シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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ICUベッドの残りが1%以下になった...

データというのは見れば見るほど新しい気づきがあるものだ。「ワクチン配布の新計画  」でカリフォルニアの一日あたりの新規感染者数が12月20前後から横ばいで、クリスマスホリデーの影響が思ったよりも小さいくてほっとしたと書いたが、その判断は大間違いだった。

感染データでは、常に人々の行動が変わった結果が反映されるのに1、2週間かかる。ウィルスの潜伏期間があるためだ。つまり、新規感染者数が12月20前後から横ばいであったのならば、その1、2週間前にさかのぼる、と、カリフォルニアが再ロックダウンの規制を始めた12月6日とほぼ一致する。12月20日前後に横ばいになり始めたのは、再ロックダウンの効果が出始めたためだったのだろう。

そして、人々が再ロックダウンの規制を守り続ければ、さらに2週間後の1月の初めには、少しづつ新規感染者の数が減ってくるのがパターンだった。ところが、現実には減るどころか1月の初めから微量ながら増えている。目に見える増分は大したことはないが、本来減ってくるところで増えているということを考えれば、実質的には規制がやぶられたために相当数増えてしまったと考えたほうがいいのだ。

あのまま多くの人がクリスマスホリデー中も規制を守り続ければ、新規感染者数は1月初め少しづつ減り続け、医療設備はひっ迫しつつも、現在ほどの危機的な状態には陥らなかったかもしれない。ところが、一日あたりの新規感染者数は増え続け、それに伴い入院者数も増え続けた。そして残念なことに、今日、シリコンバレーのあるベイエリアの残りのICUベッド数はとうとう1%を割ってしまった。もうほぼ残っていないのと同じことだ。

シリコンバレーよりも南の地域では数週間前からすでにICU残りベッド数は0であり、救急車が病院に患者を搬送するのに最悪の場合7時間待たされるという事態が発生している。ICUに入れず、廊下で手当てを受ける患者がいる状態だ。そして、とうとうシリコンバレーもその状態に足を踏み入れつつあるということだ。

とにかく新規感染者数を減らさなくてはならない。なにしろ入院患者数も死者数は、一日当たりの新規感染者数が減ってからも2週間は増え続けてピークに達し、その後ようやく減少傾向を示すというのがこれまでのパターンだ。ということは、今新規感染者が減らないということは、たとえ明日から減ったとしても、今から2週間後には確実にICUの数はマイナスだ。もうこれは決定事項でどうしようもない。

それでも、せめて今からでも新規感染者の数が減ってほしいものだが、現在の新規感染者は1、2 週間過去の人々の行動が要因となる。カレンダーを見ると、1、2 週間過去はニューイヤーだ。米国ではクリスマスのほうが大きなイベントだが、やはり人々が集まってしまうイベントである。この分だと、まだ2、3日は減る傾向すらないだろう。

今や南カリフォルニアでは、本来ならまだ退院させない状態の人を退院させているそうだ。圧倒的にベッドとスタッフが足りないからだ。看護婦一人が担当する患者の数も増え、医療関係者はひたすら薄く広がることで、なんとか対応している。ある看護師は、シフトのある日に亡くなる人が必ず数人いるために、この一か月で経験した患者の死の数が、過去20年のキャリアで経験してきた患者の死の数をうわまったと話していた。今やカリフォルニアのあちらこちらで冷凍トレーラーが病院に配置されている。もちろん遺体を安置するためだ。

カリフォルニアでは120マイル以上遠くへは出かけないようにというお達しがでた。しかし、120マイルというのは結構遠い。2時間ぐらい車で走れてしまう距離だ。これだと相当人は動いてしまうだろうことを考えると、この規制に効果がるかどうかはかなり疑問だ。

ああ、春は遠いなあとため息をついた。

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