シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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ヨーロッパも第二波(オレンジティア)

ヨーロッパの新規感染者の伸び数がすごいことになっている。4月の第一波を遥かに超える新規感染者数をヨーロッパ各国が出している。1日の平均感染者数はヨーロッパ全体で合計すると8万8千人というのだからすごい。ただし、第一波に比べて死亡率は相当低く抑えられるのではないかと予想されているが、なにしろ新規感染者数が増えてから数週間しないと実際の死者の数の推移はわからない。

ヨーロッパの感染者数に負けずに、米国の感染者数もものすごい数を出している。少し前まで1日4万人ほどの感染者数は、昨日の月曜日、1日の新規感染者数が5万8千人を超えた。着実に夏のピークの値を目指して急上昇している。

しかし、中国、日本、韓国、東南アジアの国々には、未だ第二波が訪れていない。9月以降、中国、日本、韓国、シンガポール、香港の感染者の数を合計しても 1日1千人を超えないというのだから、いかにアジアの国々が感染を低く抑え続けているかがわかる。

大きな違いはコンタクトトレースの発達であると言われているが、それ以外にも文化的なファクタが影響を与えていると考えられている。そもそも、西洋社会に比べてアジア社会では感染病に対してセンシティブだ。感染が最も効率よく抑えられている国である韓国では、80%の人たちが自分が感染することを心配しているに対して、米国では58%、スペインでは45%の人しか感染を心配していないそうだ。心配して予防しているから感染が広がらないアジアと、心配せずに予防が不十分なため感染が広がっている西洋社会という図式がそこにはある。

そして、もう1つ重要なファクタは、アジアの多くの国で受け入れられている、社会の安全を守るためには、多少の個人自己犠牲はやむを得ないとする文化だ。この文化基盤に対して賛否両論はあるだろうが、パンデミックと戦うためには非常に有効な武器となっているのは間違いない。

西洋社会が第一波が過ぎた後に、100%普通の生活を戻り、ウィルスが消滅したかのように振る舞ったため第二波に直面しているのに対し、アジアの多くの国々は、多少の不便や窮屈さを受け入れることで、パンデミック以前と同じ100%の普通の生活は諦め、その代わりにその90%を取り戻すことに成功したとも言われている。

本当に羨ましい限りの話で、米国の人々もぜひ見習ってほしいと思う。

さて、米国の感染者が上昇中という話をしたが、実はカリフォルニアの新規感染者数は以前減り続けている。ほかの多くの州が上昇傾向にある中、9月の半ばから徐々に規制を緩和してきているカリフォルニアは、なぜか規制緩和に伴う感染拡大が未だ発生していない。

「ゆっくりと、融通をきかさず」規制を緩和していくというのが、州政府による今回の経済再開のテーマだが、それを持ってしても州政府は、規制緩和による感染拡大の波が10月の半ばには発生すると予測してそのための体制を整えていた。にもかかわらず、予想に反して感染拡大の波はまだやってきていない。これは良いニュースなのだけれど、いったいなにがどう違って、予想以上にうまくいっているのかは未だに謎だ。

ゆっくりと規制を緩和しているために、感染拡大のインパクトが小さいからなのか、規制が再び厳しくなる可能性に懲りた州民が心をいれかえて、以前よりも感染防止に努めているからなのか、よくわからない。

確かに買い物にいけばマスクをしていない人をみかけることはないが、私が借りている共有オフィススペースに行けば、結構マスクをしないで共有スペースを歩いている人をみかけるようになった。人数を制限しながら営業再開をしたショッピングセンターは、人数制限があるとは思えないほどマスクをした客であふれているそうだ。やっぱりどうみても、規制緩和に伴って人々の警戒は明らかに緩んでいる。

緩んでいるにもかかわらず、感染が拡大してこない。それとも、これから増えていくのだろうか。今後2週間のデータを注意深くおっていきたいと思う。もし、今後2週間たっても増えてこなかったら、それはすごいことだ。カリフォルニアのティアシステムを考えた人々を称賛したいところだが、今はまだちょっと早い。ぬか喜びをしたくない。

このままカリフォルニアもアジアの国々のように、うまく感染を制御できたらいいなと望みをかける日々だ。

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