Apple の新製品に見るパンデミック（ティア２）
今日、シリコンバレーの顔の一つAppleの新製品の発表のバーチャルイベント開催された。多くの人がiPhoneの新製品の発表を期待していたと思うのだが、さすがのAppleにもパンデミックの影響は大きかったらしく、開発の遅れのため今回の発表は見送られた。もしかしたら、iPhoneだけ独立した発表会がそのうちに開かれるかもしれない。
代わりに発表されたのは新しいiWatchとiPadだが、どちらもパンデミックエラを色濃く反映した商品となっている。
まず、iWatchの新機能のフォーカスはヘルスケアだった。血中酸素が測れるようになり、まさしくCovidのための機能である。今回の感染症状の大多数を占めるのは息苦しさであり、肺炎を併発することが多い。もし、息苦しさを感じて、病院に行くかどうか迷った時に血中酸素は1つの目安になると言われている。その話を聞いて、私はパルスオキシメータを買ったのだが、新iWatchにはこのパルスオキシメータの機能が搭載されているというわけだ。加えて、新しいヘルスアプリのサブスクリプションも発表され、まさしくヘルスに焦点を当てた製品開発となっている。
次にiPad。基本的には全体的に性能が上がってもお値段が変わらなかったため、お得感のある製品となった。オンラインで授業を受けなくてはならない子供達が多い今、お手頃価格のデバイスの販売は嬉しいところだ。シリコンバレーの学校は基本的にデバイスを無料貸与しているが、そういう恵まれた環境ばかりではない。複数の子供に複数のデバイスが必要な家庭には朗報かもしれない。
そして、面白いのが、一時期撤退していたタッチ認証が戻ってきたこと。パンデミックの折、マスクをしている顔を使って認証されない現象を踏まえて、タッチ認証機能を再搭載することにしたのだと思われる。こんなところにもパンデミックの影響が出ているんだなと感心した。
新しいMacの情報がなかったのは、実はちょっと嬉しい。なぜなら、つい先週末MacAirを購入したところなので、新しいのが出たらちょっと悔しかった。今月はうちの会社の年度末なのだが、4月から6月までロックダウンの影響でビジネスが滞った期間に、超緊縮財政を行った。これが、ちょっとやりすぎたらしくて、予定よりも黒字が出そうなので、会社の備品を買い足すことにしたのだが、MacAirもその一つだ。実は先の新しいiWatchにお安いバージョンがあるのでちょっと欲しくなったが、さすがに会社の備品としては買えないなと1人で笑った。
今日のもう一つのニュースは、大統領が4週間ぐらいでワクチンが完成するだろうと発言したことだ。多くの著名または無名な専門家が口を揃えて、10月中にワクチンが利用可能になるのは現実的ではないと言っている最中の発言で、これはちょっと怖い。本当に4週間以内にワクチンが承認されて利用可能になったら、かえって疑わしく感じてしまう。ある医者が、その有用性と副作用のきちんとしたデータが揃っって回覧可能であるのであれば、自分も喜んでワクチンを摂取するのだが、そのようなデータが10月中に揃うとは思えないと発言していた。じゃあ、誰がそのワクチンを摂取する勇気があるのだろう。
ワクチンの接種といえば、信頼できるワクチンがいつ承認されるにせよ、最初に接種対象になるのは、ウィルスの治療にあっている医療関係者である。その次は、慢性疾患を持っているハイリスクな人々と高齢者だと言われている。その次に、子供やティーンエイジャー。そして最後にそれ以外の人々となる。私はさすがに高齢者枠には入らないと思うので、最後の枠まで摂取することはないだろう。
この順番で徐々にワクチンの接種が進んだ場合、ワクチンがたとえ今年の末までに利用できるようになったとしても、大多数の人が摂取できるのは来年の夏ごろになると言われている。そう。このNew Normalはまだまだ続くのだ。
だからこそ、今、新規感染者がグッと減ってきているシリコンバレーの住人とビジネスは、New Normalに今度こそしっかりと適応して、このまま感染者を増やすことなく、かつ、それなりに生活を楽しむ方法を習得したほうがいい。感染者が増えると、再び規制が厳しくなって、生活を楽しむのが難しくなる。
今の状態でいかに楽しく暮らすかに知恵を絞って、頑張ろう。
