シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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大学生も隔離生活(ティア1)

昨日は悲劇的なケアホームの隔離生活について書いたけれど、今日は別の世代の隔離生活の話だ。

米国では8月の中旬ぐらいから徐々に新学期を迎えた大学があったのだが、その方法は、オンラインスクールの形式だったり、通常の構内での講義形式だったりしていた。どちらにしてもたくさんの学生たちが学生街に戻り、学生生活を再開したことに変わりはない。

さて、2週間後どのようになったのか。

アラバマ大学では3万8千5百人の生徒中、1千2百人の感染が判明している。サウスキャロライナ大学の現在の陽性率は27%だそうだ。つまり、テストを受けた人の4人に1人以上が陽性だということで、現在陽性率が2%を切っているシリコンバレーと比べると恐ろしく高い。イリノイ大学は頻繁に唾液テストを行って感染拡大防止を狙っているにも関わらず、すでに700人の感染者が見つかっている。また、アイオワ州立大学の新学期第一週目の陽性率は13.6%だったにもかかわらず、第二週目の陽性率は28.8%に跳ね上がっていて、いかに早く感染が拡大しているかを語っている。

感染が広がるに従い、講義形式だった大学はオンラインクラスに移行せざるをえなくなり、学生たちは学生街の自分のアパートで、大学の寮で、オンラインクラスを受講するという状況が広まっている。オンラインクラスであれば、大学街にいる必要もないのだが、今、両親の住む実家に帰ることは、クラスタを飛び火させ更に広範囲に感染を広める可能性があるため推奨されていない。

感染拡大状況によっては、寮からの退去要求がでている大学もあり、実家に帰るのか、あらたにアパートを探して移るのかの選択を迫られている学生たちもいる。逆に、食事を取りに行く以外は寮から出ないでオンライン講義を受け続けるように要求されている学生たちもいる。

これほど学生たちの間で感染が急速に広まる理由は、これだけひどい状況になっても、まだパーティをやめない学生たちがいるからだ。そういう学生たちはもちろんソーシャルディスタンスも守らない。症状がないことが多いので、感染してもそのまま普通に出歩き講義に参加する。もちろん真面目に規制を守って講義を受け続ける学生もたくさんいるのだが、このように感染した状態の学生が同じ講義にでたり、同じ寮で暮らしたり、同じカフェテリアで食事をしたりしている状況では、感染を食い止めることはできない。

こうやって、米国のあちらこちらの大学でカオス状態が発生している。真面目に大学生活を送ることを夢見て入学した大学生たちは、一部の 無責任な行動をする学生グループのせいで憧れの学生生活を奪われたと不快感や怒りを表している。

そういう学生たちには本当に気の毒だと思うのだけれど、もういっそのこと学生街ごと隔離して、そこから生徒を出してほしくないと思う。親のもとに帰すなどもってのほかだ。

関連して1つだけ良いニュースがある。アリゾナ大学は、大学構内の下水を定期的にテストすることにより、感染拡大のリスクを抑えることに現時点では成功しているといわれている。これは、人の排泄物から感染検査ができることを活用して、大学の寮や、ほぼ同じ人達が集まるエリアの下水を検査し、陽性になった場合はその建物の利用者を全員検査するという作戦だ。これにより、アリゾナ大学は、寮に住んでいた無症状の感染者を2人発見し、彼らが感染を広める前に彼らを隔離することに成功している。

この検査方法はすでにヨーロッパの一部では広まっているらしく、不特定多数の人たちが出入りする場所では無効だが、いつも同じ人間が集まる建物では非常に有効な感染拡大防止方法であるといわれている。そのうちにシリコンバレーでも始まるかもしれない。

さて、10月になれば、米国はインフルエンザのシーズンにも突入する。ぜひとも、大学の学生達は、これ以上どのような感染を広めず、縮小するための努力をしてもらいたい。そうでないと、彼らは11月の感謝祭にも12月のクリスマスにも、実家に帰ることできないかもしれない。

いまでもまだパーティをしている学生たちに、なにをどういえば伝わるのか、大学側は途方に暮れている。

 

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