シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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世界の復活を担うワクチンについて

なんと現時点で米国の18歳以上の半数が少なくともワクチンの一回目の接種を終えているらしい。速い、本当に速い。米国の人口を考えれば本当に驚くほど速い。1億2千9百万人を超えるらしい。どんな魔法だろうと思う速さだが、実際自分の周りの人達から毎日のようにワクチンを接種したという話を聞くので、この数字がでたらめではないことは確かだ。

これで、ジョンソン&ジョンソンのワクチンは接種停止状態なのだから、接種が再開されたらこのスピードは更に加速するだろう。未だジョンソン&ジョンソンのワクチン接種再開の詳細は発表されていないが、今週の金曜日にはFDAとCDCからなんらかの発表が出ると予想されている。多くの予想では、リスクファクタの高い接種者の一部に制限が出る形で接種が再開されるのではないかと言われているが、まだ確かなことはわからない。

この間に、米国から世界に視線を転じると、インドやブラジルやヨーロッパのいくつかの国を核にして世界では感染が爆発中だ。世界での死者は総計300万人を超えている。この現実を見れば、米国は自国民にワクチンをさっさと行き渡らせて、世界にワクチンを大量放出する必要があるのは明らかだ。このワクチンの分配が今後の世界各国の力関係にも影響すると言われていることも含め、米国には人道的にも外交的にもワクチンを早急に世界に流通させる必要がある。

さて、そんな米国での某アンケート調査によると、2月にはパンデミックの状況が良くなっていると答えた人が60%だったのに対し、今では77%の人が良くなっていると感じている。また、一ヶ月前には感染を心配していた人は49%だったが、今は35%まで減っている。ワクチンの浸透により人々の心境が明るく軽くなってきているのが数字に現れている。

このような心理状況の変化により、レジャーで旅行に出かけようと考える人が増えてきたという記事を読んだ。実際に自分の周りにも旅行に行く人が増え始めたので、実に納得の内容だ。米国内旅行に関しては、今やパンデミックの前のレベルと同じくらい、計画や予定をする人がいると報告されている。

しかし、海外旅行となると話は別だ。米国外の旅行を計画している人は未だに19%のすぎない。これは一重に、様々な国で発生している変異株への驚異や、ワクチンの接種の遅れが影響している。CDCが発表している旅行についてのガイドラインでも、感染拡大が著しい国、掲載されているマップでレベル4の国への旅行は控えるように記載されている。以下のリンクにそのマップがあるのだが、アジアの一部とオセアニアとアイスランドをのぞくと、米国も含め世界のほぼ全域がレベル4だった。

このような状況なので、国境を超えてまで旅行する覚悟のある人は流石に少ないのだが、もし海外旅行が必要な場合、旅行者はワクチン接種の証明を携帯するべきだと考えている米国人は68%を超えるそうである。この流れで、ワクチンパスポートへの体制が徐々に整いつつあり、特に観光業が産業の中核を担う国々は米国人観光客を、ワクチン接種または感染テスト結果が陰性であるという条件のもと受け入れるという発表を始めている。すでに、アイスランド、コスタリカ、エストニア、ポーランド、スロベキアは発表済みであり、ギリシャとフランスが発表を計画していると報道されている。ちなみに、上記のCDCのマップにおいて、アイスランドを除くとすべてレベル4の国々だ。

ワクチンパスポートは、すでに別の日記でも述べているが、米国では対立勢力や政治の影響を受け始めていて、連邦で実現できるかどうか未だわからない。が、ニューヨークではすでにスマートフォーンによるワクチン証明アプリがIBMとの協力により導入されたというニュースも出ている。スポーツ、劇場、コンサートなど、大規模なイベントが多数開催される都会では、これらのイベントをなるべく早く復活させるには、電子化されたワクチンパスポートの導入が必要だという考えのもと、米国で最も早く導入に動き始めたのはニューヨークだった。

 

ニューヨークのような大都市は民主党が強く、民主党支持者は基本的にワクチン受け入れ派が多いことを考えれば、ニューヨークでの導入はうまくいく可能性が高い。しかし、これを米国各地から集まるニューヨークに集まる旅行者に適用するとなると、なんらかの軋轢を生じるだろうというのは、覚悟の上だ。

今でも米国民の30%ほどの人々はワクチンを接種する予定がないと答えている。しかし、30%の人が接種しないとなると、集団免疫の達成は難しいともいわれている。となると、ワクチンパスポートまたは感染テストの陰性結果証明が、今後長期に渡り、旅行やレジャーの際に携帯するものに加わる可能性は大いにある。

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