シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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ウィルス変異は脅威なのか?

英国を発端に、日本でも米国でも変異ウィルスの記事でもちきりだ。そんなところ、今日、カリフォルニアでも変異したウィルスが確認されて、またニュースが盛り上がっている。

しかし、マスコミの騒ぎと対照的にファウチ博士を筆頭とする多くの科学者や医学者はこの変異に特に重要視しているようではない。彼らの解説を詳しく聞いてみると、なるほどウィルスが変異すること自体はそれほど騒ぐ必要はないのだと納得する。

彼らによれば、そもそもウィルスというものは常に変異をしているのだそうだ。人間に入り込んだウィルスは自らコピーを作成して増殖していく。このコピー作業にはエラーがつきもので、ウィルスが増殖するときはいろいろなパターンの変異が常に発生しているのだそうだ。その中で、ウィルスの存続に有意な変異が残り、そのほかの変異は消えていく。となると、より感染しやすい変異や、投薬に対抗できる変異が残り広がっていくのは、ごくあたりまえのことなのだ。

感染しやすい変異は別の媒体(人間)に感染し、その媒体の中でまたコピーを繰り返す。このようなウィルスの活動は、科学的にまったく新しい話ではないし、感染しやすい変異が発見されたとしても、科学者も医学者も驚く余地はないのだ。むしろ、COVIDはインフルエンザウィルスよりも変異しにくいほうだという研究結果が出ているくらいなのだ。

実際のところ、今回発見された変異は感染しやすいことはわかっているが、それが実際に英国の感染拡大に寄与しているかどうかの因果関係は、まだ研究が浅く証明されていない。寄与している可能性はあるが証明されていないのに、それがまるで決定事項のように報じ、そのウィルスが別の土地で見つかったことに焦りを煽るようなマスコミ報道はあまり感心しない。

本当の問題は変異が生まれていることではなくて、変異が生まれる機会を多く作っている現在の感染拡大状況だと考えらえれている。ウィルスがコピーをたくさん繰り返せば繰り返すほど、様々な変異が生まれる。その中にはとてつもなく強力な変異が生まれて、新たな変種として脅威となる可能性もなくはない。しかし、それはウィルスが広がり続け、コピーされ続けるから可能性が高くなっているのであって、感染拡大を低くおさえることができれば、ワクチンも存在している今、それほど心配する必要がないと思われている。

なので、ポイントはウィルスの変異について不安になるよりも先に、今の感染拡大を食い止めることで、そのために有効な手段を私たちはすでに知っている。マスクをして、ソーシャルディスタンスを保ち、手をよく洗い、人の集まるところにいくのは最小限にして、なるべく家にいることだ。そうしているうちに、ワクチンの順番が回ってきて、感染は収束していくはずなのだ。

しかし、残念なことに、この単純で有効な感染防止策を守らないたくさんの人がいて、感染が広がり、ウィルスに対して、コピーを繰り返して変異して広がっていく土壌を作ってあげている。脅威なのは、ウィルス変異ではなく感染を広め続ける人々なのだ。マスコミは、そうとは知らずにウィルスに協力している人々にこそ、これらの情報を与えて啓蒙してほしい。あなたたちは、自分に症状がでなくても、感染することによりウィルスをより強力にする媒体になっているかもしれないのですよ、と伝えてあげてほしい。

以上、ウィルスの変異そのものは、マスコミが大騒ぎしているほど心配する必要はないことはわかった。そして、私たちはどうすればいいのかもわかった。やっぱり、マスクをして、ソーシャルディスタンスを保ち、手を洗って、家にいればいいのだ。変異があろうがなかろうが、感染拡大を食い止めるためにやらなくてはいけないことは同じなのである。

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