シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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オレンジティア再び

冬の危機的な感染拡大が収まって規制が1段界緩和されたレッドティアになってから3週間(「レッドティア再び、テキサスの憂鬱 」を参照)、シリコンバレーが属するサンタクララ郡は順調にその感染者数を減らし続け、この様子ではたぶん今週の火曜日のには更に規制が緩和されるオレンジティアへの移行が期待されている。

前回サンタクララ郡がオレンジティアに移行したのは10月14日だったのだが、その2週間後には再び感染拡大が始まり、坂道を転げ落ちるように状況が悪化したのは記録に新しい。これも「レッドティア再び、テキサスの憂鬱 」に記録してあるので、興味がある場合はそちらを参照してほしい。

さて、今回のオレンジティアへの昇格、嬉しくないといえば嘘になる。やっぱり嬉しい。それだけ感染者が少ないということが実感できて嬉しいのだが、規制が緩和されることには不安が残る。なにしろ、前回のオレンジティア昇格後の感染状況の悪化には凄まじいものがあった。悪化の原因がオレンジティアの規制緩和とはいいきれないタイミングではあったのだが、まったく無関係ともいいきれない状況だった。

そのうえ、今回はワクチンの接種が進んでいるために、すでに若干気の緩みが出てきているところだ。そんなところに規制が緩和され、レストラン内や映画館やショッピングセンターでまだ顧客数を制限されているとはいえ、これまでよりも多く受け入れることができるようになる。同時に学校も一部ではあるが再開される。現在カリフォルニアでも変異種が見つかっていることからしても、再び感染拡大が始まるかもしれないという心配をぬぐうことはできない。

もちろん、これらすべての規制緩和は、マスクの着用とソーシャルディスタンスを前提としているのだが、そこをどこまで人々が守り続けるのかが感染の再拡大を防止するネックになる。

それから、もちろんワクチンの接種だ。再び感染が拡大する前にできるだけたくさんの人々、特にリスクの高い人々にワクチンを接種しなくてはならない。今や米国は、ワクチンの接種と感染拡大のレース中だと表現されている。ワクチンの接種拡大スピードが十分に速ければ、感染再拡大を食い止められる。遅ければ、早すぎる規制緩和を進めつつある米国はヨーロッパを追って感染の再拡大に突入する可能性が高い。

ちなみに現時点で米国の50州のうち21州が感染拡大方向に傾いている。悪い兆候だ。

幸いカリフォルニアはまだ感染減少方向に傾いており、感染率もテストの陽性率も米国きっての低い数値をだしている。このまま低い数値で留まったままでいてほしい。

そんな心配をよそに、フロリダ州マイアミでは大学生たちが春休みの旅行で集まって大騒ぎしている(「次の感染の波はやってくるのか?」を参照)。それもよりによって、例年よりもたくさん集まって大騒ぎをしているというのだから頭が痛い。あまりの人の多さに、繁華街は路上が見えないほど人が集まり、ロックコンサートのようだという。もちろん、マスクはしていないし、ソーシャルディスタンスもない。レストランやバーでは集まった若者たちの小競り合いや喧嘩が発生し、逮捕者でている有様で、治安の悪化を受けて、マイアミはとうとう非常事態宣言を発令、夜間外出禁止令をださなくてはならなくなった。

パンデミックでなくても呆れるような話なのに、これがパンデミックの真っ只中だというのだから、いったい何考えてるんだと、開いた口が塞がらない。今年は例年よりも更に人が集まり荒れている理由は、フロリダ以外の旅行先が彼らを受け入れないからだ。メキシコのビーチも例年は人気の目的地だが、パンデミックのさなか米国からの旅行客は当然ながら歓迎されない。その他の国内の目的地も規制未だに残っている場所が多い。フロリダは「最後に残った自由の砦」とばかりにスプリングブレーカーが集結しているというわけだ。「自由の砦」といえば聞こえはいいが、やってることは酔っ払ってぶらついて、パーティして踊ってナンパしている、馬鹿騒ぎをする自由なのでまったく尊敬に値しない。

そんな若者たちの映像が映るために、これ、どこの大学のどんな学生なんだろうと疑問がわく。酔っ払ってるせいなのか、馬鹿なことをやっている姿だからなのか、ぜんぜん頭が良さそうにはみえない。

疑問なのは、誰があの旅行費用を払っているのだろうということだ。米国の大学というのはものすごく授業料が高いので、誰もがいける場所ではない。ある程度裕福な家庭の子供か、ものすごく優秀で授業費が免除になる学生か、学生ローンを組んでいる学生ぐらいしか、大学にはいけない。授業料も生活費も高いのに、そのうえ春休みの旅行の費用をポンと出してくれる親がいるとしたら、そうとうの余裕のある(子供を甘やかす)階級の出身だろう。でなければ、自分でバイトをしたお金で旅行をしているのかもしれない。どちらにせよ、馬鹿騒ぎに使うにはもったいないとは思う。

ものすごく優秀で授業費が免除になる学生が、あの馬鹿騒ぎに参加しているとは思いたくないが、ありうるのだろうか?学生ローンを組んでいる学生が、学生ローンの一部を使って遊んでいるとも思いたくないが、これもありうるのだろうか?

どちらにせよ、もう少し賢くなってほしいよなあとため息をついた。

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