シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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暴徒

今日は一日中、仕事をしながらニュースをテレビで流していた。普段はニュースは読むほうが専門でテレビで流し続けたのは久しぶりだ。

もちろん見ていたのは米国連邦議会で発生した暴動だ。最初はトランプ支持者による平和的なデモンストレーションだったのに、いつのまにか無法地帯の暴動に発展し、壁をよじ登り窓を割って侵入した暴徒たちが連邦議会を一時占拠した。あれだけ暴動が予測されていたのに、随分警戒態勢がゆるかったのだなあとちょっと意外だった。

もちろん、夕刻までには機動隊がどんどん追加され、暴徒はビルから追い払われ何人かは逮捕され、また、何人かは後日逮捕されることが確実な証拠を残し、連邦議会周辺は秩序を取り戻した。議会内部に暴徒が入り込んだとき、議会ではバイデン氏の選挙での勝利を公式に認定するための審議が行われていたのだが、審議は切迫した緊急事態のため中断、議員たちは数時間の間、ビルのどこか(危険なのでどこなのかは当然発表されない)に避難していた。

最悪なことに暴徒の中から4人の死者まで出している。4人がどういう経緯で亡くなったのかは発表されていないが、米国の連邦議会のビルの中に暴徒が入り込み、銃撃があったというだけで、ハリウッド映画を地で行く恐ろしさだった。それも、この暴徒を煽ったのが現職の大統領だというのだから、ひょっとしてハリウッドのアクション映画をみすぎてちょっとおかしくなった人たちなのかなと思ったりもした。

亡くなった人は気の毒だが、少なくとも議会に秩序が戻りほっとした。そして、議員たちが中断されてしまった審議を夜通しになってもやるぞと、再開したのも良かったと思う。再開の際、現職のペンス副大統領が「暴力は決して勝利しない。彼らが勝つことはない。」と言ったのは印象的だった。当たり前の言葉なのだが、誰が言うかによって重みは変わってくる。彼のボスである大統領の熱烈なサポータを厳しく批判したのは、彼の立場からして勇気のいることだった。

さて、今日一日映像を見ていて気になったのは、とにかくトランプ大統領のサポーターたちはマスクをしていない。マスクをしないで押し合いへし合いしている。外で暴れているうちはまだよかったのだが、とうとうビルに侵入しても、もちろんマスクはしない。ビルの中にいるのは、必然的に年配の人が多い議会の議員たちだったので、暴動だけではなくて感染のことも心配になった。

幸い議員たちは暴徒から素早く避難したわけだが、避難場所も感染防止のため、いくつかのグループに別れて複数の場所に避難したらしい。大勢の人間が密閉した空間にいるのは危険だからだ。その後、緊張感の高い審議と避難でへとへとのはずなのに、夜中になっても審議を続けていたことを考えると、免疫力も落ちるかもしれないし、ちょっと心配だよなあと思った。

明日、どういう展開になるのかは、予想できない行動をする人が何を言うかわからないので、相変わらず先が見えないのだが、Twitter と Facebook が彼のアカウントをロックしたのはよい判断だったと思う。SNSが使えなければ、支持者に何を語るにしても、彼はマスコミの前に出てくるしかなくなる。カジュアルに無責任な発言を繰り返すのはもう十分だと多くの人が考えている。今米国が必要としているのは、ネットでピーチクパーチクつぶやく青い鳥たちではなくて、不特定多数の聴衆の前で意見を表明する会見だ。

バイデン氏が今日の状況について会見をしたときに、選挙の不正を主張することでサポーターを煽り続けた大統領に暴動を止めるために発言をするようにと警告をした。その会見が終わってから退場する直前に言ったのがこの言葉だ。。

Enough is enough is enough! 

これは、米国の相当数の人々の気持ちを代弁していると思う。もう混乱はたくさんだ。毎日何千人が感染で亡くなっている今の米国に必要なのは暴動じゃない。暴徒も暴力も叫び声も怒声もサイレンも銃声も、もう十分だ。

必要なのは、安定と癒やしと回復である。

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