シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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日本への渡航中止勧告について

今日は日本でも米国でも巷の話題になっているのは、米国が発表した日本への渡航勧告がレベル4、渡航中止に上がったことだと思う。

こりゃ大変だと、私も思ったし、日本でも、さぞやざわついたと思うのだが、よくよく調べてみると、世界249地域のうち米国がレベル4に設定している地域は、パンデミックになってからと言うものどんどん増え続け今や150地域以上ある、つまり多数派なのだった。つまり日本は、これまで上手に感染を抑えてきたので、そこを評価され少数派のレベル3だったのだが、最近の感染拡大により、多くのレベル4地域の仲間入りをしたということだった。

もちろん現在感染状況が深刻なインドやブラジルもレベル4だが、鎮まりつつあるヨーロッパの先進各国もレベル4だ。つまり、レベル4は幅が広い。

そして、渡航中止勧告についても、日本への渡航禁止か!と焦った人もいたかもしれないが、あくまでも勧告なので渡航禁止にはならない。じゃあ、一体渡航中止勧告ってどういうことなんだろうかと思って、ちょっと調べてみた。

単純にいうと、渡航中止勧告が出ている地域だと、米国民が旅行に行って、何か深刻な事態に陥ったとしても米国政府は助けてあげられないかもしれないですよ、ということらしい。例えば、突然オーバシュートが起こって、民間の飛行機が一切飛ばなくなったとしても、政府が飛行機を飛ばしてあげられるかどうかわからないからそういう国への旅行は避けてくださいね、という感じに受け取ればいいのかと思う。つまり、行きたいなら行けるけど、何も保証しませんよという感じだろうか。

なるほど。昔から、日本で渡航中止勧告が出ている国で日本人が事件に巻き込まれることなどがたまに起こって、どうやって行ったんだろうと思うことがあったが、そうか、つまり渡航中止勧告っていうのは、行こうと思えば別に普通に行けるんだなと、今日初めて学んだ。

それにしても、日本の感染拡大が続いているといっても、まだまだ多くの国よりも感染規模は小さいと思われるのに、このタイミングでレベル4を出したのは、やっぱりオリンピックと関係あるんじゃないかなと思う。夏休みがもうすぐ始まる米国では、ワクチンのおかげでバケーション気分が盛り上がってるだけあり、オリンピックもやるし、日本に旅行にでも行くかと考える米国人もいるかもしれない。それを見越して、先手を打って渡航中止勧告を出したのかもしれないなと思ったりする。

それにしても渡航中止勧告が出てるのに、米国の選手団は日本に行くのかとか、そういう問題が今後出てくるだろう。もしかして、先日IOCが涼しい顔をしてオリンピックは当然やりますみたいなことを言ったけれど、米国の渡航中止勧告はIOCに対するオリンピック中止のプレッシャーになるかもしれないなと思う。果たして、米国政府や企業が今オリンピックをやりたいのか、やりたくないのかは、さっぱり見当がつかないし、調べてもいないのだけれど、タイミング的には何か関係あるかもしれないなと思ったりもする。

この間ロイターか何かで読んだのだけれど、もしオリンピックが中止になった場合、様々な関連で物凄い金額の保険金が支払われなくてはならなくなるそうだ。その規模は世界的に巨額で、それもあってIOCはキャンセルできないという説もあるようだ。

その時同時に学んだのは、日本には中止する権利がないということだ。契約上、正式に中止を決定できるのはIOCだけだという。日本はなぜ中止しないんだろうと思っていたのだが、しないんじゃなくて、できないんだということを知って、すごく納得した。じゃあ、IOCがやるという限り、何がなんでも、どんな形式でもやるしかないんだな。まさかこんなことが起こるとは思わなかったとしても、それはなかなかに不公平な契約だなと思った。まあ、オリンピックの場合、開催国は「やらせてください!」と頼み込んでいる立場なのでそのような契約もアリなのだろう。でも、今回のパンデミック後はオリンピック開催国とIOCの契約条項が変わるかもしれない。

これまでオリンピックが中止になったのはいずれも戦争中だったそうだ。IOCも開催国も、戦争という事態は想像できても、今のような事態に陥ることは全く想像できなかっただろう。

このまま、観客も参加国も制限されざるえない状態でオリンピックが開催されたら、東京オリンピックは、ベルリンやワルシャワのように政治的ではないけれど、世界の不平等をあからさまにしてしまうような、いわく付き大会として不名誉なオリンピック史に残りそうだ。

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