シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

姉妹サイト「シリコンバレーをよむ」もぜひご訪問ください

迫りくる危機と備え

今週に入ってから米国はすべてが流動的だ。

毎日のように先週の暴動の参加者の逮捕が報じられ、逮捕者のエピソードもことかかない。同時に、当日の様子やその場にいた人たちの証言が次々と集まり、私が実際にテレビで見ていたよりも、相当に危険で切羽詰まった状況だということがわかってきた。特に議会の審議中だった議員たちの証言は真に迫るものがあり、内部にいた議員たちが戦いと死の覚悟をしていたというドキュメント記事を読むとゾッとする。

一方で、議会ビル内の避難部屋で、マスクを渡されてもしなかった議員たちの記事を読んで感染の心配をしていたら、早速今週に入って避難した議員のうち2人が陽性となった。避難中に感染した可能性が高いという報道がでて、スーパースプレッドイベント発生の影がじわりと近寄ってくる。

そんな中、今日は下院でトランプ大統領の弾劾訴追決議案可決された。これにより近日中に上院で弾劾裁判が行われる。通常スケジュールの場合、上院で動きが始まるのは19日以降となるが、トランプ大統領の任期は19日までである。こんなぎりぎりに弾劾決議案をだすのに意味があるのか、暴動の再来を呼ぶだけではないのかと多くの人が困惑しているが、実はこれには意味がある。弾劾裁判で有罪に慣ればトランプ大統領は次の大統領選に出馬できなくなる。それを踏まえての弾劾裁判だ。たとえ彼の任期が終了した後でも弾劾裁判は有効なのである。

暴動の再来といえば、20日バイデン次期大統領の就任式がワシントンで開催される。COVIDのこともあり、通常の就任式とはだいぶ違い規模も縮小され、ゲストもほぼなし、民間人が参加するようなパレードもないが、テレビ中継はされる。ちなみに、このテレビ中継の司会には米国の良心、トム・ハンクスが選出されている。また話が横道にそれてしまった。話を戻すと、この就任式で再び暴動が発生する可能性は非常に高いということで、今度こそ発生する前に止めねばならなうとワシントンは超厳戒態勢だ。今度こそ、ナショナルガードや軍が間に合わなくて暴徒がやりたい放題という状況を作ってはならない。さまざまな重要人物の命にも、米国民主主義の意味にもかかわる可能性がある。ワシントンだけではなく、各州の州議会でも20日には暴動の可能性があげられており、どこもかしこも厳戒態勢である。

私も絶対でかけないことにしよう。

と、もうこれだけでいっぱいいっぱいな感じなのに、ウィルスはそんな揺れる米国のことなどもちろん気にせずに猛威をふるい続けている。調度、ニューイヤーホリデーの影響がでている頃なので、カリフォルニアだけではなく、少し拡大が静まっていた多くの州で再び感染者の数が急増中だ。

あまりの患者の多さ、死者の多さ、病院の逼迫状況から、今日、カリフォルニア州政府は現在ワクチンの接種対象である病院関係者に加え、65歳以上の住民の接種を勧めるようにという発表をした。なぜなら、実際の患者と死者は65歳以上の住人の間で指数関数的に急激し、死者に至っては75歳以上で激増する。倉庫で眠っている一本のワクチンは、そのまま1人の命、1台のベッドにつながるという状況の今、倉庫でワクチンを眠らせておく余裕はないという急展開をみせている。ワクチン製造会社は安定してワクチンの製造と配布を続けており、二回目の接種は将来的に確保できるという観測ゆえの判断だ。

ここサンタクララ郡では、現実的には現在保持しているワクチンの数から65歳以上というのは無理だが、75歳以上の住民にはワクチンの接種をオープンにした。来週辺りから本格的に75歳以上の住民のワクチン接種が始まる予定である。サンタクララカウンティに住んでいる75歳以上の方は病院に問い合わせてみたほうがいい。

さて、急激な加速体制でワクチンの接種も進んでいるので、更に大規模な接種体制を整えるためにカリフォルニアの各地では大きなワクチン接種会場を準備中だ。南カリフォルニアのオレンジカウンティでは、なんと営業停止中のディズニーランドが手を上げた。そのうちにディズニーランドにワクチン接種の人が集まるようにになる。

ここサンタクララ郡では、アメフトのフォーティーナイナーズのホームであるリーバイス・スタジアムが手を上げた。リーバイス・スタジアムにワクチン接種に行くことになる日は近いかもしれない。

この日記にも、何度も書いているように、今回のワクチンは冷凍の保存管理が難しい。また、解凍したワクチンは12時間以内に接種されなくてはいけない。大規模な会場で一括保管、一括接種の体制が整えば、たしかに心配事が減り効率よく接種が進むと考えられる。

このように着実に接種体制が固まっている今、各郡が必要なのは十分な量のワクチンが確保されることだ。うまくいくことを祈っている。

そして、今から大統領就任式の20日まで、COVID以外の恐ろしいことが起きないように、相当真面目に祈っている。本当にもう十分だ。

 にほんブログ村 海外生活ブログ サンフランシスコ・ベイエリア情報へ    

もっと読みたい!SF・ベイエリア人気ブログはこちらから!

もっと読みたい!カリフォルニア州人気ブログはこちらから! 

PVアクセスランキング にほんブログ村