シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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ティア2がやってきた (ティア2)

シリコンバレーにティア2がやってきた!

これってカリフォルニアの人しかわからない。なんのことだ?

詳しくは8月29日の日記「再挑戦」に書いたのだけれど、カリフォルニアは現在ロックダウン規制の緩和を4つのティアに分けて進めている。このティアシステムが始まってから昨日まで、シリコンバレーのあるサンタクララ郡は、他のほとんどの郡と一緒に一番規制の厳しいティア1に入っていた。

しかし、実は8月29日時点で、サンタクララ郡の陽性率は相当に低く、10万人あたりの感染者数も10人をきっていた。ティアシステムの開始と同時に、一足早く規制が一段階緩いティア2を宣言されたサンフランシスコ郡の感染状況とほぼ変わらない数値をだしていたので、このまま継続すればティア2に上がれるのは時間の問題だと思っていたのだが、まさか、こんなに早くティア2に昇進できるとは思っていなかった。

 図参照:現在のカリフォルニアティアシステムの色分け

ティア1が紫ティア2が赤ティア3がオレンジティア4が黄色:色が濃いほど感染が拡大中で規制が厳しい)

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なにしろシリコンバレーの拠点であるサンタクララ郡は、周辺の郡よりも人口が多く人の動きも活発だった。実はカリフォルニア州で一番最初にロックダウンを宣言したのはサンタクララ郡であることからもわかるように、ニューヨークと並んで米国エピデミックの先頭をきった地域の1つだ。

幸いなことに、サンタクララ郡は、優秀な郡の保健局と強いリーダーシップを発揮できる州知事、そして、カリフォルニアを代表する先端企業の経営者たちの迅速な判断により、初期の感染拡大を食い止めることができた「カリフォルニアの奇跡」の筆頭地域でもある。しかし、残念なことに、6月の最初の規制緩和システムのときの混乱の中、カリフォルニアの他の郡と同様に感染者を大幅に増やしてしまった。

そして7月、州知事の号令のもと、州全域を通して規制は再び厳しくなった。このような感染と規制の再拡大を目の当たりにしたサンタクララ郡の人々は、New Normalに適応する覚悟ができたのだと思う。もともと、シリコンバレーという最先端の技術者や世界各国からの移民が多い土地柄、新しいことに柔軟に取り組むのは苦手ではない街だ。

今は街に出れば、誰もがマスクをしている。店の買い物でもソーシャルディスタンスに気をつけて行動している。そんな努力の成果で、7月の規制の再強化後、サンタクララの感染者数は安定して減り続けた。その数字をみていると、だんだんシリコンバレーがより安全な地域になっていくのがよくわかる。この間、シリコンバレーは猛暑に襲われ、停電に襲われ、山火事に挟まれて空気汚染に襲われたが、それらが感染拡大につながることはなかった。

そして今日、サンタクララ郡、シリコンバレーにティア2が宣言された。なんか誰かに「よく頑張った」と褒められているようでうれしい。

ティア2になるとなにが違うのか。まず、ヘアサロンやネイルサロンのようなパーソナルサービスの室内サービスが解禁になる。もちろん感染予防のさまざまな条件をクリアしなくてはならないが、今まで営業できなかったことを考えれば、これらのビジネスオーナーにとっては朗報だ。ジムも収容力10%の制限付きで室内が許可、ショッピングセンターも50%の制限付きで許可になる。美術館や水族館も25%の制限付きで許可になった。

しかし、残念なことに州のティア2では認められている、レストランや映画館の室内営業は、郡の衛生局の判断で今回は見送られた。このまま数週間して、感染が拡大しないかどうかをみるのだと思われる。実は6月最初の規制緩和システムのときに、規制の一部を緩和した後、2週間は追加の緩和すべきではないと郡の衛生局は主張していたのだが、実際はちょっと早すぎるスピードでどんどん緩和が進んでしまったという過去がある。その経験を踏まえて、郡はより慎重に緩和を進めたいと考えているのだろう。

ティア2で大きいのは、今の状態が2週間続けば、なんと学校の一部再開が認められるのである。もちろん、従来のような学校はまだ無理だ。たぶん最初は、特別教室が必要な子どもたちや幼稚園のような幼い子どもたちのクラスが少しづつ開いて行くのだと思われる。オンラインで子どもたちを教育するのが最も厳しい環境の家庭から、徐々に学校が開かれていくことになっている。

さて、嬉しいニュースではあるが、浮かれてばかりはいられない。はたして本当にシリコンバレーはティア2にとどまっていれるのだろうか。夏も終わりに近づき、風邪やインフルエンザの季節がやってくる。アウトドアで成り立っていたすべてのことが、だんだん難しくなってくる。もし、二週間の間ティア2の条件を満たす感染状況を保持できなければ、ティア1に後戻りするのがティアシステムのルールだ。ヨーロッパで感染の第二波が始まっていることを考えると、まったく油断はできない状況なのだ。

シリコンバレーはティア2に昇進したからといって、リラックスしていいわけでも、はしゃいでよい訳でもない。ティア2になったということは、感染リスクの高いアクティビティが認められたということだ。だからこそ、今までよりさらに気をつけてマスクを身に着け、ソーシャルディスタンスを守って行動するべきだ。そうやって、感染を広げないように注意を払いながら、地元のビジネスを助けてあげられるように、買い物をしたり髪を切りに行ったりすればよいと思う。また、再開するビジネスも、ここで気を抜いて感染者をだせば後戻りだということを忘れないように、最新の注意を払ってビジネスとサービスを遂行してもらいたい。

 

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