シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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新たな感染拡大の可能性とオフィスの再オープン

急速に減少していた米国の新規感染者数が、緩やかながら再び上昇傾向を示し始めている。ワクチンの接種が進んでいるとはいえ、再び感染拡大の波が訪れる可能性を否定できないと専門家がこぞって警笛を鳴らしているところだ。幸いなことに、ここカリフォルニアはまだ減少傾向のままで、去年の6月以来の低い新規感染者数を保っているが、規制の緩和が早いピッチで進んでいる今、いつ上昇傾向に転換しても驚く人はいないだろう。

もし本当に感染の波が再びやってきた場合(もちろんやってこないほうがいいのだが)、そこで収集されるデータはワクチンがどのくらいよく働いているかを確認するデータとして非常に重要だ。たとえば、これまで新規感染者の波に遅れて数週間後に死者の数がやってきたのだが、現在のようにリスクの高い人の多くがワクチンを接種していて、リスクの低い若い人たちがワクチンを接種していない状況では、たとえ新規感染者が増えても、死者は増えない可能性が高いと予測されている。

実際のところ、老人ホームなど最も早くワクチンの接種が行われた場所のデータでは、新規感染者も死亡者も劇的に減っていることがわかっているので、ワクチンが効いているのはまちがいないのだが、もっと広く、かつワクチンの接種をしていない人々も含む集合のデータで確認した場合、どのような効果が視覚化されるのかが注目されている。

すでに新規感染者における若い人の割合が非常に高くなっていることがわかっているが、これはワクチンの効果を示している。ワクチンの接種が高齢者から始まり、若い人々はまだ接種していないという状況が、そのままデータに反映されているのだ。このような状況の場合、若い人たちは依然として無症状のまま感染して感染地域を拡大していくので、新規感染者の波は依然として形成される可能性は高い。が、希望的観測では、その多くは重症化せずに入院者や死亡者はこれまでのような増加傾向を辿らないというのが理想だ。今後のデータの動きに注目が集まっている。

さて、若い人が感染を広げても、特に重症化するリスクは低いので大丈夫なのかというと、そんなことはない。前にも日記に書いたように、COVIDの様々な危険な症状の中には、若い人の中にも一定の謎の症状をもたらすものがあって、それらの多くは命には別状ないが、体の不調が長く続き、ときによっては半年や一年たっても体調が戻らず、退職や在宅療養を迫られている人たちが一定数いる。そのことを考えた場合、ワクチンがにより死者が減るのはすばらしいことだが、だからといって感染拡大防止をしなくてよくなったということではないことがわかる。

これを履き違えて、感染拡大を許してしまうと、広がれば広がるだけウィルスは再生を繰り返すため、その過程で変異種を生んでしまう可能性が高まる。変異種は、通常ウィルスが生き残るために生み出されるので、より感染力が強かったり、ワクチンが効かなくなっているものが誕生する可能性も高い。そのことを考えれば、確かに以前よりは安全性は高まっているが、人々はまだ協力して感染拡大防止に務める必要がある。

話は変わって、会社のオフィスが開き始めるという話題に少しふれる。昨日、ベイエリアであるサンフランシスコを拠点とするUberとメンロパークを拠点にするFacebookがオフィス復帰計画を発表した。Uberはなんと来週の月曜日からオープンだ。オフィスへの出社はボランティアベースであり、出社できるのは20%だけと報告されている。一方Facebookはロケーションごとにオープンする日付が違うのだが、本社のメンロパークのオープンは5月10日であり、出社できるのは10%だけだそうだ。

どの会社も基本姿勢は、より効率的な勤務地を社員が選ぶオプションを与えるための処置であり、出社はボランティアベースであることを強調している。というのも、パンデミックで始まった在宅勤務体制について労働者のアンケート結果によると、73%の労働者は、在宅勤務をパンデミック収束後も継続することを望んでいるそうだ。しかし、裏を返せば、すべての人間がそれを望んでいるわけではないこともこの数字は語っている。

在宅勤務はより柔軟な’勤務体制を労働者に提供しているのは間違いないのだが、ミーティングの時間は2倍に、メールの数は去年の同時期にくらべて400億通増えたと言われている。このため、多くの労働者は以前より労働時間が伸びたといわれている。通勤時間が減った分、労働時間が増えた人も多い。

今後、シリコンバレーのテクジャイアントたちが、いつ、そのオフィスの門戸を従業員に再開するのか。また、そのときは、どういう体制で開けるのか。今後の動きが注目されている。

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