シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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観客にわくスタジアム

大坂なおみ選手がオーストラリアオープンで優勝した。優勝したことはもちろん素晴らしいのだが、もっと驚いたことがある。私はスポーツにはあまり興味がないので、オーストラリアオープンも、「へー、やってるんだ」程度の関心しかなかったのだが、せっかくだから優勝のスピーチぐらい聞こうかと思ってインターネットで動画を見つけた。

そして驚愕した。普通に観客が入ってる!なんか普通のイベントみたいになってる!拍手と歓声に湧くスタジアムの映像の衝撃といったらない。そう、私達ってこういう世界にいたんだよな、と懐かしかった。そして、それを今できるオーストラリア、すごすぎる!

少し調べてみたけれど、やはり海外からの選手団に変異種が見つかったりして、途中無観客になった期間もあったようだが、最終的には観客を減らしつつもしっかり観客をいれて大会は無事終了した。今、観客を入れてこんな大きな大会を開催できるのはオーストラリアぐらいなんじゃないだろうか。大坂なおみ選手も、長いこと無観客の試合に出ているので、観客の声援の中でのプレイはとても嬉しかったというコメントを残している。

もちろんオーストラリア政府の感染の制御が優れていることもあるのだろうが、オーストラリアにはいくつか有利な点がある。まず大きいとはいえ島国であること。島国であるぶん海外からのウィルスの侵入を制御しやすい環境にある。そして、もう一つ大きい利点だと思われるのは、今、オーストラリアは夏なのだ。世界中の大多数の国が感染大波にのまれていたのは12月以降で、世界的にウィルスは相当蔓延している状態なのだが、その時期に夏であるオーストラリアはそれだけでも有利だった。

冬に感染が拡大しやすいのは、ウィルスが寒くて乾燥した場所で活発になるからだ。そもそも、夏であれば人々はアウトドアで過ごすこともできる。COVIDはインフルエンザのように季節的な流行要素を持っている可能性があるという専門家もいるくらいなので、そういう様々な要素がオーストラリア政府の的確な感染対応と相まってオーストラリアオープンを可能にしたのではないかと思う。

観客に溢れたイベントが米国に戻ってくるのはいつになるのだろう。現在米国の感染者数は急激に減ってきてはいるが、観客を入れたイベントとなると、感染規模から考えればまだまだ先で、今年中に可能かどうかも危ぶまれている。

ここで、東京オリンピックのことを当然考えてしまう。はたしてオリンピックは本当に開催できるのだろうか。オリンピックは確かに夏だ。そして、ワクチンの接種も進んできている。ただし、オリンピックは世界各国から大勢の選手が集まるイベントだが、現時点でワクチンの接種が進んでいるのは富裕国のみだ。

オーストラリアオープンは、テニスの大会というだけで、すでに参加者のほとんどは富裕国の選手にしぼられる。そういう意味でも、オリンピックとはまったく違う種類のイベントなので、オーストラリアオープンが開催できたからといって、それを手本にしてオリンピックが開催できるのでは、というように簡単にはいかない。

ただ、開催できてもできなくても、世界は確実にパンデミックのトンネルの出口に少しづつ近づいている。少なくとも、入口よりも出口の方に若干近い。

シリコンバレーがロックダウンしたのは去年の3月16日。もう少しでアニバーサリーを迎える。

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