シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

姉妹サイト「シリコンバレーをよむ」もぜひご訪問ください

ワクチンパスポート?じゃないらしい

カリフォルニア州は本日から、州政府に記録されている個人のワクチン接種情報をデジタルでアクセスできる仕組みを提供することになった。この仕組を使うと、あの財布にも携帯にもポケットにもフィットしない微妙なサイズのワクチン接種記録カードの代わりに、携帯電話からインターネットを使ってオフィシャルデータを引き出して使えるようになる。

それってワクチンパスポートみたいなもんじゃないの?と誰もが思うわけだが、州政府は頑なにこれはワクチンパスポートではありませんと繰り返している。ワクチンパスポートは「人権侵害」や「差別」という言葉につながる、これまた高度の政治化された問題なので、その議論をさけるべく、「これは紙のワクチン記録カードをなくしたときのバックアップですから」みたいな感じでお茶を濁しているが、この仕組で引き出されたデータやQRコードはオフィシャルに使えると言っているので、たとえば民間のイベントや旅行などで、参加条件が「ワクチンの接種済み」となっている場合に使用されるようになるのは間違いないだろう。

ちなみに、ワクチンパスポートについては全米50州のうち24州ではすでに禁止の決定がされているが、これに対し、ニューヨーク州ではすでにワクチンの接種を証明するためのアプリが公開されている。相変わらず、米国は各州が国のようにそれぞれ決定するために、こちらの仕組みもばらばらだ。州を越境するときは気をつけなくてはいけない。日本の人は米国は1つの国だと思っているかもしれないが、こちらに長く住めば長く住むほど、この国は連邦国家つまりいくつかの強烈な自治体(州)が集まって、押し合いへし合い揉めながらなんとか形を作っている国だということが身にしみる。

さて、カリフォルニアのこの新しい仕組みに登録する方法は次の通り。

まずはこちらのサイトにアクセス 

Digital COVID-19 Vaccine Record

氏名と生年月日を入力

ワクチンを接種した時に登録した携帯電話番号かメールアドレスを入力

今後のアクセスに使用する4桁の数字をPIN(パスコード)として入力

(今後ずっと使うので忘れないように!)

最後に、自分が本人、または、本人の保護者であることを宣誓しているステートメントがあるので、そのチェックマークをチェックして Submit する。

上記の操作をするとすぐに、携帯電話またはメールアドレスに、リンクが入ったメールが届く。そのリンクをクリックするとカリフォルニア州のサイトにジャンプして、先程登録した PIN を聞かれる。PIN を正しく入力すると、自分のワクチン接種情報がQRコードと共に参照できる。このQRコードを携帯に保存しておけば、QRリーダーを使っているところでは、ピッとワクチン接種済みを読んでくれるというわけだ。ちなみにこのQRリーダーで読み込まれる個人情報は悪用を避けるためリーダーには保存されない。

実に単純な仕組みだし、登録も簡単なので、今後なにかの用事で使うこともあるかもしれないし、それこそ記録カードを紛失したときのことも考えて登録しておくのがオススメだ。

明日はこれでクリスピークリームの無料ドーナツがもらえるかどうか試してみよう。

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とりあえずタイトルだけリニューアルしてみた

前回の日記を書いた後に、このサイトから姉妹サイトにお引越ししようと思っていたのだけど、パンデミック関連の役立つニュースは後をたたないし、WordPress 勉強中の姉妹サイトはまだまだリンクやスタイルが狂っているし。

ということで、苦し紛れにタイトルだけ「シリコンバレーロックダウン後日記」にリニューアルしてみた。

今後は徐々に姉妹サイト「シリコンバレーをよむ 」に移行していく予定なのだけれど、パンデミック関連のニュースはしばらくはこちらを更新し、あちらのサイトを整理していきたいと思っている。

というわけで、早速昨日再オープンしたカリフォルニアシリコンバレーから現状をお届け。さて、再オープンに伴いほとんどの規制が解除されたカリフォルニア、最も目に見えてわかるのは、ワクチン接種者のマスクの着用義務の解除なわけだが、本当に人々はマスクを脱ぎ捨てたのか?

