シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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コンタクトトレースアプリはテスト中!(オレンジティア)

 コンタクトトレースアプリが生まれない」で書いた Google と Apple が協力して構築した、それぞれの OS が Bluetooth シグナルを使ってお互いの距離を測ることができる機能についての続報を発見した。過去の日記の内容を読んでもらえば詳しく書いてあるのだが、ロックダウンが始まった直後、シリコンバレーを代表するテクジャイアントの2社がたった1っヶ月でそれぞれのOSのアップデートとして開発し、その仕様を発表した機能だ。

地方自治体などがこの機能を使ってアプリケーションを開発して、感染者が自分が陽性とわかった時にアプリに報告できるようにすれば、報告者と一定期間内に濃厚接触した人たちに自動的に通知を送るようなしくみを作ることができる。が、そのようなアプリがなかなか生まれない理由を報告したのが7月の「 コンタクトトレースアプリが生まれない」だ。

さて、今日のニュースによると、実は9月半ばごろから、カリフォルニア州はCA NOTIFYというアプリのテストを始めていたらしい。どれくらいの効果があり、どのように運用すれば役に立つのかを知るべく 2 つの州立大学をテストプラットフォームとして選んでテストを始めた。

カリフォルニアの大学は、感染防止のため通常教室で授業を行わず、ほぼオンラインスクラスなのだが、学生の中には大学の施設を使うために授業がなくても学生街に戻り暮らしている人も多い。また、大学の職員や教授陣なども、大学にいることが多く、生物を育てたり飼ったりするような学科では必然的に人がやってくる。そのような大学のトラフィックを利用してテストを始めたというわけだ。

これはとても賢い方法だ。なぜなら学生たちは通常新しいアプリケーションへの抵抗感が低く、プライバシーの公開に対しても警戒感が薄い。特に大学内の実験ともなれば、アプリのインストールを躊躇する学生は少なく、たくさんのテスト媒体を手に入れることができる。実際のところ、現在テスト中の2校では、大学コミュニティの半数にあたる学生や大学関係者が、アプリをボランティアでインストールしてテストに参加しているそうだ。

さて、9月の半ばからテストを勧めてきたこのアプリ、この度テスト範囲を広げることになった。よりたくさんのテスト対象者とより広いテスト地域をカバーすることにより、現在よりも信頼性の高いテスト結果を手に入れるためだ。そこで、より大きな州立大学であるUCLAやバークレー大学など5校を加え、本格的なパイロットプロジェクトを走らせるという。加えて、カリフォルニア州外の大学のいくつかも参加するそうだ。

この仕組みの弱点は、アプリのインストールも感染した場合の通知も、ユーザ自らが、コミュニティ感染拡大を防止するために、自発的に協力してくれるという大前提が土台となるところだ。広範囲の大多数のユーザがアプリをインストールしてくれなくてはまったく意味のない仕組みとなる。プライバシー情報は外に出ないように設計されているとはいえ、どこまで沢山の人達が信用してインストールしてくれるかは、このパイロットプロジェクトでどれだけの効果と信頼性があるデータを集めることができるのかと大きく関係してくるだろう。

寒くなって感染が拡大し始めた今、この仕組を使って少しでも多くの人が、自分の濃厚接触の可能性をアプリの通知を通して知って、テストを受けるようになれば、感染者の早期発見に繋がり感染スピードを抑えることができる。ぜひ期待通りに機能してほしいし、一般に公開されたときにたくさんの人達にインストールしてもらえるようなアプリケーションであるといいなと思った。

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