シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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ワクチン接種者は感染拡大に寄与するのか?

昨日のCDCの発表によると、とうとう米国の感染者のうち、デルタ変異株感染者が50%を超えた。今や米国の主流ウィルスはデルタになってしまったとうことだ。現在、英国では感染者の90%がデルタだということだが、米国もその粋に近づいていくのは間違いない。

そんななか、悲観と楽観が混線するのニュースが次々と入ってきている。8月からの新学期に関して、CDCはワクチンを接種している生徒やスタッフは、クラスでマスクを着用する必要はないという指針を出した。が、これに受けて、カリフォルニア州では、CDCの指針に反し、新学期はワクチンを接種していても、生徒とスタッフはマスクの着用を続けるようにという方針を発表した。

デルタ株が、(ワクチン接種者が感染する)ブレイクスルー感染の発生確率を高くしたのはすでに周知の事実だが、接種済みであれば感染しても重症化を防ぐことができることもわかっている。ここでのポイントは、ワクチンを接種している感染者は、はたして感染拡大に寄与するのだろうかという点だ。もしそうならば、接種していない周囲の人のことを考えれば、室内では全員マスクもやむを得ない。実際のところどうなんだろうと、ニュースサーフィンしていたら、またもや新情報を見つけた。

この日記で非常によくでてくる、我らがファウチ博士によると、ワクチン接種者はブレイクスルー感染はする。が、これらの感染者の鼻咽頭から採取されるウィルスの量は、ワクチン未接種者に比べて非常に少ないことがわかっているそうだ。その量の少なさから、ワクチン接種者を介してウィルスがうつる可能性は低いだろうと、ファウチ博士は語ったそうだ。これはちょっと意外だったが、ワクチンを接種していれば、知らない間に自分が感染し、それを他人に感染させる可能性はあまり心配しないでよいらしい。もちろん可能性はゼロではないけれど。

これは、CDCのワクチン接種者はマスクを外しても良いという説に大きな説得力をあたえる。現実的に深刻な問題はワクチンを接種していない人が、接種者と一緒になってマスクを外してしまい、彼らの中でどんどん感染を広めてしまうことだ。米国のワクチン接種率は、子供も含めた全体に対しては50%に満たないことを考えると、まだまだアウトブレイクの可能性は高い。実際、現在の米国の感染のホットスポットと呼ばれている場所は、そのほとんどがワクチンの接種確率が極端に低いところで、その傾向は非常に明白にデータに出ている。

明白に出ているのだが、同時にこのホットスポットデータには納得のいかないところもある。例えば、シリコンバレーの2つ隣の郡であるコントラコスタはワクチン接種率もそこそこ高く65%近いのに、現在感染拡大が進んでいるホットスポットとしてあげられている。コントラコスタ郡の感染者がワクチン接種済みかどうかはまだ情報に出てきていないが、これは非常に興味深いと思っているし、ぜひ知りたい。ちなみに、その隣の郡であるサクラメント郡もホットスポットだ。そのサクラメント郡では、つい2日ほど前に、州議会の警備内で小規模クラスタが発生し9人が陽性となったが、そのうち4人はワクチン接種者だった。今後も、この辺りのニュースは注目だ。

実際のところ、カリフォルニア再オープンが6月15日、その2週間後の7月1日あたりから、カリフォルニアの新規感染者の数はじわりじわりと増えてきている。この時期の微増は最初から予想されていたもので、大げさに心配する必要はないけれど、やはり今後のデータには常に目を光らせていたいと思う。

さて、このデルタ株の台頭により、いろいろ予定されていた今後の計画が狂う可能性は高い。思ったよりもワクチンの接種を敬遠する人は多く、感染力が非常に高いデルタ株が米国に蔓延するに従って、確実に新規感染者数が再び増えていくことが予想されるようになった。夏が終わると、学校やオフィスがフルオープンとなり、ウィルスが活発になりやすい季節がやってくれば、米国で再び小規模なアウトブレイクが頻発するようになるのは想定内であり、それにともなって、マスク着用規制が再発動される可能性も大いにある。

ファイザーは現在デルタ株に対応するワクチンの臨床試験を開始するところだ。COVIDの変異とワクチン開発の猛烈な追いかけっこの中で、世界はどう変わっていくのだろう。出口は見えているが、その出口から完全に脱出できるのはいつかは、まだまだわからない。

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