい規制緩和レベルであるパープルティアからレッドティアに昇格した。カリフォルニアの規制緩和を制御するティアシステムについては、「再挑戦」を参照してほしい。

そこで、これまでのシリコンバレーのティアシステムでの経緯をまとめてみよう。わりとどうでも良い知識なのだけれど、私が自分で知りたいだけだ。

まず、ティアシステムが始まったのが去年の8月29日で、開始当初パープルティアだったシリコンバレーがレッドティア(当時ティア2と呼ばれていた)に昇格したのはその約10日後の9月9日だった(「ティア2がやってきた」を参照のこと)。

その後5週間のレッドティアの後、10月14日に、もう一段階上のオレンジティアに昇格したときは、すごく嬉しかったのを覚えている(「シリコンバレーのオレンジティアおめでとう!とりあえず!」を参照のこと。カリフォルニア、がんばってるじゃん。もしかして、このまま低いレベルで抑えきれるのではと、一瞬甘い予想をしてしまうくらいに。

そして、オレンジティアに入って2週間もすると感染者数の拡大は始まった。その後、あっという間に制御不能に陥り、一ヶ月後の11月17日にはレッドティアをすっ飛ばして、最悪のパープルティアまで一挙に降格したのは記憶に新しい。(「さらなる降格が決定しました」を参照)。

そこからは坂道を転げ落ちるように、米国エピドミック史上最も暗い冬が始まった。米国で最も人口の多いカリフォルニアは、米国の一日あたりの新規感染者数の記録を塗り替え続け、12月4日には州全体が厳しい再ロックダウン体制に突入した。そこから2ヶ月はカリフォルニアの多くの地域で、ICU不足が懸念される医療崩壊寸前の状態が続く辛い期間となった。

このように、ジェットコースターのような秋から冬を経て、春の兆しの中、3月2日、シリコンバレーは再びレッドティアに昇格、やっと去年の9月当初のレベルにまで回復したといえる。これにより、レストランでの室内飲食が25%の規模で許可され、映画館や博物館なども10%の規模で営業許可が始まる。学校も小学校の登校が推奨されるレベルになった。

去年のジェットコースターを目の当たりにしてきた住民は、油断すればすぐに感染拡大が始まってしまうことを十分に学んだ。そのせいか、前回の昇格時のような喜びはあまりない。ただ、去年とは大きな違いもある。ワクチンの接種が進んでいることだ。ワクチンの接種によって、一人でも多くの感染リスクの高い人々が感染から守れれていく状況が日々進むというのは、良いニュースだし気持ちのよいものだ。ただ、ワクチンの接種が人々の楽観的な気分を多いに冗長させるとも考えられるので、もしかしたら、マスクをはずして室内で集い始める人がいるかもしれない。それは危険だ。もう、あの感染の波はみたくないし、あの緊張感とストレスにも戻ってきてほしくない。どうか、シリコンバレーの住人が羽目を外さないようにと願うばかりだ。

そんな折、現在の感染状況のどの指標をとっても、カリフォルニアよりも状況の悪いテキサスの州知事が、感染拡大抑制のための規制をすべて取っ払うというびっくり発言をした。経済を100%規制をはずすというだけならまだしも、マスクの強制着用令もキャンセルするそうである。

一言で言って時期尚早だ。なぜ、そんなに急ぐ必要がある。特にマスクの着用は、ただマスクを着用する命令であるだけで、経済活動や教育活動を妨害することもないと思うのに、マスクの着用令すらも取っ払ってしまおうとするテキサス州の州政府の考えがまったくわからない。なぜ、そんなことをする必要があるのか?

本当に米国のマスク論争はわからない。たぶん高度に政治化されてしまっていて、マスクをするしないが感染防止以外の意味を持つらしい。これは一般人からみると、まったく意味がわからない。ただ、マスクをするだけの話じゃんと思ってしまう。

とにかく、すでに微量の増加傾向にあるテキサスが、新たな感染の波にのまれることのないよう、テキサス民は規制が解除されたとしても、マスクをして暮らしてほしいと思うばかりだ。

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