シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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オレンジティアでできること

本日正式にシリコンバレーが属するサンタクララ郡がオレンジティアに昇格した。明日から規制がもう一段階緩和されることになる。

そこで、なにができるようになるのかを再復習。

まあ、細かく言えば実にたくさんの規制がちょっとづつ緩和されるのだけれど、特に身近な規制緩和は次のとおり。

レストランの室内営業を定員の25%から50%に拡大

ジムの室内営業を定員の10%から25%に拡大

映画館の営業を定員の25%から50%に拡大

ミュージアム、動物園、水族館を定員の25%から50%に拡大

ショッピングセンターを50%から定員に拡大(ただし、共有エリアの使用は禁止)

遊園地など定員の15%から25%に拡大

バーの営業を許可(野外のみ)

オフィス勤務を許可(ただし引き続き在宅を推奨)

などなどである。自分としては、もう引きこもる生活になれてしまったし、ワクチンを接種するまではあまり生活に変化が起こるような気がしない。

といっても、確実に周囲にワクチンを接種した人が増えてきたので、暖かくなったことだし、「3家族までの野外での集まりは許可」というのは使ってみてもいいかなと考えている。

残りの規制は、長引く半ロックダウン生活の中で、レストランは持ち帰りか出前、ジムは家から中継でエクササイズクラスに参加、映画は家でストリーミング、ショッピングはネット、お酒はよいお酒を家に届けてもらって家飲みというスタイルがすでに心地よくなってきてしまったので、今更外にでていくのもちょっとめんどい。そもそも仕事は最初から在宅だし。

注目の学校の方は、前の日記に書いたように、最悪の状態を抜け出してレッドティアに入ったときから、すでに再開の方向で州政府が強く推奨しているわけだが、最終選択は学校区にまかされている。学校区は教師の組合と合意できなければ学校を開けることができないので、必然的に教師のワクチンの接種が学校再開の鍵を握っていたわけだ。

それでも、比較的感染源になりにくいと言われている小さい子どもたちの学年はすでに今月から再開が始まっており、希望者に限ってハイブリッド(半分登校、半分オンライン)のクラスを受講することができるようになった。

中学高校はまだ本格的に再開されてはいないが、すでに一部のオンライン授業の受講に問題のある生徒は登校している。4月からは希望者もハイブリッドクラスを受講できるようになり、そんなこんなしているうちに学年が5月末に終わって夏休みに突入するというのが大方の予想だ。

先程も書いたように、着実にワクチンの接種者が知り合いに増え始め、改めてワクチンの分配が軌道に乗ってきたのを感じる。今でもワクチンが間に合わず予約がキャンセルになってしまう自体も頻発しているのだが、それでもこの速さは予想外だった。この調子ならば、5月には本当に自分もワクチンを接種できるかもしれないなと思う。

よかったなあと思うと同時に、WHOの批判が頭にひっかかる。WHOは富裕国と貧困国におけるワクチンの分配の格差が非人道的なレベルにあると批判した。確かに、富裕国では国民全員のワクチンを確保し集団免疫を目指している一方で、未だに医療関係者にすらワクチンが行き渡っていない貧困国もある。WHOは、富裕国が若くて感染リスクの低い国民に分配するワクチンを、貧困国の医療関係者やリスクの高い人々に回すべきだと主張している。

その主張の根拠は、もちろん人道的な理由は大きいが、それと同時に、富裕国で感染拡大が止まっても、貧困国で拡大が継続した場合、結局は変異種が次々と生まれてしまい、それが再び拡大する危険性もあるのでパンデミックが終わらないという医療科学的な立場からの主張でもある。

これは本当に一理あるのだけれど、だからといって、例えば今の米国政府が、若くて感染リスクの低い米国民の分のワクチンを別の国に回しますので、皆さん経済再開はもうちょっと我慢してください、などと発表したら、やっとまともに動き出した連邦政府なのに、膨大な批判を浴びて機能しなくなる可能性がある。暴動が起こる可能性すらあると思う。

わかる、WHOの主張はよくわかる。でも、できることと、できないことが、各国政府にはある。ということで、貧困国で未だに出口が遠くて苦しんでいる人々には本当に申し訳ないけれど、とりあえず、自国の国民分を確保してから、貧困国のサポートをするというところで手をうってもらうしかない。

こういうときは、自分が生まれた場所の幸運を改めて知る。そして、本当に世の中は不平等だなあと再認識するのだ。私達は実に自分勝手な生き物だ。

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