シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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12才以上にワクチン接種許可

先週からの予想を裏切らず、FDAは本日12歳から16才までのティーンエイジャーにファイザーわくちんの接種を緊急認可した。これで、晴れて我が家のティーンエイジャーもワクチンを接種可能になったわけだ。

そのうちに州政府か郡政府から接種の予約が可能になるというニュースが流れるだろうとのんびり構えていた矢先、FDAの発表から間髪いれないタイミングで学区の方からメールが届いた。今月の29日に学区内の16才以上の生徒を対象に、学区内のハイスクールの1校を会場にしてワクチン接種を行うイベントが企画されていたのだが、今日のFDAの発表を受けて、対象を16才以上から12才以上に下げたというものだった。さっそく申し込めるように申し込みフォームもついていた。ファイザーがFDAの認可を受けてほんの数時間後に送られてきたメールである。これほど素早く判断して、柔軟に予定を変更し、対象者全てにメールを送ってくるのは、米国ならではでだなと思った。

さて、早速我が家のティーンエイジャーも学区のワクチン接種イベントに申し込んだわけだが、ここで申し込まなくても、先日、別の日記に書いた Youth Night のようなイベントが、近日中に対象年齢を下げて行う可能性があるなと思った。同じワクチンを打つなら、学区の学校で真面目くさってうつよりも、リーバイス・スタジアムのようなにぎやかな接種イベントでギフトカードをもらうのも悪くないだろうし、ひょっとすると29日よりも早くせ接種できるかもしれない。

と、ここまで考えてハタとおもいついたのだが、学期末まで残り4週間しかないじゃないか。ということは学校は、今や学期末試験やプロジェクトの準備期間真っ盛りだ。ここで下手に副反応で寝込むと、最終成績に響きかねない。だから学区のイベントは29日なのか!29日なら、たぶんファイナルの試験もプロジェクトの提出も終わった後の消化試合日程である可能性が高い。そのタイミングなら数日寝込んだところで、そのまま学期末を迎えるだけだ。

さて、12歳から15歳までのワクチンの接種が可能になるにつれて、親がティーンエイジャーに接種させないという可能性が浮上してきている。某アンケート調査によると、シリコンバレーのあるベイエリアのティーンエイジャーの親の30%は接種可能になったらすぐ接種させると答えているが、26%はちょっと様子を見る18%は学校から要請された場合のみ接種させる、そして、実に23%は接種させないと答えている。親自身が接種するときはまったく躊躇がなく、接種後もその効果に感謝していたとしても、それを子供に接種させるかどうかは、また違う話だということだ。

多くの親が子供にワクチンを接種させることを躊躇している理由の一つが、「ワクチンは人間の生殖活動に悪い影響を与える」というどこから来たのかわからない、ワクチン反対派によって広められている噂である。嘘っぽいが、ちょっとあり得るかもしれない感が適度にあるために、多くの親たちの不安をかきたてている。

そこで、この噂、いったいどこから来たのかちょっと調べてみた。といっても素人調査なので、この調査結果すらも本当がどうかわからないが、「Why COVID Vaccines are Falsely Linked to Infertility」の記事はだいぶ信憑性が高そうだ。

どうやら、これはもともとドイツのワクチンの接種が必要かどうか懐疑的であったドイツの医者とファイザーの元従業員の協力により European Medicines Agency にワクチンの認可を遅らせるように、と働きかけた根拠とされた情報に端を発するらしい。

その情報とは、胎盤を構成するために重要なプロテインの1つの遺伝情報がコロナウィルスのスパイクプロテインと似ているために、mRNA ワクチンによって胎盤構成に重要なプロテインが攻撃される可能性があるという説だった。この説にワクチン反対派が飛びついてSNSを使って世界中に拡散したのだといわれている。

さて、では真相はどうなのか。この場合、そのプロテインとコロナウィルスのスパイクプロテインがどの程度似ているかということが重要になるのだが、実はいうほど似ていないらしい。要素に似たところがあるのは事実らしいが、その組み合わせというか構成そのものはそれほど似ているわけでなく、専門家いわく、「2人の人間が電話番号を持っていて、どちらの番号にも数字の7が入っている」というくらいの似方なのだそうだ。この程度の類似では、そのプロテインがスパイクプロテインと間違われて攻撃されるという可能性は、この電話を持っている二人が、一桁だけ同じ数字を持っている相手の電話番号に電話をかけるぐらいの可能性だそうだ。つまり限りなくゼロに近い可能性だということがわかる。

同時に、臨床実験に参加した女性の中には、臨床実験中に妊娠した人が23人いるそうだが、そのうち12人はファイザーのワクチンを接種した人で、11人は偽薬を接種した人だったそうだ。つまり、ワクチンの接種が妊娠に影響を与えていなことがわかる。たぶん「生殖活動に影響がある」というのは相当高い確率で眉唾ものだと思われる。

さて、ウィルスに感染するリスクが低く、たとえ感染したとしても症状が出るリスクも低く、重症化する確率はもっと低いティーンエイジャーたちが、ワクチンを接種する理由は何なのだろう。感染のリスクと接種のリスクを天秤にかけたとき、躊躇しないために、このポイントは重要だ。

まず、第一に、感染するリスクが低いと言っても、実際にたくさんの若い人が感染していることを考えると、感染防止のためにワクチンを接種するべきだという単純な理由だ。また感染した場合、重症化しなくても、さまざまな体の不調が何ヶ月も続く後遺症に悩まされている若者は少なくない。感染したときのリスクは死ではないかもしれないが、後遺症が発症した場合、学習活動にもスポーツ活動も確実に影響を受け、貴重な学生生活の数ヶ月、運が悪ければ年単位を犠牲にする可能性がある。

そして、第二のポイントは、より沢山の人がワクチンを接種することで、ワクチンの接種ができない人、または、接種しても期待通りに免疫が確立されない人々をコミュニティとして守ることができるという点だ。いわゆる集団免疫というやつなのだが、たとえ集団免疫に達成することができなくても、より多くの人がワクチンを接種していれば、それだけコミュニティに残存するウィルスの数は少なくなる。そうやって、健康に恵まれた若者にも、健康的弱者を守ってもらいたいという、実に人間的、人道的な理由なのである’。

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