シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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バーモントを見習え(オレンジティア)

カリフォルニアに住んでいるとどうしてもカリフォルニア中心の視点で見てしまうのだけれども、実はよりお手本となるべき感染抑制体制を達成している州が米国にもいくつかある。日本では某カレーの名前によって誰もが知っているバーモント州もその一つだ。

バーモント州は4月にオーバシュートを経験したニューヨーク州に隣接する小さな州だ。人口も少なく田園地帯なので、たしかに感染が拡大しにくい要素は揃っているが、それでも、春のニューヨークやマサチューセッツと州境界を接している州としては、驚くべき低い感染者数と死者数が報告されている。3月からの今までの総感染者数は1900人弱、死亡者は58人である。桁がぜんぜん違う。

いくら人口が少ないと入っても、高齢者の住民が多い州であることを考慮すると、この数字は驚異的だ。いったい、バーモントではなにをどうすることで、州民を守ってきたのだろうか。

まず、大きく貢献していると思われるのは3月の素早いロックダウン後、規制緩和を非常にゆっくりしたペースで進めているところだ。半年たった現在でも、レストランやバーの室内営業は本来の50%の集客しか認めていない。また、アウトドアでの集会は150人までは許可を出しているのだが、これは州のルールであって、各ローカルではさらにきびしい規制を設けることが認めら得ている。バーモントで人口が最も多い街であるバーリントンでは、大学に学生が帰ってくるタイミングで、アウトドアの集会は25人までしか許可しないことを発表している。

また、この州は別の州からの訪問者に対してもきびしい。バーモント州よりも感染拡大の数値が悪い州からの訪問者は、バーモント州に入った途端に2週間の自己隔離生活をしなくてはならない。今現在バーモントよりも良い数値を出している州などほぼないので、実質どの州からの訪問者も自己隔離が必要となる。高齢化の進んでいるバーモントに、ほかの州からウィルスを安易に持って来られる可能性をできる限り排除しているのだ。

バーモントの成功例は人口密度が低い州だからの一言でかたずけられないと専門家たちは指摘する。やはり、慎重に対応すれば、経済を再開しながらでも感染拡大は抑えられるのだ。カリフォルニアが最初の感染の波の後、急いで規制緩和しすぎて、感染者数を急激に伸ばした頃、バーモントではぐっと我慢するフェーズを送っていたのだろう。

このようなバーモントの慎重さから実現された感染の抑え込み方法は、本気で見習うべきだ。幸いなことに、今のカリフォルニアの規制緩和システムであるティアシステムは、構造的にゆっくりと規制緩和が進むように設計されている。規制緩和を急いでは行けないと教えてくれている。

どうか、このままバーモント州は州民を守り続けてほしいし、カリフォルニアもそれに続きたい。そして、選挙が終わって政治的なゴタゴタが片付いた後は、連邦政府にもぜひこれらのウィルスとの戦いの作戦として習得してほしい。

それにしても米国は広い。カリフォルニア州のように、州が1国ぐらいの規模を持つ州もある。そして、これらの州の自治権は高く、今回の感染への対応のしかたも実に様々だ。私はときどき、米国の州は国のような単位で考えたほうが良いのではないかと思うことがままある。

そんな米国だからこそ、国でとしてひとっくくりにして、一日5万人超の新規感染者に怯える必要はない。連邦政府がほぼさじを投げてしまったウィルス対策を、州政府や郡の専門家がじっくりと検討して、政治的思惑のない身近な体制で戦いをすすめていけばよいのだと思う。

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