答えは否である。昨日は再オープン記念の無料タコスをもらいにタコベルに、今日は買い出しにコストコにでかけたが、そのどちらのロケーションでも、定員さんもお客さんも98%マスクをしていた。これは意外だった。

当初マスクを心から嫌がっていた米国の人々なのに、規制が解除されたらすぐに着用をやめるとインタビューで答えていた人々なのに、蓋をあけたらみんなマスクをしたままだった。

店員さんならわかる。店のポリシーでマスクを推奨している可能性は高いし、不特定多数の人々と接触する可能性を考えれば、彼らは今後しばらくマスクを着用し続けるだろうと思われる。しかし、顧客までほぼ全員マスクをしていて、再オープン前となんらかわらない風景になろうとは。唯一変わっていたのは、タコベルの室内飲食が許可になっていたことだが、誰も室内で食べていなかった。コストコのフードコートも座って食べられるようになっていた。ここにはパラパラと座っている人がいた。

コストコの入り口で、「マスク持ってこなかったんだけど、なきゃだめかしら?」と店員さんに遠慮がちに聞いているマダムがいて、はじめて再オープンぽい光景を目にした。マダムは非常に申し訳なさそうだ。だって、結構な客が入っている店内でマスクをしてない人が彼女以外見当たらない。店員さんは「推奨はしていますけど、していなくても大丈夫ですよ。どうぞはいってください」とにこやかに対応していた。きっとこうやって、ほんの少しづつカリフォルニアは再オープンしていくんだと思う。

そんな中ニュースになっているのは、シリコンバレーが属するベイエリアでは再びワクチン接種のピークがやってきていることだ。再オープンに備えて宝くじなどの餌を大胆にまいたので、くじ引きが終わった再オープン日の後は、ワクチンの接種スピードが落ちるものと思っていた。が、この予想はまったくのハズレ。実際は第二のピークとばかりに、これまで先延ばしにしてきた人が次々とワクチンの接種に集まっている。

彼らは、ワクチンを接種していればパンデミック前に近い生活が楽しめるのに、ワクチンを接種していないとまだまだ我慢しなくてはならないという状況に立たされて、いよいよワクチンを接種することに決めた人々だ。多くの真面目なシリコンバレーの住人は、ワクチンを接種しているフリをするなんてことはしないらしい。偉いなあ。

というわけで、カリフォルニア再オープン後にどれだけの人がワクチンを接種したかはまだ発表されていないが、サンタクララ郡の職員からの情報によると、12才以上のワクチン接種対象の住民のうち、なんと80%が少なくとも1回は接種済み、70%が接種完了済みという驚異的に高い接種率を達成している。シリコンバレーに住んでてよかったなと思う瞬間だ。

ちなみに、このワクチン接種の第二のピーク、現代病のFOMOとも大いに関係あると言われている。「Fear Of Missing Out」、取り残されることへの不安や恐怖である。大多数の人々がワクチンを接種している状況になり、レジャーや旅行を楽しみだすと、ワクチンを接種していない人は、正直に暮らしている限り必然的にいろんな楽しみから「取り残され」てしまう。SNSのきらびやかな投稿合戦が復活し始めている中、FOMOも現代人の心のなかで復活中だ。それ自体はあまり好ましいことではないのだけれど、それが人々にワクチンの接種をうながしているならば、FOMOにもいいところがあるんだな感心する。

それでも、せっかくFOMOから開放された人たちが、再び「取り残されることへの恐れ」によるストレスに絡め取られることがなければいいいがと心配もしている。

参照:

sarukunsv.hatenablog.com

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カリフォルニア再オープンへカウントダウン

いよいよ翌日6月15日、カリフォルニア再オープンを迎え、地元のニュースは再オープンに関連したニュースばかりだ。

で、この再オープンってなんなのかというと、カリフォルニア州は去年3月に全米の先頭を切って州をロックダウンして以来、これまでずーっと手変え品変えしつつ、様々な形態の規制の中で暮らしてきていた。その間、感染の波は大きくなったり小さくなったりして、それに合わせて州内の各地で規制が緩和されたり、再度厳しくなったりを繰り返した。最大限に緩和された状態でも、マスクの着用はもちろんのこと、室内での飲食や買い物には厳しい人数制限やソーシャルディスタンスの適用が求められていた。規制は感染の拡大状況に応じて色分けされ、一番緩和されている地域でも「イエローティア」が降られていた。つまり、これまでは安全を示す「グリーンティア」が存在していなかったのだ。

