シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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ワクチン接種後にマスクが必要な理由

いよいよ、ワクチン接種が本格化し、カリフォルニアでは来月は最前線の医療関係者と75歳以上の住民の接種を完了したいと考えている。次は65歳以上の住民と医療関係者以外の必要不可欠な業務について働いている人々が対象となる。

さて、ワクチンの接種が進むにつれて、必ず議論になると思われるのは、ワクチンを摂取した人はマスクの着用やソーシャルディスタンスの厳守などを気にしなくてよくなるのかという点である。医療関係者の人は、プロなのでこの点に疑問はないと思うが、そうではない人はいろいろ誤解してしまいそうなので、ニュースから情報を抜粋する。

まず、マスクやソーシャルディスタンスは引き続き必要になるのか?答えはイエスである。その理由は次のとおり。

まず、ワクチンの効果には即効性がないことがあげられる。ワクチンは2回接種する必要があり、1回目から数週間開けて2回目を接種する。現在のレポートによると免疫の獲得には最初の接種から4週間から6週間ほどかかると考えられ、その間は感染するリスクがある。

次に、ワクチンのテストトライアルでは、テストの参加者がマスクをしていたかどうかは追跡されていない。そのため、ワクチンと感染防止手段との関連性は明らかになっていない

また、ワクチンのテストトライアルはあくまでもテストであり、数も環境も限られている。実際に何億もの人間が様々な環境のリアルワールドでワクチンを接種した場合、テストでは得られない結果を生じる可能性は残されている。

そして、集団免疫の獲得のためには全体の何割の人間に免疫が必要なのかという割合はウィルスによって違う。例えば、はしかの集団免疫には95%の人がワクチンを接種する必要がある。COVIDは新しいウィルスなのでこの割合がわかっていない。よって、集団免疫がいつ獲得されるのかは今後の研究結果をまつしかない。

また、ワクチンが有効な期間がわかっていない。これもCOVIDが新しいウィルスであり、ワクチンもできたばかりなので、免疫の効果がどれくらい持続するのかは現在わかっていない。

最後に、これは大きいと思うのだけれど、テストトライアルでは、症状のないCOVID19の感染を追跡していないことだ。つまり、ワクチンはウィルスの発症を食い止めることには有効なことがトライアルを通して明確になっているが、感染しているけど症状のない参加者の間の感染状況については、現時点ではそこまでは追跡されていないのだ。もちろん、この点はこれからの研究結果で明らかになってくるところだと思うのだが、無症状者について追跡されていないということは、現在、ワクチンは感染しても症状がでていない人々の感染拡大防止にはどれだけ役立つかは証明されていない。

これだけ、いろいろな理由があれば、ワクチンを接種した後もしばらくはマスクやソーシャルディスタンスが必要なことがわかると思う。もちろん、今後の研究成果や追跡調査の中で、上記の情報は刻一刻と変わっていくだろうし、それに伴い、ファウチ博士のような専門家により、いつ人々はNew Normalではない普通の生活に戻れるかの助言がされていくことだろう。

そうやって、世界はゆっくりゆっくりパンデミックから抜け出していくのだ。ワクチンを接種したらすぐに元に戻れるという幻想は持たないで、のんびりゆっくり元に戻っていこう。

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