シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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100日間で1億接種をめざせ!

12月末にバイデン次期大統領は、トランプ大統領のパンデミックの対応を批判、ワクチン接種数が一向に目標数に近づかない事態に懸念を表明し、自分が就任した日から100日間で1億接種を実現すると表明した。

このニュースを聞いた時は、「また大きく出たなあ、でも言うだけならできるし」と思ったのは、たぶん私だけではないと思う。なにしろ、私達はこの一年間、政権によりなんでもかんでも水増しして語られる様々な数字にすっかり慣らされてしまっていたので、「ふーん、そうなるといいね」ぐらいの真剣さでしか捉えなかった人も多かろう。

今週の水曜日にいよいよ就任式を迎えるに当たり、100日で1億接種というバイデン氏の誓約が急激に現実味を帯びてきている。バイデン氏はその実現可能性を会見で再三繰り返しているし、各ニュース媒体は、それが可能なのか、不可能なのか、可能であるとしてどれくらい難しいのか、という意見を述べている。

そして、今日、我らがファウチ博士が「実現可能である。できない理由はない」と述べたために、その実現可能性はぐっと現実的になった。それほどまでにファウチ博士は多くの米国民やメディアに信用されている。パンデミックは始まって以来、彼の予測はほとんど間違っていない。特にワクチンの開発の時間軸に関しては、パンデミック初期の頃から相当正確に予測していた。

しかし、ワクチンの接種が始まってから一ヶ月あまりで行われた接種数は100万接種ほどという、現状を考えると、100日(3ヶ月ちょっと)で1億とは大きく出ている。今の3倍以上の効率でワクチンが接種される必要があるし、同時にそれだけの量のワクチンが確保されよどみなく配布され続けなくてはならない。

たしかに、配布方法や接種手順が確立されてしまえば、確実に効率が良くなるはずなので、3倍以上の効率は難しくないかもしれないが、それだけのワクチンの数を確保できるかどうかはまだちょっと不透明だ。しかし、ファウチ博士によれば、後続の新ワクチンも次々と検査が進み認可がおりていくことを考えれば、実現可能だそうだ。

米国の人口は3億人超である。このペースが実現できれば、夏の始まりの6月には2億人が、新学期が始まる9月にはほぼ90%近い国民がワクチンを接種している計算だ。ただし、多くのワクチンは2回接種する必要があることを考えると、実際に免疫を獲得できるまでにはもう少し時間がかかると考えたほうがいい。

そして、この時間軸はまさしく、ファウチ博士が今年のはじめに語った、2021年になにができるようになるか予想とほぼ一致している。つまり、ファウチ博士はバイデン氏が100日で1億接種を表明したときから実現可能だと思っていたし、よくよく考えればバイデン氏はファウチ博士から情報を得たうえで、あの発表したのかもしれない。

とにかく、これまで大統領と専門家の言うことが一致しないことが多い状態で数ヶ月を過ごしてきた後なので、次期大統領とファウチ博士の言うことが一致しているのは精神的にホッとする。そして、ファウチ博士が言うならば、たぶん大丈夫なんじゃないかなという、根拠のない楽観が生まれてきた。

しかし、そこまでの道は簡単ではないだろうというのは、沢山の専門家が指摘しているところだ。バイデン氏はDPA(国防生産法)を発動してワクチンの生産と分配を支える用意があると発表している。DPAは、朝鮮戦争時に制定された法律で、戦争のような緊急時に政府に産業界を直接的に統制する権限を与えるものだ。

さて、後2日で始まる新政権。まずは、この重要な局面を乗り切って、パンデミックの間に連邦政府がごっそりと失ってしまった信用をなんとかして取り戻してほしい。

これからもあらゆるニュースから目が離せない。

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