シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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3日間の停留処置、突然終了す

今日はこれ書いとかないと。

日本がどんどん遠くなる 」で書いたカリフォルニアから日本に到着した日本人が入国の際に3日間政府指定の宿泊所で停留になる処置が、始まって10日前後で突如終了した。米国からの到着した日本人の停留がすべてなくなったわけではない。むしろ一部の南部の州からの帰国者は、これまで停留対象じゃなかったのに停留対象になった人達もいる。カリフォルニアがこの停留処置の対象から、今日から外れたという話だ。

はじめてたったの10日前後でルールがころっと変わるというのは困った話だが、これは納得のできる変更だ。そもそもカリフォルニアが停留処置の対象になった事自体が疑問だった。カリフォルニアは現在米国の中でも感染がかなりうまく抑えられているほうの州だ。5月末の三連休の影響を受けて、現時点では少し感染者数が上向き気味とはいえ、まだまだ相当低い感染状況を保っている。そのことを考えれば、10日前に日本政府により停留処置対象に選ばれたこと自体が少しおかしかった。

ただ、カリフォルニアはいかんせん人口が多い。米国一の人口をかかえるカリフォルニアは、一定数人口あたりの感染者は少なくても、全体的には相当数になってしまうのも事実なので、この手の選考には不本意ながらだいたい選ばれてしまう。ので、しょうがないなあという気分で諦めていたのだが、10日もしないうちに、突如停留処置対象地域からぽんっと外されることになったので、こっちのほうが驚いた。たぶん、最初に選ばれ事自体が間違いだったという結論に、外務省が至ったということなのではないかと思う。

といっても、3日間の停留処置が外されただけで2週間の自主隔離は未だに生きているので、決して帰国が簡単になったわけではない。が、3日間完全にホテルの部屋に缶詰になって折り詰め弁当を三食食べ続ける以外自動販売機に買い物にも行けないという、軟禁状態の話を聞いただけでも辛そうだったので、停留処置がなくなったのは朗報といえば朗報だ。

気の毒なのは、このたったの10日間前後の間に、カリフォルニアから日本に帰国した日本人である。ちょうど学校が夏休みに入った直後だったので、すでに航空券を取得していた人たちも多く、それなりの人数が停留処置を覚悟のうえで帰国し、停留を終えたか、未だに停留されている中、この発表がされた。彼らは日本で脱力したに違いない。彼らはまさしく、パンデミックの混乱で右往左往する政府の対応に振り回された人々である。3日間の停留は政府負担なので、決して大きな損をしたわけではないが、停留処置のため入国後の待機時間が非常に長く、6時間以上も空港で待たされるという話も聞いている。ただでさえ長い帰国の途に、更に6時間の待ち時間なので、小さいこどもを抱えた人はさぞかし大変だったと思う。

さて、先程もいったように、2週間の自己隔離は未だに課されている。このため、米国から帰国した人たちはまだ隔離先まで公共交通機関が使えない。隔離先というのは、人によってはホテルを使うが、日本の親族に受け入れて貰える場合は一般の家でもよい。今や、日本でも一般の人たちのワクチン接種が進んでいるので、両サイドでワクチン接種済みの状態が増えつつあり、快く自主隔離先として受け入れてくれる親族も増えてきているのではないかと思う。

問題は、そこまでどうやってたどり着くかである。故郷交通機関が使えないとなると、使えるのはレンタカーか、ハイヤーである。米国の広い道を右車線走行で飛ばしまくっている私達が、帰国早々レンタカーで日本の一般道を走る勇気がある場合はよいのだが、そうでない場合はこれまで乗る機会のなかったハイヤーというものを利用する必要がある。

この2週間の自主隔離に合わせて、2週間のホテル+ハイヤーの手配をセットにしているサービスもあって、2週間のホテル代ということもあり、相当な額を払うことにはなるが、便利で安心ということでこちらを選ぶ人も多い。日本に住む親族が受け入れてくれる場合は、その家まで空港からレンタカーまたはハイヤーで直行となる。この場合、空港周辺の都道府県に親族が住んでいる人は幸運であるが、地方都市にである場合は、このハイヤー代だけでも10万円は軽く超えるそうだ。例えば、成田について名古屋までハイヤーとなったら時間も料金もすごいことになる。むしろ、空港近辺のホテルで2週間過ごす料金よりも高くなる可能性がある。

こんな状態なので、よほどのツワモノしか帰国しない夏休みではあるが、それでも去年に比べれば多くの大人のワクチン接種が終了しているだけあって、日本に帰国する人が結構いいる。現在日本でもワクチンの接種が急ピッチで進んでいるようなので、もう少しすればこの自主隔離も少しづつ緩んでいくかもしれない。が、オリンピックを間近に控えているので、その辺の調整もあり微妙なところだろう。

ただ、一つだけ言えるのは、「日本がだんだん遠くなる」ことだけは止まったようだ。これからは、日本が少しづつ近くなってくるのではないかと思っている。

ということで、今日も、日記の最後にワクチンに感謝する流れになったのだった。この唯一かつ非常に効果的なパンデミックと戦う武器を、世界中のより多くの人が手に入れられるようになるだけでなく、受け入れてくれることを望むばかりだ。

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