シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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更なる規制緩和申請は却下されました(規制緩和フェーズ2)

シリコンバレーのあるサンタクララ郡は、広大なカリフォルニア州の数ある郡の中でも最も遅いペースで規制を緩和してきた。近隣の郡が、レストラン内の飲食やヘアサロンの営業を始めるなか、基本的にはアウトドアでの活動を中心に緩和し、インドア活動はマスクをしてソーシャルディスタンスを保つ条件でショッピングだけが許可されていた。

3月中旬から3ヶ月半、そろそろ4ヶ月目がみえてきた厳しい規制体制にも慣れてきたとはいえ、ヘアサロンと床屋が開いていないのは郡の誰もが困っているところ。バリカンを購入したり、ヘアダイを購入したりして、策を練っているものの、やはりあれだけたくさんのプロが存在し、それなりにお金を稼ぐビジネスだけあって、素人が簡単に代行できるものではない。

我が家の場合、私はヘアダイに失敗し続けたため髪が三色になり、私以外の住人は、髪ぼうぼうか、左右不均衡か、謎の髪型のルーティンを繰り返している状態だ。そんな中、先週、サンタクララの衛生局のコーディ博士は、7月13日にサンタクララカウンティの規制をもう一歩緩和する方向で州に許可を申請していることを発表した。

この規制緩和にはヘアサロンが含まれることになっていて、そのほかの緩和候補であるインドアの飲食やジム再開などには特に食指が動かなかったが、ヘアサロンだけは「行きたい、これは行きたい」と心の声が叫んだ。インドアの飲食は、持ち帰りすればいいし、ジムはオンラインクラスで不便していない。でも、ヘアサロンだけはどうしようもないほど不便をしている。

緩和になってすぐは混むだろうし、インドアだからリスクもある。すぐに行くのはやはり迷うな、いつ頃予約を入れようか、などど悩んでいたのはほんの数日だった。なぜなら、本日、サンタクララ郡の規制緩和の申請は、残念ながら州政府から却下されてしまったからだ。

確かに、先週、カリフォルニアの感染者数と死者数が大幅に伸びたことを考えれば、このタイミングで規制緩和が進むとは考えにくかったのだが、サンタクララカウンティは実は1000人あたりの感染者数も死者数も近隣のどの郡よりも低いのだ。それは、これまでシリコンバレーの人々が、厳しい規制緩和をできるだけ守ってきた成果であるのだが、それでも緩和された分、感染者が増えてしまったし、入院者も増えてしまった。しかし、カリフォルニア州政府によって指定されているウォッチリスト(危険な郡のリスト)から外された事実を考慮して、もしかして緩和申請がパスするかなと思っていたのだが、やはり甘かった。

そもそも、周辺の郡では、感染拡大を受けてレストラン内の飲食やヘアサロンの営業許可が取り下げられている現況において、サンタクララ郡で許可が降りるのは、どう考えても厳しかったなと、一人納得した。

こうなったら、いっそのこと髪をオレンジとかピンクに染めてみようかとか、どうせ家にこもっているのだし、普段やらないことをやってみるのも悪くないのでは、などと考えつつ、毎日仕事に追われててそんなことをやってる暇ないけどね、と自分でツッコんで気晴らしをしてみた。

さて、米国はパンデミックの出口を見つけられないまま不安な7月を迎えた。アリゾナ、テキサス、フロリダを中心に南部の州の感染者数とそれに伴う入院者数やICU占有率は、4月のニューヨーク州の医療機器が足りなくなったときの不安を思い出させる。

未だに米国は感染を制御できていると考えている人は、米国内にどれくらいいるのだろう。少なくとも米国外には、そう考えている人はもういない。

 

 

 

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