シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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カリフォルニアの規制緩和は混乱中

本日、12月半ばからの大幅な感染拡大に伴ってカリフォルニアに発令されたStay-at-Home命令が撤回され、カリフォルニアはそれ以前の緩和のためのティアシステムに戻ることになった。ティアシステムについては『再挑戦(ティア1』を参考にしてほしい。

規制が緩和されることは予想されていたのだが、この展開はちょっと予想外だった。そもそも Stay-at-Home規制が始まったときに規制の基盤は各エイリアのICU残有率だった。エリアのICU残有率が15%以下になったらStay-at-Homeと呼ばれるティアシステムよりも遥かに厳しいロックダウン体制に入るという規制だったのだ。

今日、その規制がカリフォルニア全土から撤回されたということは、状況が好転してきているからだと理解するのは間違っていないが、実際のところは、全土から撤回できるほどは事態は好転してはいない。確かに新規感染者数は下がり始め、感染率も低くなってきたが、シリコンバレーよりも南の地域のICU残有率はまだほぼ0%なのだ。ICUのベッドは未だに足りていないし、医療従事者は厳しい状況で患者に対応しているはずだとと考えられる。新規感染者数も一時期よりは減ったとはいえ、ロサンゼルス郡などはまだ一日につき8000人というものすごい数をだしている。

にもかかわらず、南カリフォルニアも含めてStay-at-Home規制は撤回されたのだ。撤回されたカリフォルニアの殆どの郡は、規制緩和ティアシステムの一番規制が厳しいパープルティアに属している。それでも、ほとんどの経済及びコミュニティ活動が止まっていたStay-at-Home規制時に比べると、パープルティアではアウトドアダイニングも床屋も開くし、スポーツを始め、アウトドアであればできることが相当増える。

確かにシリコンバレーのある北カリフォルニアでは、ICUの残有率も高くなり、感染者数もだいぶ減ってきているので、パープルティアに戻るのは、体感的に悪くないような気がする。が、北カリフォルニアと比べると恐ろしいほど状況の悪い南カリフォルニアもこんなに規制を緩和してしまって大丈夫なのだろうか。

そもそもなぜ、ICU残有率がゼロに近い地域の規制まで一挙に緩和してしまうという、これまでの慎重なカリフォルニアらしくない高リスクな緩和を推し進めることにしたのだろう。これには様々な憶測が飛んでいて、ニューサム知事が政治的なプレッシャーに負けたからであるとか、これ以上規制を長引かせるにはあちらこちらの業界からの反発を抑えきれないからだとか、まあ、いろんな意見がある。たぶんどれも、部分的に正しく、部分的には正解ではないのだろう。

なにが背後にあるにせよ、南カリフォルニアの現状は心配に値するし、私がもし南カリフォルニアに住んでいたとしたら、アウトドアダイニングが開こうが開くまいが出かけることはないだろう。今の南カリフォルニアの状況では、コミュニティに相当数の感染者が紛れていると考えられるし、感染したときの病院の状況を考えるとリスクが高すぎる。また、医療従事者の厳しい状況も心配だ。

唯一、明るい情報は感染者の数が急激に減ってる理由を私達は知っているということだ、これまでの数週間、カリフォルニアでものすごい数を出してきた感染者数の原因は明らかに11月末のサンクスギビングに始まったホリデーシーズンだった。クリスマスとニューイヤーが終わり、それから3週間ほどたってホリデーの影響が薄れる期間に入ったことによって、新規感染者が急激に減ったのである。ということは、今後は、あのような人が集まる行事やイベントがなければ、あそこまで驚異的な感染者増加は起こらない可能性がある。

では、次の米国におけるリスクが高い行事とイベントはなんだろう?チャイニーズニューイヤーか、スーパーボールか、プレジデントウィークホリデーか?

どの行事であっても、誰もが行事が起こるたびに盛り上がる感染の波に、そろそろ気づいて賢くなってほしいよ、と思っているのは、たぶん私だけじゃない。

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