シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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シリコンバレーのオレンジティアおめでとう!とりあえず!(オレンジティア)

今日は火曜日、カリフォルニアのティア成績発表会の日だった。

ニューサム州知事はほぼ毎日記者会見をするのだが、火曜日の会見は、住民にもビジネスにも注目されている。なぜなら、毎週火曜日は、各郡の過去2週間の新規感染者数と陽性率のデータを基に、より規制緩和されたティアに昇進したり、より厳しく規制されたティアに落第したりするのが発表されるのだ。これを、私は勝手にティア成績発表会と名付けている。カリフォルニアの規制緩和を制御するティアシステムについては、「再挑戦」を参照してほしい。

ティアシステムをある程度眺めているうちに、ティアシステムは成績を基準とした昇進・落第システムに似ていることに気づいた。ティアを決定する条件は、数値化された新規感染者の数と陽性率であり、この成績を基に、ティアシステムの決定はシンプルにシステマティックに働くようになっている。そして、成績が良くなると、より緩和された自由というご褒美がもらえ、成績が悪くなると、より厳しい規制という罰を受けることになる。人々のやる気をくすぐるアメとムチのシステムだ。成績は、もちろん郡の相対評価などではなく、明確な絶対評価だ。

数値化されたシステムは、曖昧さがなくスッキリとしていて、各郡にとっても、なにを目指せばより緩和されるのかが明確になってわかりやすく、いい具合に働いている。

そして今日、シリコンバレーの拠点となるサンタクララ郡は、5週間のレッドティア期間を経て(「ティア2がやってきた」参照)、めでたくオレンジティアに昇進した。

8月のピーク時には新規感染者が1日350人を超えていたサンタクララ郡であるが、今は、1日100人以下、人口10万人に対して4人未満というところまで感染を抑えてきた。この成績を、サンタクララ郡の住民は誇りを持っていいと思う。

ところで、このティステム、最初はティア1~4と数値がついていたのに、いつの間にか、色分けで呼ばれるようになった。一番感染が拡大していて規制が厳しいティアはパープルティア、少し規制が緩和された状態がレッドティア、さらに感染が収束方向にむかい規制が緩和されるとオレンジティア、そして最も規制が緩和された状態がイエローティアである。

下の図は、このティアシステムができてから今日までのカリフォルニア州のティアの色の変化だ。左から9月9日、23日、29日、10月13日であるが、徐々に色が明るくなってきている、つまりカリフォルニア全体的に規制が徐々に緩和してきている、ということは感染が抑制されてきたことがわかる。

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さて、今日サンタクララ郡が昇格したオレンジティアであるが、いったいなにが緩和されたのかをみてみよう。まず、大きいのはレストランの室内営業がロックダウン開始後初めて許可されることになった。25%の客しか入れてはいけないことになっているが、それでも大きな進歩だ。これまで開いていた各サービスの制限も少し緩和されて。ジム、各種エンターテイメント、教会のミサ、映画館など、どれも25%の顧客数で営業が許可されている。また、レッドティアまでは完全に禁止されていたバーが、アウトドアだけだが営業再開が許される。テーマパーク、コンサート、ライブシアター、ナイトクラブなどは未だ営業禁止のままだ。

この発表を受けて、今週から来週にかけて街がまたさらなる賑やかさを取り戻すだろう。しかし、誰もが気づいているように、この規制緩和が原因であっというまに感染が拡大する可能性を甘く見積もってはいけない。少しでも防御を下げすぎると、あっという間に感染の波に飲まれてしまうのは、カリフォルニアは経験済みだ。実際に、現在米国の過半数の州が、新たな感染拡大の波に飲まれていて、米国の一日の新規感染者数は5万人を超えているありさまだ。

だから、栄光のオレンジティアに参加できることになっても、シリコンバレーの人たちはやっぱりマスクをして、ソーシャルディスタンスを保ちながら、規制緩和を楽しむ必要がある。気が緩んで成績が悪くなって、再びレッドディアに戻ることのないように、むしろ規制が緩和されても、気を引き締めてさらに感染者を減らすことで、更に良い成績でイエローティアを目指してみんなで頑張ろう。

そうそう、最後の付け足すことがある。カリフォルニア州はとうとう正式に、人々がプライベートで集まることを許可した。その条件は、3家族以内、アウトドア、2時間以内、マスクとソーシャルディスタンスを保つことである。相変わらず厳しけれど、許可されたことは、これまで真面目に規制を守り、7ヶ月ほぼ友人たちに合わずに暮らしてきた人々にとっては大きな進歩なのでちょっと感動した。マスクとソーシャルディスタンスで楽しみたい。

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