シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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インドの調査でわかったこと(ティア2)

最大規模の調査を可能にした国はインド!」で書いた、66万人を対象にしたコンタクトトレース調査のデータにより、今後の感染対策に役に立ついくつかの調査結果が出ていたので記載する。

まず、スーパースプレッダーについてだ。今回のウィルスで特徴的なのは、スーパースプレッダーの存在である。スーパースプレッダーとは、人であるときもああれば、イベントであるときもあるが、一人の人間、または、一つのイベントが大量の新規感染のトリガーになることで、一方、スーパスプレッダー以外の人々やイベントがほとんどウィルスを感染させないのが興味深い。このスーパースプレッダーについて、今回のデータからいくつかわかったことが報告されている。

感染者と同じ電車やバスにのった人々に対するコンタクトトレースによりわかったことは、感染者から三列以内に6時間以上座っていた場合の感染率は80%近くにのぼるということだ。まさにスーパスプレッドである。一方で、同じような閉じられた空間でも1メートル以上離れた状態で過ごした場合は、たったの1.6%しか感染しなかった。

すでに「三密を避ける」という形でわかっていたことではあるが、三密の危険性がより明確になり、安全な環境というのがどのような環境であるかもより明確になってきた。スーパースプレッドは例外的に発生するのではなく、このウィルス感染の規則のようなもので、その規則に従って対策をたてれば、信頼性の高い安全な環境を用意することができると考えられている。

また、人間のスーパースプレッダーについては、人間の生物学的な要因でスーパースプレッダーが生まれるわけではなく、感染者の行動パターンがスーパースプレッドを生み出しているらしいことがわかってきた。感染を広げてしまう行動パターン(人との距離、人と過ごす時間の長さ、人と会う環境など)が、その人がスーパースプレッダーになるかどうかを決めているらしい。こちらも、研究データから問題となる行動パターンを割り出すことにより、感染防止対策に一役買うことになりそうだ。

もう一つ非常に重要なことが判明した。これまで17歳以下の子供は、比較的感染しにくい、させにくいという報告がされていたが、今回の調査によると、17歳以下の子供も、大人とまったく同じように互いに感染させていることが判明した。

感染拡大に子供は寄与していないと考えられていたことは、学校の早期再開をすすめる人たちの間で大きな根拠となっていたのだが、今回のデータにより、子どもたちは実際は大人と同じレベルで感染を引き起こすことがわかってしまった。

この情報をスーパースプレッダーの情報と組み合わせると、さらに子どもたちを集める危険性が理解できる。なぜなら、子供は大人に比べて、スーパースプレッダー的な行動パターンをとりやすい傾向があるからだ。感染確率は大人並み、そしてスーパースプレッダーを起こしやすい。そんな子どもたちを厳しい規則なしで学校に集めたらどうなるだろうか。

彼らが感染拡大媒体の主役の地位を、若者たちからたちまち奪ってしまっても驚きはない。教師には基本疾患を抱えている人や年配者も多い。そして、学校が終われば、子どもたちは親のもとにかえってくるのだ。

学校の再開を考えている一連の政府や教育関係者は、このデータをしっかりと理解し、パンデミック時のクラスルームのあり方をもう一度時間をかけて検討してほしい。どのような環境なら安全なのかは、インドの調査を含め様々な研究結果が示しているのだから。

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