そして、明日6月15日、とうとうカリフォルニアは、全米でも最大の人口で持つ州がまるごと一斉に「グリーンティア」に移動することになる。これまで山のように積まれてきた数々の州規制のほとんどが撤廃され、室外はもちろん、室内営業も人数制限がなくなり、ワクチン接種済みの人々は、マスクの着用もソーシャルディスタンスも不要になる。しかし、これには注意が必要だ。以下の場所ではワクチン接種済みでもマスクが必要となる。

・公共交通機関

・医療機関(病院、老人ホームなど)

・学校

また、レストランや小売店でマスクの着用を求めるかどうかは、各ビジネス所有者に決定権があるので、店によってはマスクの着用を要求することもありうる。そこで、ワクチン接種済みでも、ポケットやバックの中に必ずマスクを入れておくことは大切だ。また、ワクチン未接種の人は、室内のどのようなシチュエーションでもマスクが必要となるので、気をつけないといけない。

注意が必要なのは、マスクをしていない人はワクチン未接種の人なのかと考える人が出てくる可能性があるが、自体はそんなに単純ではない。15ヶ月におよぶマスク着用生活に適応してきた人々の中には、心理的に簡単にマスクを手放せない人も多い。人で混雑した室内にマスク無しで入るのはちょっと心配に感じる人も多いだろう。また、免疫不全により、ワクチンを接種していても期待されているように抗体が作られず、マスク生活を余儀なくされている人もいる。このような様々なバックグラウンドを理解して、「マスクをしている人はワクチン不信論者なのでは!」などと単純に受け取らず、マスクをしている人もマスクをしていない人も、互いにその立場を理解してコミュニケーションをとるようにしてもらいたい。

さて、明日はワクチン宝くじの一等賞150万ドルの当選発表会があるが、先日書いたように発表されるのは数字だけで、その数字に関連付けられている個人名は発表されない。よって、当たった人も自分が当たったことは、メール、テキスト、電話がくるまでわからないので要注意だが、この期待感を狙って詐欺が横行しているので注意が必要だ(「ワクチン宝くじ詐欺に注意! 」を参照)。

また、本日、ニューサムカリフォルニア州知事は、これまですでに発表されている総額1億1600万ドルのワクチン宝くじに加え、新しい釣り餌を巻いた。6つの「夢のバケーション」という賞品だ。これは、いつくじ引きがあるのか発表されていない(ような気がする)のだが、内容的にはカリフォルニアの有名な観光地のチケット+旅行代2000ドルプレゼントというもので、これによりワクチン接種者を増やすだけでなく、ロックダウンによって雇用者を半分に減らしてしまったカリフォルニアの旅行観光業界へのテコ入れの一部として、カリフォルニア民に旅行やレジャーを呼びかける試みにほかならない。

学校が夏休みに入り、すでに多くのカリフォルニア民はディズニーランドや国立公園などカリフォルニア内の観光地に押しかけているが、カリフォルニア再オープンに伴い、この流れは加速すると思われる。そこに、この「夢のバケーション」くじを投げ入れてきた。

6つの「夢のバケーション」賞には、ディズニーランド、レゴランド、ウォーターパークなどの遊園地入場料系、NBA観戦やクラシックコンサートのチケットのようなイベント系、そして、パームスプリングスの豪華ホテル宿泊のようなホテル系があって、あえてどれに当選したいかといえば、微妙だがサンフランシンフォニーのコンサートが距離も近くていいかなと思ったりする。まあ、取らぬ狸の皮算用である。

