シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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次の感染の波はやってくるのか?

米国の感染状況が急速に減少し、多くの米国人がほっと息をついて、各州の規制緩和が進んでいる地球の裏側で、ヨーロッパは新しい感染の波の予感に怯えている。ドイツでも警戒態勢がとられているし、イタリアでは再ロックダウンの可能性が取り上げられている。

となると、当然ながら懸念されるのは、米国にも再び感染の波がやってくる可能性があるのかどうかだ。これに関しては専門家の間でも意見が割れている。

一部の専門家は、ワクチン接種の急速な広がりとその速度の加速を根拠に、規制の撤廃を早すぎる段階で行わなければ、これ以上の感染の波は抑えら得るのではないかと自信を表明している。実際には規制緩和を早すぎる速度で進めている州もあるわけだが、少なくともカリフォルニアにおいては、これ以上の大波はやってこないのではないかという意見だ。

一方で、ほかの専門家は、2日前の日記に書いた「旅行に行かない学生にはご褒美が出るんだって!」にもあるように、大学の春休みに、多くの学生達が規制が撤廃された土地に旅行をして感染し、ウィルスをそれぞれの学校に持って帰ってくることから再びあ感染の波が発生するのではないかという懸念を表明している。

実際のところ、学生たちの春休みの旅行先として最も人気のあるフロリダのリゾート地ではホテルの予約が2019年の70%まで埋まっているという。つまりそれだけの学生がフロリダを目指して旅行する予定があるということだ。

スプリングブレーカーと呼ばれる彼らのの言い分は、なにしろ今は旅行する人が少ないので、航空券も安いし、ホテルも割引価格だ。そのうえ、若い彼らには感染したとしても重症化するリスクは低い。規制が緩和されている場所じゃなかれば、レストランやバーで遊べないし、ショッピングもできないので、人気の旅行先は必然的に同じような場所になってしまい、そこでスーパースプレッダーイベントが発生してしまう。

フロリダのリゾート地に全国から若者が集まり、どんちゃん騒ぎをする春休み。映画にもなっているスプリングブレーカーズのティピカルな行動は、食べて飲んで馬鹿騒ぎをすることだが、そのどれをとっても感染防止策である、マスクの着用やソーシャルディスタンスの保持とは相容れない。そして、彼らはまだワクチンを接種していない。となると、たぶんほぼ確実に彼らの間では感染は広まる。

そして彼らは春休みの終了と共に、大学へ、または、オンライン受講の場合は両親の元へ帰ってきてしまうのだ。多くはウィルスと一緒に。全米のワクチンの接種率は未だ30%に満たないと言われているので、このウィルスの大移動が次の感染拡大の波のトリガーになるのではないかと心配されている。

この現象を回避するために、大学の方もいろいろ策を講じていて、2日前の日記に書いたように、旅行に行かない学生に75ドルを与えるといご褒美制の苦肉の策をとったカリフォルニア州立大学デービス校があれば、春休みそのものをキャンセルするという大胆な策に出ている大学も複数ある。春休みの代わりに、通常の州に飛び飛びに休みを配置することにより、リラックスして健康的にすごそうという呼びかけだ。

しかし、そのような策を練っていない大学も多いのだ。というか、たぶん策を練っていない大学のほうが多い。そして、若者というのは(たしか自分もそうだったような気がするけど)、若い浅はかな思考を持っている生き物なのだ。

果たして、米国に再び波はやってくるのか。それとも、波が発生する可能性をワクチンが食い止めてくれるのか。

今後の感染情報はまだまだ目が離せない状況にある。

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