シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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シリコンバレーはティア3に昇格するのか?(ティア2)

今日はやばかった。仕事が。

あまりにゴタゴタが過ぎたので、もう今日はなんにもしないで寝ようと思ったけれど、やっぱりなんか書いとこ、とブログを開いたのだが、難しいニュースサイトを読む気力が残っていないので、まあ、私の今日の注目だけにさらっと触れることにする。

米国で再び感染拡大の波の予兆が広がっている。31の州で、感染者が過去7日間よりも増えているし、そのうちの9州では、入院者数が過去最高を記録した。明らかに感染は再び拡大方向に舵がきられたようだ。

現在一般的に使用されている予測モデルによると、今の状態が続けば米国は2月までに更に18万人の死者を数えるだろうと予測されている。すでに21万人が亡くなっているのに上乗せしてである。この日記で本当によく登場するファウチ博士は、この劇的な数字が米国民に現実を気づかせることになってほしいと切実に訴えている。

しかし、残念ながらこの数字だけでは、多くの米国民を動かすことはできないだろうと思われる。米国民がデータと数字に怯えていたのは4月5月ぐらいまでのような気がする。その後は、あまりに大きな数字に慣れすぎて、感覚が麻痺している。彼らの目をさます数字は、たぶん、10万人の目に見えない死よりも、1人の身近な死だ。10万人20万人という数字は、あまりにも日々の生活からかけ離れすぎてしまった。

ファウチ博士は、また、再びシャットダウンをしなくてはいけないのではと心配する人がいるようだが、それは必要ないという (たぶん彼は本当はシャットダウンをしたほうがより良い結果を生むとは思っているけれど)。マスクをして、他人と距離をとる。たくさん人のいるところにはいかない。たくさんの人を集めない。そして手を洗う。拡大を止めるのに専門家が要求しているのは、たったこれだけのシンプルなことなのだ。それだけで、今後の犠牲者を大幅に減らすことができるのだと、ファウチ博士は相変わらず明確に力強い声で語っていたが、その表情は暗かった。

それはそうだろう。彼がどんなに訴えても、米国の感染は少し減った途端に、また増えていくの繰り返しだ。彼はAIDSの流行時を含め50年以上感染病の拡大防止に関わってきた専門家だが、現在の米国の感染拡大ほど食い止めるのが難しいものはないと感じている。原因は、ウィルスそのものの狡猾さではなく、国民が分裂していることだと語っていた。

感染病の拡大を食い止めるには、人々の間にコンセンサスが必要だ。米国の現状はそのコンセンサスが成り立っていない。

拡大が広がり続ける米国において、現在、コンセンサスらしきものが成り立っているのは、前回も取り上げたカリフォルニア州だ。カリフォルニアは米国で最も人口が多い州であるため、総感染者数も総死者数も大きな数字を出しているが、実は7月下旬から8月のピークを境に着実に新規感染者数を減らしている。また、現在の陽性率は非常に低く抑えられている。

シリコンバレーのあるサンタクララ州は、過去2週間の新規感染者数が10万人につき3.5人程度、陽性率が1-2%の間であり、規制緩和のティア3の条件である新規感染者数が10万人につき4人未満と陽性率が5%未満を満たしているため、明日のティア成績発表会(私が勝手に名付けた毎週火曜日に行われるカンファレンス)で、いよいよティア3への昇格が発表されるのではという期待が高まっている。ティア3に昇格すると、今年の3月以来初めて、レストランの室内営業が許可される。

まあよく考えてみれば、カリフォルニア州は、最初のロックダウン以来、ずーっと半シャットダウンの状態で7ヶ月を過ごしてきたので、ファウチ博士の「シャットダウンではない」というところは、厳密に言うと当てはまらないのだが、彼の言うように、マスクが広く浸透し、ソーシャルディスタンスにも慣れ、大人数で集まるイベントは行わないというルールが守られれば、再拡大を避けられると思わせる経過をたどっているのは事実だ。

カリフォルニアがほかの州に比べてコンセンサスが成り立っている感じがするのはなぜだろう。実はカリフォルニアだって100%のコンセンサスが成り立っているわけではない。保守的で有名なオレンジ郡はいつだって、州の方針に抗議を繰り返しているし、マスクをしないで街を出歩いている人が多くて有名だ。

それでも、カリフォルニアでは75%以上80%近いの人がマスクを使用しているという統計が出ている。全米でマスクを使用している人が60%程度なのと比べると遥かに高い。カリフォルニアの多くの郡ではマスクをしないと罰金をとられたり、食料品の買い物ができないからだ。このような厳しいルール、厳しい規制緩和システムを構築と展開に強く貢献したのは州政府の強いリーダシップだと考えて良いと思う。

もともと、カリフォルニアは一部の保守派は存在するものの、州全体的にリベラル寄りが過半数をしめているので、コンセンサスを取るのは比較的難しくない。そのコンセンサスを基に、州政府は強いリーダーシップを発揮できる土台を持っている。それに比べて、現在の米国は、ファウチ博士が嘆いていたように、激しく分裂中だ。国民のコンセンサスが一致せず、連邦政府の強いリーダーシップが発揮されなくては、人々が協力して感染病を食い止めるのはむずかしい。

選挙戦後、国民をまとめることのできる連邦政府のリーダーシップが切実に望まれている。

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