長いロックダウンの中でどうやらすっかり出不精になってしまい、ドロシーもびっくりの「お家が一番いいところ」化してしまった自分に驚いたりもするのだが、実は気に入ってもいる。なんだかいつも出かけていないと損をしているような気がしていたFOMOから開放されて、ひたすらのんびり時間を使うようになったのは、ロックダウンの思わぬ収穫だったなと今では思う(「パンデミックの中のFOMO 」を参照)。

でも、カリフォルニア再オープンで、カリフォルニアの経済をもり立てなくてはいけないし、ちょっといいレストランにご飯を食べに行ったり、近所のコンサートに行ったり、愛車の修理をしたり、ネットショッピングをしたりして、少ないなりにも貢献したいと思う。

そして、この当初の予想よりもずいぶん長く続いた「シリコンバレーロックダウン日記」も、シリコンバレーのロックダウンが終わるので、一旦終了なのかなとも思う。私は、このロックダウン日記を通してすごくたくさんのことを学んだし、そんな自己満足のアウトプットにこれまで付き合って来てくださった皆さんに是非お礼を申し上げたい。

シリコンバレーのロックダウンは明日で一旦終わるけれど、世界はまだまだCOVIDと戦っている。めでたしめでたしの解決ではなくて、一歩先に安全を手に入れることができたシリコンバレーが今後どのようにパンデミックの収束に貢献できるのかを、引き続き追っていきたいような気がするなとも考えている。

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カリフォルニア再オープンへカウントダウン

いよいよ翌日6月15日、カリフォルニア再オープンを迎え、地元のニュースは再オープンに関連したニュースばかりだ。

で、この再オープンってなんなのかというと、カリフォルニア州は去年3月に全米の先頭を切って州をロックダウンして以来、これまでずーっと手変え品変えしつつ、様々な形態の規制の中で暮らしてきていた。その間、感染の波は大きくなったり小さくなったりして、それに合わせて州内の各地で規制が緩和されたり、再度厳しくなったりを繰り返した。最大限に緩和された状態でも、マスクの着用はもちろんのこと、室内での飲食や買い物には厳しい人数制限やソーシャルディスタンスの適用が求められていた。規制は感染の拡大状況に応じて色分けされ、一番緩和されている地域でも「イエローティア」がふられていた。つまり、これまでは安全を示す「グリーンティア」が存在していなかったのだ。

そして、明日6月15日、とうとうカリフォルニアは、全米でも最大の人口で持つ州がまるごと一斉に「グリーンティア」に移動することになる。これまで山のように積まれてきた数々の州規制のほとんどが撤廃され、室外はもちろん、室内営業も人数制限がなくなり、ワクチン接種済みの人々は、マスクの着用もソーシャルディスタンスも不要になる。しかし、これには注意が必要だ。以下の場所ではワクチン接種済みでもマスクが必要となる。

・公共交通機関

・医療機関(病院、老人ホームなど)

・学校

また、レストランや小売店でマスクの着用を求めるかどうかは、各ビジネス所有者に決定権があるので、店によってはマスクの着用を要求することもありうる。そこで、ワクチン接種済みでも、ポケットやバックの中に必ずマスクを入れておくことは大切だ。また、ワクチン未接種の人は、室内のどのようなシチュエーションでもマスクが必要となるので、気をつけないといけない。

注意が必要なのは、マスクをしていない人を見て、ワクチン未接種かと疑心暗鬼になる可能性があるが、事態はそんなに単純ではない。15ヶ月におよぶマスク着用生活に適応してきた人々の中には、心理的に簡単にマスクを手放せない人も多い。混雑した室内にマスク無しで入るのはちょっと不安に感じる人も多いだろう。また、免疫不全により、ワクチンを接種していても期待されているように抗体が作られず、マスク生活を余儀なくされている人もいる。このような様々なバックグラウンドを理解して、「マスクをしている人はワクチン不信論者なのでは!」などと単純に受け取らず、マスクをしている人もマスクをしていない人も、互いにその立場を理解してコミュニケーションをとるようにしてもらいたい。

