シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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シリコンバレーも規制緩和に大きく舵取り

来週、シリコンバレーの属するサンタクララ郡は規制緩和のティアシステムの最悪レベルであるパープルティアから一段回規制緩和が進むレッドティアへの昇格が予定されている(ティアシステムに関しては「再挑戦」を参照してほしい)。この昇格に伴い、サンタクララ郡の衛生局は規制緩和に大きく舵取りをする覚悟を決めた。

これまで常に州の規制よりも厳しい規制掲げてきた慎重派のサンタクララ郡が、今回は州の規制と足並みを揃えるうえに、具体的にどのような状況であればマスクをとってもいいかまでを積極的に明記したかたちとなった。

それによると、3家族までなら野外であれば集まってもいい。2メートルの距離を開けているならばマスクをとってもよい。野外であっても、距離を2メートル開けられないときはマスクをしなくてはならない。また、野外で6フィート離れているのであれば、マスクをとっての歌唱も認めている。

日本にいる人であれば、今までそんなことすらも許可されていなかったのかと思うかもしれないが、実際許可されていなかった。今回の緩和内容は、サンタクララ郡としては、これまでの1年間のなかで最大緩和状態に近いような気がする。とくに「距離があればマスクをとってもよい」という緩和内容は、サンタクララ郡の規制としては驚きだ。確かに感染拡大は急速に弱まってきたが、未だに10月ほど低いレベルに戻ったわけではないにもかかわらず、ここでぐっと緩和してきた意図はなんなんだろう。

長い規制状態の中で住民がルールを正しく守れるようになってきたからだろうか?それとも、長い研究期間をへて、今回の緩和内容であれば感染拡大にはつながらないと確信したからだろうか?

もしかしたら、あまりに厳しい規制を続けていると、結局人々が守らなくなることを懸念し、緩和したほうがより沢山の人がルールを守るのではという期待があるのかもしれない。長く続く規制で人々は辟易している。一部ではメンタルヘルスにも深刻な影響が出ているというニュースも多い。そんな中、感染拡大を防止できる範囲で人々のコミュニケーションを推進し、今後数ヶ月継続する規制体制をのりきろうという作戦なのかもしれない。

どちらにせよ、規制が緩和されるのは不安であるが、同時に気分が少しアップする。友人を庭によんで、コーヒーを飲むことができると思うと、週末の朝からパテオの掃除を始めてしまった。そのような他人と顔を合わせるコミュニケーションに飢えている人がいるのは、自分の行動が示している。

季節は春に向かっている。専門家が最も恐れていた冬は終わりをつげ、暖かい日々が戻ってきた。加えて、ワクチンの接種が進んでいるので、たしかにこれまでのどの時期よりも希望的観測をしやすい状況にある。

ただ、心配なのは、現在、カリフォルニアの感染者数は減少し続けているが、その減少速度は鈍化しており、ここにきて、米国全体としては減少が止まり、むしろ増加傾向を見せ始めているところだ。ここで下げ止まりは苦しい。確かに急激に減少したとはいえ、現在のカリフォルニアの新規感染者数は1日につき5千人超、米国としては1日につき6万人を超えている。米国の死者数も未だに1日1500人というレベルだ。こんな高いところを最低ラインとして受け入れなくてはならないところが、米国のパンデミック体制の現実である。

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