シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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シリコンバレーもいよいよ規制緩和の流れ(ロックダウン64日目・現時点の解除予定日まで残り12日)

*この日記でロックダウンと呼んでいる規制は正確にはShelter-in-PlaceまたはStay-at-Home(自宅避難)規制と呼ばれています。ロックダウンには広範囲の意味があり、緩い規制から厳しい規制にまで幅広く使われいます。

今日とうとう、シリコンバレーのあるサンタクララ郡の保健局が、今週の金曜日から規制緩和の第2ステージに進むと発表した。第2ステージの内容については、前に触れたので(微妙すぎる規制緩和と感染追跡システム)、繰り返さないが、これまでとの大きな違いは感染リスクの少ない小売店がビジネスを再開することだ。ただし、店頭でのピックアップのみで店内のショッピングはできない。

サンタクララ郡はカリフォルニア州でもロサンゼルス郡についで感染者が多くでた郡であったため、他の郡に比べると第2ステージに進むのが遅れた。それでも、入院患者の数や死亡者数は劇的に減り、テストの数が増えているにも関わらず新しい感染者の数が低く抑えられている現状を保健局は高く評価し、今週の金曜日から規制緩和への第一歩をとることにした。もちろん、その後の状況次第では再び元に戻すことを前提としてである。

ただし、前回も書いたように第2ステージの規制緩和は微妙だ。買い物はオンラインで先に注文し、店頭でピックアップすることになるのだが、アマゾンなどのオンラインショッピングサービスが注文された品を数日で玄関先に届けてくれる今、店頭ピックアップでどれだけの買い物客が戻ってくるだろうか。素材と手にとって確かめることも試着もすることもできないことを考えると、衣料品や装飾品のビジネスはあまり効果が望めないだろう。本屋やギフトショップのような店は少しは需要があるかもしれない。

それでも、人々は商品がピックアップしにダウンタウンに戻ってくれば、街は色づくだろう。ただし、レストランもカフェも未だピックアップのみで、アウトドアでのサービスも許可されていないから、人々は街を通り抜けるだけだ。

しかしながら、これに伴い住人は確実に今よりも外に出るようになるだろう。誰もが家の中に閉じこもって、家の人だけと過ごすのに飽き飽きしている。毎日が同じ日なので、日付の感覚も狂いそうだ。緩和ムードが漂い始めた今、これまでに比べて近所のハイキングロードや公園でアウトドアを楽しむ人は確実に増えそうだ。

アウトドアを楽しむといっても、公園の遊具は未だ使用禁止だし、ビーチでの日光浴も認めれれていない。基本的には散歩をしたり、ジョギングをしたりするのだが、混んでいない公園であれば家族ピクニックぐらいはする人が出てくるのではないかと思う。

ある記事によると、アウトドアで過ごす場合、感染のリスクはかなり低く抑えられるという。たとえ感染者が周りにいてウィルスを空中に放出していても、外気はあっという間に放出されたウィルスを薄めてしまう。ウィルスというのは数個体内に入っただけではたちまち免疫システムに殺されてしまうので心配する必要はない。感染するには何百、何千というウィルスが体に取り込まれる必要があるのだ。

では、アウトドアでなら友人たちとの集まりを開いていいかという質問には、多くのエキスパートが首を縦に降らない。たとえアウトドアであっても、食べ物も食器もシェアしないのであっても、2メートル以上距離を保っているのであっても、10人の集まりを開いたとして、その参加者が数日後に別の10人と集まるとする。これが繰り返されれば、結局たとえ私が10人と会っただけだと思っていても、実際は何10人何100人の人と合ったことと同じことになってしまうからだ。

ただし、少人数で一緒に散歩をするぐらいであればリスクは大変低いらしい。人が移動していれば、放出されるウィルスも動いているから、より早く薄くなり、近くの人が大量に吸い込む確率はより低くなる。もちろん一緒に散歩するときも、2メートル離れて散歩をすることが推奨されているので狭い道ではちょっと難しい。

そんなこんなで、まだまだ相当厳しい規制状態だが、今後2週間様子をみて、さらになる緩和状態に進むかどうかが決定される。入院患者が増えていくようであれば、緩和される代わりに厳しくなる可能性もあるというわけだ。

果たして、この新しい規制緩和のルールを人々はちゃんと守れるだろうか、気が緩んでソーシャルディスタンスが短くなってしまったりしないだろうか。2週間後に感染者が爆発的に増えないだろうか。

中弛み気味のロックダウンをへて、ちょっと緊迫感が高まってきたシリコンバレーである。

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