さて、明日はワクチン宝くじの一等賞150万ドルの当選発表会があるが、先日書いたように発表されるのは数字だけで、その数字に関連付けられている個人名は発表されない。よって、当たった人も自分が当たったことは、メール、テキスト、電話がくるまでわからないのだが、この期待感を狙って詐欺が横行しているので注意が必要だ(「ワクチン宝くじ詐欺に注意! 」を参照)。

また、本日、ニューサムカリフォルニア州知事は、これまですでに発表されている総額1億1600万ドルのワクチン宝くじに加え、新しい釣り餌を巻いた。6つの「夢のバケーション」という賞品だ。これは、いつくじ引きがあるのか発表されていない(ような気がする)のだが、内容的にはカリフォルニアの有名な観光地のチケット+旅行代2000ドルプレゼントというもので、これによりワクチン接種者を増やすだけでなく、ロックダウンによって雇用者を半分に減らしてしまったカリフォルニアの旅行観光業界へのテコ入れの一部として、カリフォルニア民に旅行やレジャーを呼びかける試みにほかならない。

学校が夏休みに入り、すでに多くのカリフォルニア民はディズニーランドや国立公園などカリフォルニア内の観光地に押しかけているが、カリフォルニア再オープンに伴い、この流れは加速すると思われる。そこに、この「夢のバケーション」くじを投げ入れてきた。

6つの「夢のバケーション」賞には、ディズニーランド、レゴランド、ウォーターパークなどの遊園地入場料系、NBA観戦やクラシックコンサートのチケットのようなイベント系、そして、パームスプリングスの豪華ホテル宿泊のようなホテル系があって、あえてどれに当選したいかといえば、微妙だがサンフランシンフォニーのコンサートが距離も近くていいかなと思ったりする。まあ、取らぬ狸の皮算用である。

長いロックダウンの中でどうやらすっかり出不精になってしまい、ドロシーもびっくりの「お家が一番いいところ」化してしまった自分に驚いたりもするのだが、実は気に入ってもいる。なんだかいつも出かけていないと損をしているような気がしていたFOMOから開放されて、ひたすらのんびり時間を使うようになったのは、ロックダウンの思わぬ収穫だったなと今では思う(「パンデミックの中のFOMO 」を参照)。

でも、カリフォルニア再オープンで、カリフォルニアの経済をもり立てなくてはいけないし、ちょっといいレストランにご飯を食べに行ったり、近所のコンサートに行ったり、愛車の修理をしたり、ネットショッピングをしたりして、少ないなりにも貢献したいと思う。

そして、この当初の予想よりもずいぶん長く続いた「シリコンバレーロックダウン日記」も、シリコンバレーのロックダウンが終わるので、一旦終了なのかなとも思う。私は、このロックダウン日記を通してすごくたくさんのことを学んだし、そんな自己満足のアウトプットにこれまで付き合って来てくださった皆さんに是非お礼を申し上げたい。

シリコンバレーのロックダウンは明日で一旦終わるけれど、世界はまだまだCOVIDと戦っている。めでたしめでたしの解決ではなくて、一歩先に安全を手に入れることができたシリコンバレーが今後どのようにパンデミックの収束に貢献できるのかを、引き続き追っていきたいような気がするなとも考えている。

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ワクチン宝くじ詐欺に注意!

Vax Pot ワクチン宝くじ、きました!」で説明したように、総額1億1600万ドル(日本円にして116億円)という、大盤振る舞いのカリフォルニア州ワクチン宝くじが現在進行中だ。毎週金曜日には5万ドルの辺りが15本でているし、来週の火曜日15日カリフォルニア再オープンの日にはん、なんと150万ドルの当たりが10人もでるというのだから注目度も高い。おかげでカリフォルニアのワクチン接種者が順調に増え続けているという話だ。

