シリコンバレーの仕事は激減?
なぜか同じ日記が2回投稿されてしまう現象が起こっている。真面目に調べれば、トリガーとなる操作がわかると思うのだが、本職の仕事のほうがここのところ忙しすぎて、ちょっと調べる気になれない。特に困っていないので放置しているため、同じ日記が2回アップロードされてたら、「またかい?」と広い心で許してほしい。
さて、シリコンバレーでもパンデミックにより失われた仕事は多い。シリコンバレー地域全体の合計の仕事数は昨年一年間で8.9%も減っている。しかし、その内訳は興味深い。シリコンバレーをシリコンバレーと至らしめるテクノロジー系の仕事は、実は少量ながら増えているのである。かく言う私もテクノリジー系の仕事をしているが、たしかに仕事が減ったのはロックダウン初期の数ヶ月だけで、その後は通常の忙しさが戻ってきている。テクノロジーの世界には一足先に「普通」が戻ってきているのだ。
では、どのような仕事が失われ続けているのだろう。コミュニティインフラやサービス関連職だけにしぼると、去年一年間で15.4%も失われたそうだ。具体的に言うと、小売業、レストラン業、ホテル、アート系、エンターテイメント系の仕事、交通 、美容院やマッサージのようなパーソナルサービスなどが挙げられ、さもありなんなラインナップとなっている。特に、シリコンバレーの原動力であるテクノロジー職につく人の毎日の生活を支える仕事が著しい影響を受けている。テクノロジーオフィス周辺で、飲食店やホテルや小売業などを展開していたこれらのビジネスは、オフィスに人が戻ってこない間はもうどうしようもない。
これに対し、テクノロジー職は1.8%という微量であるが増えている。パンデミックによるロックダウンにより、ネットワーク需要やそのそのセキュリティ需要も高まったのを背景にむしろ仕事が増えているのだ。Zoomの躍進などを例に考えればわかりやすいだろう。とにかく、パンデミックとロックダウンでは、テクノロジーの需要がむしろ高まるというのは感覚的に理解できるだろう。
同時にちょっと面白い結果もでている。これはパンデミック前から起きている現象なのだが、シリコンバレーからテクノロジー仕事が年々流出しているという現象だ。2018年には米国の仕事の28%はシリコンバレーにあったが、2019年には26%、2020年には24%と徐々にそのシェアを減らしている。
とくかくシリコンバレーは人が増えすぎて住居が高くなりすぎた。そのため、シリコンバレーを代表する数ある国際企業も、全従業員の中でシリコンバレーにおく従業員の割合を徐々に減らす傾向がある。それに加えて、このパンデミックにより、オンライン業務という就労体制に大きく門戸が開かれたため、今後もシリコンバレーからの仕事の流出は続くと考えられている。
これはシリコンバレーの住民にとって悪いニュースなのかどうかは実は微妙だ。現在のシリコンバレーは住居費も生活費もとんでもなく高騰してしまっていて、常識的な値段ではなくなり、住みにくい状態になってきている。むしろ少し人が流出すれば、もう少し暮らしやすくなるかもしれないと考える人も少なくない。
しかし、人が流出してしまえば、それに伴い、人々の生活を支えているサービス業やインフラ業は影響を受ける。シリコンバレーでそれらの仕事に従事している人々にとっては、仕事の流出はどう考えても悪いニュースでしかないというのが現状だろう。
全く話は変わるが、今日、新しいローバーが火星に無事到着した。人類火星移住へ、このローバーはまた一歩足を進めた。こんなふうにパンデミックで世界中が揺れに揺れていても、テクノロジーの世界はまるで違う時間軸にいるように普通に進み続ける。
よくよく考えてみると不思議なものだ。