シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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延長決定により再計算(ロックダウン43日目・現時点の解除予定日まで残り34日)

*この日記でロックダウンと呼んでいる規制は正確にはShelter-in-PlaceまたはStay-at-Home(自宅避難)規制と呼ばれています。ロックダウンには広範囲の意味があり、緩い規制から厳しい規制にまで幅広く使われいます。

昨日のサブタイトル

ロックダウン42日目・現時点の解除予定日まで残り7日

今日のサブタイトル

ロックダウン43日目・現時点の解除予定日まで残り34日

予想通り、シリコンバレーのあるサンタクラ郡のロックダウンの解除予定日が5月3日から6月1日まで延長した。今日の時点では、6月1日まで延長予定であり、今週後半に詳細を発表するとしていたが、延長するのは間違いないので、早速再計算してみたら、残り34日になった。

残り34日、さすがに長い。でも開始から今日までが42日だと思えば、少なくとも全期間折り返し点まで引き戻されることはなかったのは、せめてもの救いだ。もちろんそれも再延長がなければの話だが...。

延長されることは誰もが予想していたし、5月の末までダメなんじゃないかなとも思っていたから、全く驚きはない。観念した気持ちがほとんどだ。でも、だからと言ってがっかりしないかというと、やっぱりがっかりはするのである。

実際の日付を聞くまでは、延長されるだろうと思っていた未来は漠然としていたのだが、実際の日付を聞いてしまうと、漠然としたものに現実的な肉づけがされてはっきり見えてしまう。やりきれなさ、歯がゆさ、うんざり感。仕事がある私でもそうなのだから、仕事を失っている人や、休業を余儀なくされているビジネスの所有者にとっては、この発表は相当な精神的打撃になったんじゃないかと思う。

しかし、同時に、今ロックダウンを解除できない理由も多くの人は理解している。今日、ニューサム州知事は会見で、州民の協力のおかげで感染者の増加曲線は平行になり、少しづつ減る方向に進んでいる。だからといって、今、安心しすぎて勝手な行動をとり規制違反をして、これまでの努力を無駄にしてはいけないと語った。

というのも、夏並みに気温が上がった先週末、カリフォルニア州の2つの郡が地元民のためにビーチを解放したところ、近隣の郡から人々が押し寄せ、大変混雑してしまったのだ。ニュースではたくさんの人がビーチで日光浴をしている写真が映ったのだが、どうみてもソーシャルディスタンスを保つ努力をしていないし、もちろんマスクもしていない。ニューサム知事はいつものように微笑んでいるが、当然お怒りなのだ。そもそも彼は週末に入る前に、州民に週末も家にいてほしいと念を押していたのである。しかし、彼の願いは一部の人には全く届かなかったらしい。彼は、もしこのような行動が続くのであれば、ロックダウンはむしろ少し厳しくする必要があるかもしれないと言った。

これ以上厳しくなってどうする!お前たちはなんでビーチに行った!」と、私の心の声が叫んだ。

そもそも、州全体のロックダウンというのは本当に難しい。カリフォルニア州は広大だから、場所によっては患者がほとんど出ていない郡だってあるのだ。例えば北カリフォルニアの田舎のいくつかの郡は、自分たちの群だけでも緩和してもらえないだろうかと、州政府に要望を出しているらしい。何しろその広大な土地に住む住民は50万人だが、96人の感染確認者しか出ていない。その人数ならクラスタ追跡だって難しくない。そういう要望があってもおかしくはない。

しかし、そうは簡単にできないのだ。なぜなら、一部の郡で緩和されれば、週末などを利用して、緩和されていない郡から息抜きを楽しみたい人が、緩和されている郡に流れ込んでしまう。まさしく先週末に人が溢れたビーチのように。そんなことが起これば、せっかく感染者が少なかった土地にまでウィルスが運ばれてしまう。何しろ症状のない感染者が何万人もいる可能性があるのである。彼らが羽を伸ばしに行った場所では、ほぼ確実に新しい感染者が発生し、今度はその土地で感染の波を作り出してしまう。

つまり、感染者の少ない土地をロックダウンから緩和するのであれば、感染者の多い土地の人間の行動を今よりも厳しく規制するか、主道路の郡境に検問でもおくしかない。実際のところ、郡によってはレクリエーション目的では家から8km以上離れてはいけないという厳格な規制をしている郡もあるのだ。

そこまで規制しなくても、州民が車を使わなくては行けない場所には遊びに行かなければ規制は守られるはずなのだが、やはり4千万人の人間の中にはいろんな人がいるのである。ニューサム知事は、あなたたちの行動が、今後規制を緩和できるかどうかを決めるのだと熱心に語りかけていた。なんだか、校則を守らない生徒がいるクラスの学級委員長みたいになってきた。救いは「州知事がダメというなら、ダメなんだろう」と、素直に受け入れている住人もニュースに映ったことだった。ニューサム知事はなかなか人気がある。

そんなこんなで、今週は新しい対策やら方策やら情報やらが次々と出る週になりそうで、毎日ニュースから目が離せない。

 

そういえば、このブログの記載期間も6月1日まで伸びたことになると気づいた。

読んでくださっている方、もう少しお付き合いください。

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