さて、これに伴い、ワクチン宝くじ詐欺なるものの危険性が高まっている。このワクチン宝くじは当選者の個人情報は本人の許可がなければ公表されない。当たり番号は公表されるが、その番号が誰に紐付けされているかは基本公表されないのだ。では、どうやって自分が当たったかどうかわかるのかというと、ワクチン接種時に登録した電話番号とメールアドレスに当選した旨が連絡が来ることになっている。また、賞金は登録住所に小切手で送られてくる。

ということで、世の中の悪い人たちは、この仕組みを悪用して、まるで当選したかのような電話をかけてきて、個人情報を収集したり、お金をだまし取ったりする詐欺に使い始めている。注意が必要だ。

では、どうやって本物か詐欺かを見分けれはいい?本物だったらちゃんと対応しなくてはと誰もが思うところだろう。ということで、カリフォルニア州は次のような注意書きを掲載している。

・「Vax for the Win」には登録処理は必要ありません。

・すべてのワクチン接種者は自動的に登録されています。

・当選者は賞金を断ることができます。また、個人情報を公開しないこともできます。

・当選者のプライバシーは保護されています。

・当選番号がどの個人と結びついているのかを識別できるのは  California Department of Public Health だけです。

・当選者は  California Department of Public Health の職員から「State of CA CDPH」という ID から電話、テキストにより連絡を受けるか、CDPH からメールを受け取るか、もしくは訪問を受けます。

・当選者は賞金を受け取る資格があるかどうか確認のために料金を請求されることはありません。

・当選者は銀行口座の情報を尋ねられることはありません。

などなどである。もしこれらの情報と合わない電話やテキストやメールを受け取ったときは、詐欺だと思ったほうが良い。その場合は、ぜひ Department of Public Health (rumors@cdph.ca.gov) にメール、または 1-833-993-3873 に電話をして確認、報告することが推奨されている。

カリフォルニアの皆さん、気をつけましょう。

 

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3日間の停留処置、突然終了す

今日はこれ書いとかないと。

日本がどんどん遠くなる 」で書いたカリフォルニアから日本に到着した日本人が入国の際に3日間政府指定の宿泊所で停留になる処置が、始まって10日前後で突如終了した。米国からの到着した日本人の停留がすべてなくなったわけではない。むしろ一部の南部の州からの帰国者は、これまで停留対象じゃなかったのに停留対象になった人達もいる。カリフォルニアがこの停留処置の対象から、今日から外れたという話だ。

はじめてたったの10日前後でルールがころっと変わるというのは困った話だが、これは納得のできる変更だ。そもそもカリフォルニアが停留処置の対象になった事自体が疑問だった。カリフォルニアは現在米国の中でも感染がかなりうまく抑えられているほうの州だ。5月末の三連休の影響を受けて、現時点では少し感染者数が上向き気味とはいえ、まだまだ相当低い感染状況を保っている。そのことを考えれば、10日前に日本政府により停留処置対象に選ばれたこと自体が少しおかしかった。

ただ、カリフォルニアはいかんせん人口が多い。米国一の人口をかかえるカリフォルニアは、一定数人口あたりの感染者は少なくても、全体的には相当数になってしまうのも事実なので、この手の選考には不本意ながらだいたい選ばれてしまう。ので、しょうがないなあという気分で諦めていたのだが、10日もしないうちに、突如停留処置対象地域からぽんっと外されることになったので、こっちのほうが驚いた。たぶん、最初に選ばれ事自体が間違いだったという結論に、外務省が至ったということなのではないかと思う。

といっても、3日間の停留処置が外されただけで2週間の自主隔離は未だに生きているので、決して帰国が簡単になったわけではない。が、3日間完全にホテルの部屋に缶詰になって折り詰め弁当を三食食べ続ける以外自動販売機に買い物にも行けないという、軟禁状態の話を聞いただけでも辛そうだったので、停留処置がなくなったのは朗報といえば朗報だ。

