シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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マスク早くも復活す

シリコンバレーの属するカリフォルニア州ベイエリアの7つの郡が共同で、ワクチンの接種とは無関係にマスクの室内着用を強く推奨する声明をだした。昨日ロサンゼルスでは、マスクの室内着用が義務づけられたのを追った素早い処置だが、まだ強制ではない。これはロサンゼルス郡よりもベイエリアの郡のワクチン接種率が高いことが根拠になっているのだと思う。

全米を通して、デルタ株が大暴れだ。春から初夏の間すっかり息をひそめ、新規感染者も死者も減り続けてきた米国だが、その減少した分をデルタ株があっというまに飲み込んでしまいそうな勢いである。新規感染者は先週よりも70%増加、入院者も死者も増えてきている。そして象徴的なのは、新規感染者の97%がワクチン未接種者であるということだ。

これを反映して、全米的に感染が拡大しているとはいえ、大幅な拡大を見せているのはワクチンの接種率が低い州で、この関連性は非常に明白になっている。裏を返せば、ワクチンの接種者は今回の感染拡大もあまり心配しなくてもよいということになるが、未だに全国民の半分ぐらいしかワクチンを接種していないことを考えれば、ワクチン未接種者のパンデミックが発生してしまうのも無理はない。

米国は幸運なことに、12歳以上の全国民に十分いきわたるだけのワクチンを確保している。が、ワクチンを接種しないと心に決めた人たちに接種させるのはとても難しい。そうこうしている間に、デルタ株により感染者数がどんどんあがっているという状況だ。

心配されているのは、ワクチンの接種率が低い州や地方では、このまま入院者数が増えると、医療機関を圧迫し、それが死者の増加を引き起こすことだ。これらの死は避けられる死であり、必然性のない死であるのに、それでもワクチンを接種しない人を説得することができない。

そこでとうとう、あちらこちらの地域で、ワクチン未接種者を守るために、ワクチン接種者も含め全員がマスクをする規制に戻すという動きが始まった。全員がマスクをすることにすれば、これまでと同様、感染拡大を大幅に抑えることができる。ワクチン接種者はマスクをしなくても感染する確率は低いし、感染を引き起こす確率も低いのだが、ワクチン接種者のみマスクを外してよいという現在のルールでは、ワクチン未接種者がルール違反でマスクを外していても誰にもわからない。

いっそのこと全員マスクをすることにすれば、ワクチン未接種者もしぶしぶながらマスクをするので、感染を食い止めることができるのだ。

現在COVIDと戦うための有効な武器は2つ。1つはワクチン。もう1つはマスクだ。そして大変残念なことに、米国ではこれらの一方の武器を拒否するグループは、もう一方の武器を拒否するグループと、ほぼ同じ人々が所属しているのだ。そうなると、ワクチン未接種者の間の感染拡大を食い止めるには、ワクチンを接種した人々も協力してマスクをする社会に戻すしかない。

ワクチンをしないのも、マスクをしないのも、彼らの勝手だし自由だから、放っておけばよいという考え方もある。しかし、そうしておくと、医療機関が圧迫されることで不必要な死が増えたり、ワクチンを接種できない12歳以下の子供たちのリスクがあがってしまう。よって、彼らを放っておくことはできないのだ。

本当にどうすれば、ワクチン敬遠者たちの協力を得ることができるのか。多くのワクチン接種済みの米国の住民は、深い深いため息をついてニュースをみている。

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