シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

姉妹サイト「シリコンバレーをよむ」もぜひご訪問ください

規制緩和が進んだけれど上昇傾向(オレンジティア)

昨日の火曜日はカリフォルニア州のティア成績発表会の日だった。私が勝手に名付けているティア成績発表会については、「シリコンバレーのオレンジティアおめでとう!とりあえず!」を参照してもらいたい。

さて、毎週火曜日に、過去2週間の新規感染者数の割合と陽性率を基に決定される規制緩和のティアシステムだが、昨日の火曜日もいくつかの郡の規制が緩和された。しかし、同時にニューサム州知事からも保健局からも、新規感染者数の割合と感染率が上昇傾向に転じているという指摘がされた。

その数値は、現在米国のエピデミック始まって以来の感染の大波を迎えているほかの州に比べればずっと低い。そのため、米国のほぼ全体が規制を強化している今、カリフォルニアはまだ規制を緩和しているのだ。

しかし、ここで嫌な記憶が蘇る

春、米国で一番人口が多い州であるにもかかわらず、カリフォルニアは最速のロックダウンにより感染拡大を低く抑え、一時的に「カリフォルニアの軌跡」と呼ばれた。その後、連邦政府の性急な規制緩和方針により南部の州の感染が一気に高まり始めたときも、やはりカリフォルニアは比較的低い感染率を保っていた。

その時点の成功要因は、カリフォルニア州が南部の州よりも規制緩和の速度を遅らせていたからなのだが、その後、南部の州の規制緩和が急速に進むに伴い、カリフォルニア州でも規制緩和を求める人々の圧力が強まり、結局は州の思惑よりも相当早い速度で規制を緩和するに至った。その結果、南部に遅れて、夏にはカリフォルニアも一気に感染者数が増え、米国一人口が多い州に見合うように米国一の感染者数を叩き出すことになった。

あのときの記憶がしっかりとあるので、どんなにほかの州よりも今の感染確率が低いと言われても、実際に上昇傾向を示し始めたタイミングで規制緩和を続けている現状をみると、再び同じことがおこるような気がしてならない。もちろん、今回は州政府も保健局も、そしてカリフォルニアの住民も、前回の失敗から学んだことが相当あるので、上昇傾向が止まらないようであれば、あっという間に規制が強化されるだろうし、主な住民はしぶしぶそれに従うだろう。従ってほしい。

また、規制が強化されるのはがっかりだけれど、州政府はしっかりと手綱を引いてほしい。せっかく開いた学校が閉まったり、回復途中だったビジネスが停滞したりするだろうけれど、あの指数関数的に伸びる感染拡大のストレス状態に戻りたくはない。

理想をいえば、今の上昇傾向が1週間ぐらいでおちついて、規制は強化されず、かといってこれ以上緩和もされずに、今の状態で冬を越せればいいと願っているのだが、実際のところはそんなに甘くはないかもしれない。

サンタクララ郡の感染防止に力を注いでいるサラ・コーディ博士は次のようなコメントをだしている。今後2、3ヶ月は非常に難しい月になるだろうが、幸運なことに、私達の現状の感染状態は非常に低い。感染の波のスタート地点が低いのは、大きなアドバンテージとなる。しかし、もし危険な上昇傾向が見られれば、私達は規制を強化することに躊躇はない。

彼女の厳しく頼もしい科学的アプローチはシリコンバレーの財産だ。

ほかにもいろいろ!カリフォルニア州人気ブログはこちらから! 

  

ほかにもいろいろ!ブログ村SF・ベイエリア人気ブログはこちらから!

  にほんブログ村 海外生活ブログ サンフランシスコ・ベイエリア情報へ

PVアクセスランキング にほんブログ村