気の毒なのは、このたったの10日間前後の間に、カリフォルニアから日本に帰国した日本人である。ちょうど学校が夏休みに入った直後だったので、すでに航空券を取得していた人たちも多く、それなりの人数が停留処置を覚悟のうえで帰国し、停留を終えたか、未だに停留されている中、この発表がされた。彼らは日本で脱力したに違いない。彼らはまさしく、パンデミックの混乱で右往左往する政府の対応に振り回された人々である。3日間の停留は政府負担なので、決して大きな損をしたわけではないが、停留処置のため入国後の待機時間が非常に長く、6時間以上も空港で待たされるという話も聞いている。ただでさえ長い帰国の途に、更に6時間の待ち時間なので、小さいこどもを抱えた人はさぞかし大変だったと思う。

さて、先程もいったように、2週間の自己隔離は未だに課されている。このため、米国から帰国した人たちはまだ隔離先まで公共交通機関が使えない。隔離先というのは、人によってはホテルを使うが、日本の親族に受け入れて貰える場合は一般の家でもよい。今や、日本でも一般の人たちのワクチン接種が進んでいるので、両サイドでワクチン接種済みの状態が増えつつあり、快く自主隔離先として受け入れてくれる親族も増えてきているのではないかと思う。

問題は、そこまでどうやってたどり着くかである。故郷交通機関が使えないとなると、使えるのはレンタカーか、ハイヤーである。米国の広い道を右車線走行で飛ばしまくっている私達が、帰国早々レンタカーで日本の一般道を走る勇気がある場合はよいのだが、そうでない場合はこれまで乗る機会のなかったハイヤーというものを利用する必要がある。

この2週間の自主隔離に合わせて、2週間のホテル+ハイヤーの手配をセットにしているサービスもあって、2週間のホテル代ということもあり、相当な額を払うことにはなるが、便利で安心ということでこちらを選ぶ人も多い。日本に住む親族が受け入れてくれる場合は、その家まで空港からレンタカーまたはハイヤーで直行となる。この場合、空港周辺の都道府県に親族が住んでいる人は幸運であるが、地方都市にである場合は、このハイヤー代だけでも10万円は軽く超えるそうだ。例えば、成田について名古屋までハイヤーとなったら時間も料金もすごいことになる。むしろ、空港近辺のホテルで2週間過ごす料金よりも高くなる可能性がある。

こんな状態なので、よほどのツワモノしか帰国しない夏休みではあるが、それでも去年に比べれば多くの大人のワクチン接種が終了しているだけあって、日本に帰国する人が結構いいる。現在日本でもワクチンの接種が急ピッチで進んでいるようなので、もう少しすればこの自主隔離も少しづつ緩んでいくかもしれない。が、オリンピックを間近に控えているので、その辺の調整もあり微妙なところだろう。

ただ、一つだけ言えるのは、「日本がだんだん遠くなる」ことだけは止まったようだ。これからは、日本が少しづつ近くなってくるのではないかと思っている。

ということで、今日も、日記の最後にワクチンに感謝する流れになったのだった。この唯一かつ非常に効果的なパンデミックと戦う武器を、世界中のより多くの人が手に入れられるようになるだけでなく、受け入れてくれることを望むばかりだ。

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パーソナルスペース・カラーコーディング

先週「今、実は重要な期間です! 」で書いたように、そろそろ5月末のメモリアルデー三連休が感染に与えた影響が(あれば)出てくる頃だ。そこで、カリフォルニア州の感染状況を確認すると、新規感染者の数が増えている郡も若干あるが、去年のような休日後の急激な感染爆発のような現象はおきていないようだ。

ワインで有名なソノマ郡はちょっと心配な増え方を見せているが、人口が多く密集しているために、一番心配されていたロサンゼルス郡などは変化なく非常に低い感染者数をキープしている。シリコンバレーのあるサンタクララ郡も若干増えている感じもするが、去年の休日後とは比べ物にならない微影響ようだ。まだ、2週間経っていないので、最終結論はだせないけれど、メモリアルデーがカリフォルニア州の感染状況に与えた影響は低いという結論に一歩近づいていると考えて間違いなさそうだ。メモリアルデーに結構出かけていた人が多いことを知っているので、ひたすらワクチンの優秀さに感謝の一言だ。

