シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

姉妹サイト「シリコンバレーをよむ」もぜひご訪問ください

ツイッター全面戦争に突入か(ロックダウン75日目・現時点の解除予定日まで残り2日)

*この日記でロックダウンと呼んでいる規制は正確にはShelter-in-PlaceまたはStay-at-Home(自宅避難)規制と呼ばれています。ロックダウンには広範囲の意味があり、緩い規制から厳しい規制にまで幅広く使われいます。

前にも書いたけれど、私は日本でも米国でも政治にはほとんど興味がないので、ブログに政治に関することを書くことはほとんどない。あっても意見を述べるというよりも、こんなことがあったよ、どうなるんだろうねという自分の疑問を書くのが通常だ。そして、今日もそんな日だ。

それというのも、シリコンバレーのお隣サンフランシスコ発のSNSの巨人ツイッターがこの数日突然にして派手な立ち回りを見せているからである。

そもそもツイッターにしてもFacebookにしても、一般人の過激な投稿には警告を入れたり削除したりすることが結構よくあるのだが、政治家の投稿には、どのような投稿もこれまでずーっとノータッチだった。

それ故に、選挙の時にいろんな形で利用されることが多く、候補者に関する虚偽のニュースや噂の主な発信地はSNSであることが多い。ちなみにパンデミックに関する様々な虚偽の噂もこの辺りのSNSから発信されていることが多い。ちなみに、彼らはプラットフォームとして投稿内容に一定のルールを定めていて、そのルールに違反するような虚偽の投稿や社会的に影響力のある危険な投稿などがあれば、警告を入れたり削除したりできる。しかし、たとえ、そのような投稿がスクリーニングされずに発信されてしまい、それが原因で社会的な問題が起こったとしても、訴えられることがないよう法で守られている。

さて、そのようなルールがあるにも関わらず、これまで政治家の投稿にはどのような内容でもノータッチだったツイッターが突然にして、今週の火曜日、トランプ大統領のツイートに「真偽の確認必要あり」の警告をつけた。ツイートの内容はパンデミックによって大統領選の郵送投票を採用したカリフォルニア州に対して、郵送投票は不正投票に繋がるとしたものだった。これに対して、ツイッターは「真偽の確認必要あり」の警告をつけて、これと反対意見を述べている記事へのリンクをつけたのである。

ツイッターのCEOであるジャック・ドーシー氏は「これはツイッターが投稿の真偽を決定している訳ではなく、相対する考え方を繋げることによって、人々が自分で判断できるように情報を与えているだけだ」とコメントした。うまい言い方である。

しかし、これまで自由にツイートし放題だったトランプ大統領は、初めて付けられた「真偽の確認必要あり」警告に、もちろん烈火のごとく怒った。これを「言論の自由を奪う行為だ」と反発、翌日には、上記で述べたSNSプラットフォームを様々な告訴から保護していた法律を無効にする大統領令に電光石火のごとくサインをしたのである。

この厳しい反発に対して、ツイッターがどう動くのか、もしくは、動かないのかが注目されていた。そして、その答えは今日でた。

ツイッターは今日のトランプ大統領の投稿に対して、今度は規約の「暴力を賛美」ルールに違反している可能性があるという根拠により、自動表示されない処置をとる警告を付けたのである。

ツイートの内容は、今週全米を揺るがしている白人警官による黒人の殺害に対する大規模なデモに対して、トランプ大統領が暴動が起これば軍隊を送って射撃する用意があることを匂わせたものだった。これに対しツイッターは、さらなる暴力を引き起こす可能性があるとして、自動表示ではなく、クリックすることによって表示できる状態にしたのである。

これがツイッターが出した答えのようだ。つまり、ツイッターはもう政治家の投稿にも、特別処置は取らずにガンガン警告することに決めたらしい。このポリシーの変更により、今後どのような不利な事態が発生しようとも警告を続けるつもりであることを示したといえるだろう。

ちなみに、これに対し、トランプ大統領は未だコメントを発していないようだが、代わりに先の自分の投稿をホワイトハウスのアカウントからリツイートした。これによって、彼の投稿はまた自動表示されるようになった。

そして、それに対し、ツイッターは今度はホワイトハウスのアカウンにリツイートされた投稿にも同じ警告を付けたのだった。

どうやら、トランプ大統領と彼のお気に入りのSNSだったツイッターは全面戦争へ突入したようだ。

これは今後の事態が注目されるビッグニュースなのだが、このニュースだけを気にしている暇もないほど、今週の米国は揺れに揺れている。パンデミックの米国で、パンデミックとは関係ないダイナミックな事件が次から次へのニュースを揺るがし、この国のエネルギーを爆発させている。

パンデミックとは関係ないと書いたけれど、もしかしたら、深いところでその根っこは絡んでいるのかもしれないけれど。

 

PVアクセスランキング にほんブログ村