シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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感染しない体を作るために意味がありそうなこと(ティア2)

最近、ファウチ博士はいろんなメディアに登場している。ロックダウン初期の頃彼をみるのはホワイトハウスで毎日行われていたウィルスに関する定例報告ミーティングであった。その定例報告ミーティングが、ホワイトハウスの判断による感染拡大の終結が近づいてきたという理由で5月に終了になった(今振り返ると、思わず笑ってしまうほど見当外れなだったわけだが)。

その後、彼の姿は主にニュースのインタビューで見かけるようになった。彼のメディアでの登場頻度は非常に高く、国民からの信頼性も高かった。そして、7月、国民にウィルスの現状を伝える続けるために酷使しすぎた喉のポリープを切除する手術をうけたために数週間姿を見なかったのだが、その後再びニュースに顔を出し始めた。

加えて、彼はあちらこちらの有名人のSNSのライブ放送にもたくさん登場するようになった。FaceBookのザッカーバーグや、女優のジェニファー・ガーナーのような有名人たちが主催するSNSのライブ放送で、感染に関する身近な話題を身近な言葉で世間に伝えている。この方法は、テレビ離れの進んだ若い世代に対して情報を伝播するには、良い手段なのではないかと思う。

さて、そのSNSライブから拾われてきたファウチ博士からの情報で2つほど興味深いものをとりあげよう。科学者でも政治家でもない人々が、彼に尋ねる質問というのは、実際のところ一般人の知りたいところをついてきていると思うからだ。

最初は、パンデミックによって注目を集めている免疫を高めると宣伝されているいろいろなサプリメントについて。ファウチ博士によると、さまざまなサプリメントが売られているが、ほとんどのサプリメントは通常、免疫力に対してなにもしないと言い切っている。ただ、彼でもお勧めできるサプリメントが2つあるそうだ。

ビタミンDとビタミンCである

人間は歳を取るとビタミンDが欠乏してくる。かくいう私も数年も前から、医者にビタミンDの欠乏症なのでビタミンDのサプリメントをとるように言われている。ビタミンDは免疫システムが正しく機能するのに必要な栄養素であるため、通常よりも欠乏しているのであれば、サプリメントで補充するのは意味があるそうだ。実際のところ、シカゴの医薬関係の大学のリサーチによると、Covidの感染とビタミンDの欠乏には、関係があるという研究結果が発表されている

ファウチ博士がもう一つあげたサプリメントはビタミンCだが、広く知られているように、ビタミンCには免疫の抵抗力を助ける働きがある。ただし、とりすぎてもよくないので、1グラムから多くても2グラムほどのサプリメントがよいと言われている。

この2つ以外のすべてのサプリメントは、ファウチ博士の見解では特に効果はないそうだ。むしろ、サプリメントをとるよりも、よく寝ることと適度な運動のほうが免疫システムの助けになると述べていた。納得である。

もう一つの話題はインフルエンザの予防注射についてだ。ファウチ博士は少し前から、今年の予防注射は非常に大切なものになる、インフルエンザとCovidの両方が蔓延しないように、摂取できるすべての人は摂取するべきだと繰り返し述べている

さて、その気になる接種時期について、ジェニファー・ガーナーがきいてくれたのだが、ファウチ博士の答えは、必ず摂取するべきだが、急ぐ必要はないとのことだった。たとえば、9月に摂取した場合、その効き目が2月や3月に落ちてしまう可能性があることを考えれば、高齢者や健康に不安がある人は、むしろ10月の半ばから末まで摂取を待ったほうがよいそうだ。待っていたらワクチンが足りなくなるのではないかという質問に対しては、毎年ワクチンは十分に余っており、その心配はしなくてよいだろうという答えだった。

知りたいことがそのままわかって、とっても役に立つ。やっぱり一般人の感覚の質問はありがたいし、たいして専門的でもない質問にも、わかりやすく答えてくれるファウチ博士にも感謝したい。

さて、昨日大統領が4週間ぐらいでワクチンが用意できるといって、多くの人を不安にさせたわけだが、今日は、CDCのトップがワクチンが一般の人が摂取できるようになるのは来年の春の終わりか夏になるだろうと、念を押してくれた。これで、今年中にロックダウンは終わるんだと早とちりしていしまいそうな人たちの気持ちに冷水を注いでくれればて良いと思う。落ち着いて考えてみると、悪いほうの知らせのほうがより安心するという、不思議な逆転現象が今の米国では起きている。

そういえば、ジェニファー・ガーナーは、私達はいつ劇場にもどれるのかという質問をしていた。ファウチ博士もCDCのトップに近い考えで、世間一般の人がみなワクチンを摂取して、安心してマスクをせずに劇場にいけるようになるのは、来年の終わり頃になるのではないだろうかと答えていた。それを聞いていたジェニファーの顔がとても寂しそうだったのが印象的だった。

パンデミックは、「はい、今日で終わりです!」という風には終わらない。少しづつ少しづつロックダウンが緩和されていき、同時に少しづつ少しづつ免疫を持つ人が増えていく。しかし、ワクチンの効果は100%ではないことを考えると、毎年来るインフルエンザと同じで、感染者がゼロになることはなく、不安を残したままロックダウンがリフトされていき、人々はそれぞれの判断基準でパンデミックが終わったことにするか、または、しだいに風化して記憶が薄れていくように終わっていくかのどちらかになるだろう。

それは、人によっては、劇場が開いたときかもしれないし、再び飛行機に乗って海外旅行に行くと決めたときかもしれない。学校に普通に通い始めたときかもしれないし、人前でマスクをとったときなのかもしれない。

  
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