シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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次の作戦はデートアプリ?!

連邦政府も州政府も郡や市の保健局も、なんとしてでも人々にワクチンを接種してもらおうと実にいろいろな作戦を展開している。アクセスしやすい場所に朝から晩までポップアップの接種サイトを置くことにより、通勤途中でも接種できるようにしたり、予約無しでいつでも接種できるとか、学校に接種サイトをおいて周辺地域の住民に集まってもらおうとしたりしている。

オハイオ州では、とうとうワクチン接種者に賞金があたる宝くじ策まででてきたし、現在、シリコンバレーのあるサンタクララ郡ではなかなか接種が進まない若者に対象に、イベント形式で盛り上げたり、プレゼント贈呈方式がよく使われている。 ギフトはスタバのギフトカードだったり、タピオカティーだったり、実に様々だ。

民間企業も実に積極的で、接種者にビールやドーナツなど自社製品ををプレゼントして会社の存在をアピールしつつ接種をよびかけていたりして、まあ真面目に探せばいといろ出てくる

そして、今度はなんと、ホワイトハウス、つまり現政権が主導する形で、なんとデートアプリの個人プロファイルにワクチン接種済みかどうかを記録する試みが進んでいる。冗談ではない。本当にホワイトハウスと米国の大手デートアプリ会社が協力して、ワクチン接種済み属性を個人プロファイルに追加できるようにアプリをアップデート中だ。アプリによっては、ワクチン接種済みフィルタをかけることもでき、ワクチン接種済みの人だけフィルタして、そこからデート相手を選ぶこともできるようにするらしい。

実際のところ、デートアプリ会社のアンケートによると、ワクチン接種済みのユーザの多くはワクチン接種済みのデート相手を探していると答えているそうで、需要はしっかりありそうだ。実際のユーザにインタビューしたところ、「自分はワクチンを接種していることもあるし、一緒にデートをすることを考えれば、ワクチン接種済みの人が良いと思うので、賢いアイデアだと思うなあ。」などと語っていた。

もちろん、「ワクチンを接種していないという理由だけで、私のプロファイルがスキップされるとなると、あまり公正ではないような気がするわ」という意見のユーザもいるが、それは個人のチョイスなのでしょうがないともいえる。

つまり、ワクチンを接種すれば、安全なだけでなくより楽しい生活が待っていますよという、若者にわかりやすいアピールの1つであり、これにより若者のワクチンの接種率を伸ばそうという新たな作戦だ。米国のワクチンの接種を促す「釣り方」は、まったくもってあからさまで、釣りであることを隠そうともしないのが、かえって潔いともいえる。

米国は統一したワクチンパスポートを導入しない方針だ。そこで、ワクチンパスポートを導入しなくても安全な生活が戻ってくるのかどうかを心配している国民も多い。しかし、先日ファウチ博士がインタビューで答えていたのだが、政府主導の公式ワクチンパスポートを導入しなくても、民間や団体が似たようなことを押し勧めていくだろうというのが、専門家の見立てだ。

たとえば、すでに大学ではワクチン接種済みの学生しかキャンパスでの授業に参加できないと発表したところも多い。このような形で、教育、レジャー、イベント関連の民間組織が、それぞれの地域の感染状態に合わせて適切な安全ルールを設けるようになるだろうし、そのように運べば、国で統一したワクチンパスポートを導入しなくても、感染防止を制御できるだろうということらしい。

このデートアプリもその一環なのだ。ワクチンを接種していなくてもデートアプリには登録できるけれど、よりたくさんの出会いの機会がほしかったらワクチン接種すればいい。

こんなことまで、民間や地方自治の運営と制御にまかせるところは米国らしいと思う。それも、ホワイトハウス(政権)が民間企業に提案(お願い)してすすめているというところが、なんとも珍妙で面白い。こういう時に、この国のフットワークの軽さと国としての民間企業への信頼の厚さを再認識したりする。

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