どうやらこのまま、カリフォルニアは来週の火曜日6月15日に本格的に再オープンを迎えることができそうだ。再オープンに伴って、カリフォルニアのマスク規制は、とうとうCDCが発表したものに準ずることになる。つまり、ワクチン接種者は、よほど大きなイベントか公共交通機関でない限り、マスクを着用しなくてよくなるのだ。

また、多くのビジネスも規制が大きく緩和されるが、各ビジネスオーナーは従業員のワクチン接種状況を把握して、それに準じてマスクの着用ルールを制御する必要は残っている。が、ビジネスを訪れる顧客にワクチン接種状況を確認するかどうかは、各ビジネスに任されている。州政府としては、次の 3 つの方法をおすすめしていて、どの方式を取るかは、ビジネスオーナーの選択だ。

1.店の入口に注意書きを掲示し、顧客の自己申告(マスクをしている客は接種済み、していない客は未接種)に頼る

2.顧客のワクチンの接種状況を従業員が確認する

3.引き続き顧客全員にマスクをしてもらう

多くのビジネスはオプション1を取るのは間違いなさそうだが、そうなると顧客に接する従業員たちは、どこまで顧客の自己申告を信用できるのかわからないので、しばらくはマスクをしている人たちは多いのではないかといわれている。

さて、規制が緩和されるにつけ、マスクだけではなくてソーシャルディスタンスに関しても悩まされることが増えてきた。1年以上のの長い間、他人との距離を開けてきた人々は、規制緩和されつつある今、個々人によってパーソナルスペースが大きく異っている。パーソナルスペースが違う人々が、イベントや会議で集まると、お互いにどこまで近づいていいのか迷い、気まずい空気が生まれがちだ。

握手を求められた時に、握手をしないのは失礼だが、自分はまだ他人の手を握る準備ができてないとか、肘をぶつける挨拶ぐらいしないのは失礼だろうかとか、接触する挨拶をしようとしたら相手にストレスを与えてしまうだろうかとか、いろいろ考えてとにかく気まずい。この気まずさを解消するために考えられた新しいツールが、カラーコーディングである。

これは、ビジネスイベントや会議の入り口で、赤、黄色、緑のシールやリストバンドをインストラクションと一緒に配るシステムで、例えば、緑はハグでもOK黄色は肘の接触まではOK赤は非接触でお願いします、というようなインストラクションを配布することにより、身につけている色の違いを見ることで、互いのパーソナルスペースを把握してコミュニケーションをとろうというものだ。

面白いインストラクションの中には、緑は「2019年の気分でお祝い中」黄色は「2020年のせいで戸惑ってます」赤は「2022年になってから目覚めます」という、ユニークなインストラクション付きのカラーコーディングをしているイベントもあるそうだ。

実際のところ、パンデミックじゃなくても、パーソナルスペースには人によって結構差があることを考えれば、いっそのことこのようなカラーコーティングは常にあっても良いのかもしれないなと思ったりもする。あれほど、米国のマナーであった握手も、パンデミックを経験した今となっては、別に握手をしなくてもいいよなと思うようになった人も多いのではないだろうか。今後は、握手を求められた後に、こっそりサニタイザーで消毒する人もでてくるかもしれない。

さて、じゃあ私自身はどんな気分かといわれると微妙だ。ビジネスミーティングのような知らない人と合うような場所にいくなら、間違いなく赤を選びそうだ。でも、親しい人でお互いにワクチン接種済みがわかっている場合は、自分からハグはしなくてもハグを求められればしてもいいなと思うので緑だと思う。では、その中間は?それなりの知り合いで、2019年であればハグや握手をしただろうけれども、それほどは親しくない人の場合、今はどうするか迷うだろう。まさしく黄色の気分だ。

こんな風に、新しいツールや新しい習慣の中で、試行錯誤を繰り返しながら、米国社会はパンデミックの出口にゆっくり進み始めている。こんな現状における様々な米国の科学的、社会的実験が、後に続いてパンデミックの出口に向かってくる国々の参考になれば、私達が世界の他の多くの国々に先んじてワクチンを接種させてもらった幸運のお返しを、少しだけ還元できるかもしれない。

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