ワクチン接種後のプランは？
ワクチンの接種が現実的になってきた。シリコンバレーのあるサンタクララ郡でも8月1日までには住民の85％がワクチン接種済みとなるのが現在の見通しだ。この状況を受けて「ワクチン接種後にマスクが必要な理由」でもちょっと触れたけれど、ワクチンの接種後はなにができるようになるのか、マスクはいらなくなるのかという記事が増えてきた。
今日読んだ記事は、なかなか具体的で面白かったので抜粋する。テーマは、自分と自分の友達が全員がワクチンを接種している場合、バケーションにコテージを借りて、マスクもソーシャルディスタンスもなしに過ごしてもよいのかだ。
結論から言うと、専門家の意見はイエスだ。ただし、これにはいろんな条件がある。
まず、参加者全員が二回目の接種の後少なくとも1週間はたっていること。これは、ワクチンを接種したからといって、すぐに抗体ができるわけではないのが理由だ。少なくとも一週間は必要だという。
次に、ほかの人たちがいるような公共の場所ではないということ。接種が完了した人たちが山の中のコテージに集まってパーティをする分には、感染を広めるリスクはゼロではないが非常に低くなる。ただ、前の日記にも書いたように、ワクチンの効果は症状を発症しないことについては95％の効果があるとされているが、感染しないかどうかについては未だ研究結果が出ていない。つまり、ワクチンを接種した後でも、人々は症状がないだけで、ウィルスをその鼻や口で育てて空気にまき散らす可能性は消えないのだ。ということは、自分たち以外のまだワクチンを接種していない人々への感染を避けるために、ワクチンを接種した後も、人々は公共の場ではマスクやソーシャルディスタンスが必要なのである。そこで、友達とコテージで遊ぶのはOKだが、マスクなしでバーやコンサートにいってすごすというわけにはいかないのだ。
それから、家族にワクチンを接種していない人がいないこと。ワクチン接種済みの友達どうして遊びに行った場合、本人たちは相対的に安全だが、感染しないわけではないことを考えると、ウィルスを家に持ち帰ってくる可能性がある。そのときに家にワクチンを接種していない住民がいた場合、その人が感染して発症するリスクはある。
という具合にいろいろな条件をクリアすれば、マスクとソーシャルディスタンスなしで友達と集まって遊べるというのが専門家のアドバイスだ。いろいろな条件をクリアしてもリスクはゼロではないが、少なくとも相当低いと考えられている。
実際に公共の場でマスクやソーシャルディスタンスが必要なくなるのは、集団免疫が確立してからだといわれているが、集団免疫は現時点ではコミュニティ全体の85％以上がワクチンを接種してからだといわれている。と、いうことは、本当にサンタクララカウンティが8月1日までに住民の85％にワクチンの接種を目指しているということは、うまくいけば8月以降は集団免疫が獲得されて、マスクやソーシャルディスタンスがいらなくなるということなのだろうか。
これは、たぶん、そう簡単にはいかないのではないかと言われている。集団免疫ができているかどうかは徐々にわかってくることであるし、別のコミュニティからの人の行き来なども考えると、ビジネス再開のような経済活動を早めに活発にするためには、むしろマスクの着用はしばらくの間必要になるというのが専門家の意見だ。なにしろ、マスクの着用はコストも手間も低いのに、感染防止には非常に高い効果がある。このことから、マスクの着用は一番最後まで残るCOVIDの遺産となるであろうといわれている。
そして、人々の移動の話が出たので、海外旅行の話をする。国際的に集団免疫が確立されるのはまだまだ先の話だと考えられている。そう考えると、ワクチンの接種が遅れている国々への旅行は、自分たちはワクチンを接種しているからよいとしても、旅行先の国での感染拡大に一役買ってしまう可能性がある。そう考えると、行く先の国の現状をよく調査したうえで、その国の不利益にならないように行動できるかどうかが重要となる。そのことを考えると、パンデミック前のように世界中のどこへでも気軽に旅行できるようになるのは、相当先になると思ったほうが良い。ただ、集団免疫が確立された国通しであれば、再び旅行もできるようになるだろう。
まあ、最初は、全員接種した友達家族同士で庭でバーベキューパーティなんじゃないかなと思っているが、それすらもとてつもなく懐かしい今日この頃だ。
