シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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ファウチ博士、動詞化する

日本でもよくあることだと思うのだが、米国では有名な固有名詞はよく動詞化する。一番有名な例は、「Googleする」だと思うが、このパンデミックでできた新語には「Zoomする」というものもある。

最近になって、我らがファウチ博士の名前が動詞化したらしい。さすが人気者である。それも、オンラインのデートサイトで?!

「ファウチする」とはどういう意味なのか。先日、報道番組のインタビュー中に、あなたの名前が動詞になっているんですが、意味を知っていますか?と聞かれたファウチ博士は、知らないと答えて、どういう意味なのか尋ねた。

インタビュアーが、オンラインのデートサイトでお付き合いするかどうか決めかねている相手を、マスクの着用やソーシャルディスタンスの保持などの感染防止対策をきちん守っていないことを理由にふることを「ファウチする」というのだと教えると、ファウチ博士は耐えかねて吹き出した。「I fauci you!」って使うんだねっと大笑いしていた。

デートサイトというのはいろいろ新語が生まれる場所らしく、「Maskrade(マスカレード)」という新語も最近使われているらしい。意味は「仮面舞踏会」とは全く関係なく、本当は感染防止対策は必要ないと思っている人が、お付き合い候補によく見られるために、マスク着用などの感染予防に熱心なふりをすることをいうそうだ。

新語はともかく、ファウチ博士は、パンデミック時代に家族と住んでいない独身者に対して非常に同情的だ。感染防止に気をつけていると、どうしても孤独になりがちだ。一緒に住む人がいない独身者には、より辛い状況であると思うと、彼らしい優しいコメントをしていた。

独身者に限らず、友人と会うことも、旅行に行くことも、外に出かけることも激減した人々は、新しい趣味を増やしていると言われている。パンデミック初期に大きな盛り上がりをみせたのは、パンを手作りすることだったが、それに続いて、お菓子作り、ガーデニング、リフォームなどなど、家でできる趣味に時間を費やす人がぐっと増えた。同時に、これまでペットを飼っていなかった人々が、ペットを飼うきっかけにもなっている。

さて、最近のトレンドである趣味と実益とペットを飼うの三拍子揃った、新しい趣味が米国で流行ってきているらしい。それは、庭で鶏を飼うことだ。

冗談みたいな話だが、実際に私の知り合いにも2人ほど鶏を飼い始めた人がいるので、どうやら嘘ではないらしい。なぜ、鶏なのか。鶏は実は非常に飼いやすく、人にも慣れて、飼い始めると相当かわいいらしい。その上、新鮮な卵を生む。5羽も飼っていれば、うまくいくと一週間に30個ほどの卵を生むというのだから、もう卵を買う必要もなくなり、毎朝新鮮な玉子を朝食にいただけるというわけだ。

ただし、鶏を飼う前に、住んでいる自治体のルールをきちんと調べる必要がある。鶏を飼うのは、思ったよりも一般的な趣味らしく、しっかりと細かいルールが自治体ごとに決まっているのだそうだ。たとえば、庭のある一軒家でしか認められないとか、雌鳥はオーケーだが雄鶏はだめだとか、一軒で何羽まで飼えるとか、実にいろいろ決まっているらしい。

それらのルールを理解したら、あとはひよこを注文して、庭に小屋をつくるところから始めるのだそうだ。鶏に限らず、ペットを育てることは、友達と自由に遊べなくなった子どもたちにはよい時間の過ごし方を与えてくれる。情操教育にもよいうえに、食べ物がどうやって生産されるのかを実際に体験することもできるという、いい事づくしの趣味なのだ。

余談になるが、私がパンデミックによって始めた新しい趣味は、鶏の飼育ではなくて、このロックダウン日記を書くことだったりする。

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