シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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不可解な人々(ロックダウン62日目・現時点の解除予定日まで残り14日)

*この日記でロックダウンと呼んでいる規制は正確にはShelter-in-PlaceまたはStay-at-Home(自宅避難)規制と呼ばれています。ロックダウンには広範囲の意味があり、緩い規制から厳しい規制にまで幅広く使われいます。

シリコンバレーでは、まだ当分先の話になりそうだが、小売業が通常営業を始めた他州では、すでに色々な事件が起こっている。ウィルスが存在し、ワクチンが存在しない今、ロックダウンが解除されたとしても、ソーシャルディスタンスやマスクの着用は義務付けられている州が多いのだが、そのルールに従わない人もいる。ルールに従わない人をどうするのかが今、ビジネスを再開した店での論争になっている。

なぜなら、マスクの着用を求めたことがきっかけで、店が脅迫されたり店員が暴力事件に巻き込まれる例が米国のあちこちで起こっているからだ。

ミシガン州の小売スーパでは今月のはじめ、マスクを着用していない顧客の入店を断った警備員が、その顧客の家族によって射殺されるという凄惨な事件まで起こってしまった。そこまでは酷くなくても、銃を使って脅されたり、殴られたりと言う例は後をたたない。

世界中ルールを守らない人はどこにでもいるものだ。米国だけではない。例えば日本にだって、ちょっとヤバイ人たちはいっぱいいる。ただ、大きな違いは、日本の場合、どんなにヤバイ感じの人であっても、マスクをしていないから入店を断られたことを理由に発砲しないところだ。もちろん銃を使って脅迫することもないだろう。日本ではヤバイ人の間でも銃や最終手段だから、そんなに気軽に使うものでは断じてない

ところが、なぜか米国の一部の地域では、これしきの口論に銃が出てくるのである。前の日記にも書いたけれど、米国の歴史は人々が自ら銃を手にとって、個人の自由のために戦い続けた軌跡である。その歴史故に、米国人の中には極端に銃を神聖化している人々がいる。自由のためにはリスクを恐れず、自分の身は自分で守るために銃と共に生活していたパイオニアたちも、政府によって治安が守られなかった田舎で銃を使って家族を守っていた農民たちも、今はもういないけれど、銃で自分を守ると言う習慣はなくならなかった。

そんな野蛮な時代はとっくに終わったと誰が言おうとも、銃を手放なさない人々は、銃の販売を強烈に後押ししているため、米国で銃を買うのは難しくない。普通のスポーツ用品店でもライセンスがあれば銃が買えるし、銃専門の小売店も道端に普通にある。

そして、そんな風に気軽に手に入る銃を使った事件が米国では後を立たない。毎年、全米のどこかで複数回の銃の乱射事件が起こっている。今回、マスクの着用を注意したことで射殺されたボディガードも、病める銃社会の犠牲者である。

今後、経済が徐々に再開されたとして、ソーシャルディスタンスやマスクの着用が守られない地域は多くなるだろう。それを注意をして命を落とすのはあまりにも不条理だ。そうなると、ウィルスはそれらの地域で徐々に徐々に広がっていくのだろう。あたらな入院患者数の急激な増加が見られれば、彼らはルールに従うようになるのだろうか。

それは誰にもわからない。

 

 

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