シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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子供にワクチンを接種させるのが不安な親の質問と回答

日に日に感染者が減っていくシリコンバレー、生活が徐々にもとに戻りつつある週末、恒例の朝市に野菜を買いに行った。CDCのワクチン接種者はマスクをしなくてもいいという発表もあったし、カリフォルニアは6月15日まではマスク規制を続けるけど野外ではマスクを強制していないという背景もあり、もしかしたらマスクしてない人がいっぱいるかもなあと思いつつ朝市会場まで車を走らせた。

しかし、朝の日差しがずらりと並ぶ白いテントにさんさんと降りそそぎ野菜や果物ががピカピカ輝く朝市場では、お店の人はもちろんあふれる買い物客も、先週同様、みんなちゃんとマスクをしていた。ほぼ100%のマスク着用率だ。シリコンバレー、すごいや、というのが正直な感想だ。

このあたりの16才以上の大人のワクチン接種率は75%を越えようとしている。つまり、この市場にいる人の約75%はすでにワクチンを少なくとも1回は接種済みだ。この地域が保持している低い感染率(0.8以下)と陽性率(0.6以下)のことを考えれば、自分の感染を心配をしている人は少ないだろう。でも、皆当然のように野外でもマスクをして買い物を楽しんでいる。まさしく、これはコミュニティの安全のため。偉い。改めてシリコンバレーを誇りにさせていただきます!

という話はおいておいて、今日は New York Times で子供にワクチンを接種させるのが不安な親の質問に答えるという形式の記事がのっていて、情報として非常にわかりやすかったので抜粋。もちろんメディアというのは、発行元によって視点が違うので、ここに書いてあることがすべてが真実かどうかは、読み手の判断に任せようと思う。

これまで、この日記で書いたことのある情報は繰り返しになるので割愛する。

ほかの予防注射(水疱瘡など)をしたばかりの子供は、COVIDのワクチン接種を待つべきですか?

CDCは最近ガイドラインを変えて、ほかの予防注射とCOVIDのワクチンの接種時期を特に考慮する必要はないとしている。この方針は  American Academy of Pediatrics  からもサポートされているので、特に気にする必要はないらしい。

子供の副反応と大人の副反応に差異はありますか?

現時点では、子供のほうが若干発熱する確率が高いことはわかっているが、それ以外の短期間の副反応はほぼ大人と変わらない。

アレルギーのある子供もワクチンを接種できますか?

これまでに深刻なアレルギー反応(アナフェラキーショックのようなもの)を経験したことのある子供は、ワクチンを接種しないほうがよい場合もある。また、このリンク先にはワクチンの原材料が記載されているので、これらの物質にアレルギーがあるとわかっている場合は、ワクチンは接種しないほうがよいこともある (専門家じゃないとこのリストされている物質がよくわからないけどね)。これらの場合は、かかりつけの小児科医と相談すること。

学校がワクチンの接種を強制する可能性がありますか?

学校が私立か公立かによる。私立であれば、その学校の方針で決まる。大学の場合、現時点で100校を超える大学が秋からの新学期にキャンパスに戻るにはワクチンの接種を条件としている。高校生以下の場合、公立学校では州の方針が通常左右することになる。現時点ではCOVIDワクチンについては、どの州もガイドラインをだしていないが、通常米国の公立校には登録する時に接種済みでなくてはいけない予防注射のリストというものがある。そこにCOVIDのワクチンが追加されるかどうかは、今後の州の方針による。ちなみに、これらの従来必須である予防注射(いわゆる麻疹など予防注射)でも、接種しなくても公立校に参加することのできる特例処置を設けている州もある。宗教上の理由によりワクチンを接種しなくても公立学校への参加を認めている州は米国50州のうち44州である。また、親の方針によりワクチンを接種しなくても公立校への参加を認めている州は15州ある。「States With Religious and Philosophical Exemptions From School Immunization Requirements」を参照。ちなみにカリフォルニア州はどちらも認めていない。

mRNA ワクチンの仕組みを教えて下さい。

これは前にもこの日記に書いたけれど、今回の記事の説明がわかりやすいので、もう一度簡単に説明。

mRNA技術はガンのような免疫系の病気の治療法としてすでに15年ほど研究されているが、ワクチンとして使われるのは今回がはじめてである。mRNA技術がワクチンとして使用されるのははじめてであるが、mRNA分子というのは人間の体に普通に存在している分子である。例えば、子供の体には20万個以上の mRNA分子がすでに存在している。体のそれぞれのセルが mRNAを持っており、それによりプロテインを作成するなど生きていくために不可欠な活動の一部を担っている。これまで聞いたことがなかったというだけで、ヘモグロビンとかインスリンのように普通に体を構成しているよく知られているプロテインとまったく同じように、通常の体を構成しているプロテインである。

このワクチンは、このmRNA分子を、体のセルの溶け込ませるために油性の泡に入れてパッケージしている。この分子を受け取ったセルは、mRNAに入っているスパイクプロテインを作成するためのインストラクションに従って、スパイクプロテインを作り出す。免疫システムは、スパイクプロテインが作成されたことを素早く認知し、この外からやってきた侵略者に攻撃を開始する(これが腕の痛みや発熱のような短期の副反応の原因である)。この一連のプロセスにより、体内の免疫システムはスパイクプロテインの存在とその戦い方を学ぶので、実際にCOVIDが体内に入ったときに訓練に基づいて素早く始末してくれるというわけだ。

子供にもわかるように書いてあるので、すごくわかりやすいな。

そして、誰もが注目である質問。ワクチンの長期的な影響の可能性について教えて下さい。

新しい技術ということで、不安に感じる人々が多いのは当然であるが、mRNAワクチンというのは、自然界で人間の体に起こるプロセスを模倣しているだけだということを理解する必要がある。開発者たちは、その技術的根拠から、このワクチンが世間で噂されているような不妊や思春期になんらかの影響を与えるということは、論理的にまったく考えられないと報告している。なんらかの副反応というのは、技術の中にその可能性が含まれていなくてはならないが、現在噂されている長期的な影響のどれもがそのような可能性の根拠を持っていない。また、脳細胞に影響を与えるという噂も流れているが、そもそも人間の脳というのはプロテインの侵入を防ぐようにできているため、そもそも免疫学そのものから保護されたエリアであるということを知っておくといいそうだ。

ちなみにmRNAワクチンはその任務の性質上、免疫システムに攻撃し破壊されるので、体に長期に残ることはない。

COVIDが子供にとってリスクが低いことはよく知られているが、それならばワクチンを接種する必要はないのでは?

確かにリスクは低い。低いが全米で4百万人の子供が陽性と判断され300人が亡くなっていることを忘れてはならない。つまりリスクは低いがゼロではない。たとえば、毎年インフルエンザで亡くなる子供は50人から150人の間だといわれている。水疱瘡でなくなる子供は100人前後だそうだ。これとくらべて、COVIDのリスクは高いのか低いのか、親はよく考えてほしい。ある医者が言っていた。

「もし子供にワクチンを接種させるかどうか迷っている親が相談しに来たら、彼らにCOVID病棟を見学させたい。この病気がどんなものなのかを実際に目にすれば、すぐにワクチンを接種させる気になると思う」

重い言葉だ。

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