シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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 みんなで笑おう・サタディナイトライブ再び(ロックダウン42日目・現時点の解除予定日まで残り7日)

*この日記でロックダウンと呼んでいる規制は正確にはShelter-in-PlaceまたはStay-at-Home(自宅避難)規制と呼ばれています。ロックダウンには広範囲の意味があり、緩い規制から厳しい規制にまで幅広く使われいます。

先週の日曜日もライブじゃないサタディナイトライブについて書いたけど、今日もライブじゃないサタディナイトライブについて書いてしまう。だって、あのオープニングはどうしても書きたくなる面白さだった。

先週は、コロナサバイバーである紳士的なトム・ハンクスのアットホームなオープニグで始まったサタディナイトライブだったが、昨日は突然のファウチ博士ネタで始まった。それも演者はブラッド・ピットで。

実は、数週間前に CNNのニュース番組で、ファウチ博士はいたって真面目にキャスターの質問に答えていたのだが、キャスターがインタビューの最後をちょっとしたユーモアで終わろうと、彼こう聞いた。「もしサタディナイトライブで貴方のモノマネがネタになるとしたら誰に演じてもらいたい?」

いつも柔和ながらもクールな表情を崩さないファウチ博士だが、この時ばかりは顔を崩して笑いながら、「そんなこと考えたこともないよ。ネタにされたくないし」と答えたのだが、キャスターが食い下がって「じゃあ、ブラッド・ピットとベン・スティラーだったらどっちがいい?」と聞くと、「そりゃ、もちろんブラッド・ピットだよ」と顔を赤くして大笑いした。

サタディナイトライブがこれを見逃すことはなく、指名を受けたブラッド・ピットが、しっかりファウチ博士の特徴のある声と発音、身振りを再現しつつ、多いに笑えるネタを披露した。これが、本当に面白くて、久々にテレビ番組をみて笑ったような気がする。ネタの内容はどこか別のサイトですでに解説されているだろうからここでは書かないけれど。

ネタの最後に、偽ファウチ博士は突然銀髪のカツラとメガネの衣装を脱いで、ブラッド・ピットに戻り、本物のファウチ博士と最前線で働く医療関係者に真摯にお礼の言葉を告げてサタディナイトライブが始まった。笑いと思いやりのあるいいオープニングだったと思う。これで、ブラッド・ピットもファウチ博士も、また株が上がったんじゃないか。

こんな時は本当に笑うのは大切だ。家に閉じこもっていても特に困ってないよと言いつつも、だんだん閉塞感に悩まされてきている人は多いはずだ。今日も近所のおばあちゃんと2メートル以上離れたまま少しおしゃべりをしたのだが、彼女いわく、「ロックダウンが始まった時は、家のあちこちの掃除がすればいいと思ってた。でもね、あっちもこっちも掃除をしたら、もうなんだかどうでもよくなってきたのね。なんか、もういいや、やりたくないって。なんかやった方がいいんだけど、もうなんだか、なんにもやりたくなくなってきたのよ。もう5週間以上だよ。長い。長すぎる」

まさしくその通りだ。最初こそは、ロックダウンで生み出されてしまった余剰な時間を無駄にしないようにと、掃除をしたり、パンを焼いたり、趣味を極めていた人々も、いつまで続くかわからない繰り返される生活にエネルギーを搾り取られている。

あまりの生活の変化のなさに、友人とチャットをしようにも話題がない。「最近どう?」「元気」で会話はおしまいだ。だって、交換できる新しい話題は何もない。インターネットで見つけられる情報は、ウィルスのことも、経済のことも、多分サタディナイトライブのことだって、時間の余った生活をする人たちはみんな知っている。だからあえて話題にもならない。

だから、こういう時こそ、普段は見ないようなテレビ番組で笑ってみるのも悪くない。きっとみんな、視聴者も演じている俳優たちでさえ、言葉で表現するには難しいなんともいえない虚無感と戦ってるんじゃないかなと思いながら、その虚無感を笑い飛ばして、明日からまた前向き何かをしようと思う人々は少なくないと思う。そう思いたい。

 

 

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