シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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肥満とCOVID

ニュースを見る人であれば薄々感じていたのではないかと思うけれども、COVID19の感染によって亡くなる人と肥満には関係があるこという研究結果が発表になった。感染リスクは同じだと思うのだが、症状が悪化するリスクは相当高くなってしまうらしい。

パンデミック初期の頃から、糖尿病のような慢性疾患を抱えている人の重症化や死亡のリスクの高さは報道されていいたが、慢性疾患を抱えていない人のケースでも、亡くなった人や重症化して入院した人の写真がニュースに映しだされると、太っている人が多い。年齢によらず、若い人も年配の人も、感染する前の元気な写真は太っていることが多い。

今回CDCから発表された公式研究の結果によれば、BMIが30以上35未満の軽度肥満の人は、適正体重範囲にいる人よりも重症化して入院するリスクは7%、死亡するリスクは8%高いことがわかった。この程度のリスクの差異であれば、それほど気にする人はいないとおもう。

しかし、BMI値45以上の深刻な肥満を抱えている人の場合、なんと入院が必要な重症化のリスクは33%もあがり、死亡するリスクにいたっては60%も上がってしまうというのだ。これはびっくりするほど高い。

興味深い事実は、米国の人口の42%が体重過多または肥満であるといわれているが、COVIDで入院した人、ベンチレータが必要だった人、亡くなった人の実に78%は体重過多または肥満であったということだ。ここで言っている体重過多はBMI値25以上、肥満はBMI値30以上である。人口比に比べて、重症化率が非常い高くなっていることがわかると思う。

この情報は医療機関には特に重要だ。COVIDの感染が診断された患者が、体重過多もしくは肥満、とくにBMI値が45以上の重度の肥満の場合、重症化に転ぶ確率が非常に高いという予想ができ、医療関係者はより注意をして経過を見る必要があることがわかる。

肥満は万病の元といわれるが、パンデミックでは悲劇の元凶の1つをになっている。

ご存知の人も多いだろうが米国の肥満率はものすごく高いうえに、年々上層してきている。あと10年もすれば肥満率が全人口の50%を超えるだろうという研究結果が、2019年にハーバード大学からでているくらいだ。この肥満の大きな原因の一つに、安くて高カロリーなファーストフードとソーダの台頭がある。米国は貧富の差が激しい。貧しい人たちはなるべく安く、なるべくカロリーの高いものを食べることによって食費を抑える傾向があるので、貧困にあえぐ人たちほど太っているのだ。

このような背景が、米国のパンデミックにおける高い死亡率、死亡者の多くが貧困層、かつ有色人種である事実にぴったりと重なっていくのだ。パンデミックは、これまでも知られていたけれど、あからさまな可視化を避けていた米国の病巣を、容赦なく米国人の目の前につきつけていく。

「人種による貧富の差=貧困層=肥満=COVIDによる死」といった具合に。

せめて、ワクチンはリスクの高い人々、つまり貧困層に優先して分配するのが早期終息のためにもよいだろうということで、最近、特定の郵便番号を基準として優先的にワクチンを接種できるシステムが始まったばかりだ。貧困層が集まって居住している郵便番号が選ばれて、ワクチンの早期接種の対象地域になっている。

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