シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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広がる感染と広がらない感染(ティア2)

今日もまた1人、ホワイトハウスの大統領補佐官の感染が発表された。報道によると、彼はホワイトハウスの感染が判明してから5日間自主隔離をして、毎日感染テストを受けていた。昨日までは毎日ネガティブだったのに、今日ポジティブがでたという。彼が自主隔離していたことを考慮し、その5日間は誰にも合わずに過ごしたと仮定すると、その5日の間、ウィルスは彼の体内に潜伏していたけどテスト結果はネガティブだったと考えられる。

これがこのウィルスの巧妙さで、彼は自主隔離をしていたので幸いだったのだが、感染テストが連日ネガティブだったら自主隔離をやめてしまう人もいるだろう。しかし、その5日の間も、ウィルスは潜伏していて感染を広める可能性があったのだ。

こんな調子で感染が広まっていくと、そのうちにワシントン DC の外にもクラスタが飛び出していきそうな気がする。実際に、スーパースプレッダーイベントであったと考えられている9月26日のホワイトハウスのイベントに参加したバージニア郊外の居住者は、大統領のニュースを見て感染テストを受けた結果、陽性が判明した。彼の妻も陽性だった。しかし、彼のところへホワイトハウスからのコンタクトトレースの連絡は未だにないという。

また、感染が判明した3人の議員たちも、感染が判明する前にワシントンからミネソタの自宅に飛行機で帰っている。ということはなんとミネソタにも、このクラスタは飛び火している可能性がある。

ホワイトハウスに出入りするジャーナリストの中にも感染が判明した人がいて、その家族にも感染者が出ている。しかし、彼らのところにもコンタクトトレースからの連絡は未だにない。コンタクトトレースがされていない場合、感染テストを受けるか受けないかは本人の判断次第という状況なので、感染している人がいても知らずにウィルスを広めている可能性がある。なぜ、ホワイトハウスは広範囲にコンタクトトレースをしないのだろう。

さらに、昨日も書いたように大勢のホワイトハウスのスタッフたちがいる。名もない彼らの感染はクラスタの一部としてレポートされることがない。また、彼らの家族や友人に知らないうちに感染している可能性がある。

実は今日のワシントンの感染者数は、6月以来最多だった。これがホワイトハウスのクラスタと関係あるかどうかは、コンタクトレースがちゃんと行われていない現状ではわからないれど、もしそうだとしても今の状況では驚く理由はない。

こうやって、ホワイトハウスを核にしてジワリジワリと広がっている感染なのだが、逆に予想に反してまったく広がっていかない感染についてのニュースを読んだ。

カリフォルニアの学校である。

インドの調査でわかったこと」に書いてように、子どもたちは、大人と同じだけ感染させる可能性があると判明してから、私はどちらかといえば学校の再開には積極的ではなかった。しかし、今日読んだ記事によると、もしかして学校は開けても大丈夫なのかもしれない。

カリフォルニアの田園部、農業地帯の郡の中には、もともと感染率が非常に低い郡があって、これらの郡では一ヶ月ほど前から段階的に学校が再開されていた。どれくらい感染率が低いのかと言うと、感染者は10万人につき1人以下という低さだ。その環境ならそうとうストレスなく暮らせるだろうと思う。

でも学校は別だ。学校はたくさんの子供達が集まって、笑ったり叫んだりする場所だ。そんな学校をパンデミック以前の状態に戻したら、子どもたちは、あっという間に感染媒体としての主役の地位を奪ってしまうだろう。そこで、学校再開のために、カリフォルニは州は非常に厳しいガイドラインを用意した。

教室に12人以上の生徒を入れない。マスク、ソーシャルディスタンス、手洗いは厳守。教室内は各机ごとにプラスチックのシールドが設置されている。もちろんこのガイドラインを守るには、以前と同じスケジュールの学校運営はできないので、生徒たちは、午前に登校し午後には家でオンラインスクール、またはその逆パターンで入れ替わって登校というスケジュールで学校に同じ時間に集まる生徒数を減らしている。

厳しいガイドラインに準拠する努力の成果なのだろうか。学校が再開してから1ヶ月たった今でも、感染者の数は増えていない。そこまで徹底してやれば、やはり感染は予防できるのだ。

これは本当に良いニュースで、現在感染率が下がってきているために、近日中に再開を目指している学校のよい手本になる。再開された学校は、パンデミック前の学校とはまったく違うものになってしまったけれど、それでもは他の子供達と一緒に学べることがとても嬉しいと子どもたちがコメントしていた。

こうやって、新しい普通の中で上手に感染をコントロールしながら、経済を開けていくのも、案外無理なことではないと思わせるニュースだった。

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