シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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経済対策はどこへ?!

トランプ大統領のやることは、今や制御不可能かつ予想不可能だ。

追加の経済対策がやっと合意」で書いたように、5ヶ月間揉めに揉め、超党派の助けを借りてなんとか与野党の合意に持ち込まれた Covid に対する経済対策第2段の話を聞いた時は、これで年末に生活が立ち行かなくなりそうだった人たちに一時的にでも救い手が届くなあと思っていたのだが、トランプ大統領はこの法案に署名しない意向を Twitter で発表した。

理由は、1人600ドルの一時給付金が安すぎること、それ以外にもムダが多いことだそうだ。彼は給付金は1人2000ドルにするべきだと主張している。

これが実におかしな話なのだ。なぜなら、トランプ大統領は共和党の大統領なのだが、この経済対策で1人2000ドルの給付金を求めていたのは民主党の方だったからである。共和党は小さい政府を目指す政党なので、このような大型拠出を嫌い、それがこの法案が揉めていた一つの争点でもあった。そこで、600ドルでもないよりはマシだということでやっとのことで合意にこぎつけた政策を、共和党の大統領が、それじゃ少なすぎると言って署名をしないと言い出したというのだから、共和党としては絶句であろう。

民主党は、大統領が2000ドルっていうなら 2000 ドルにしよう!と皮肉に溢れたコメントを出したものの、実際には今から法案をいじる時間は残されていない。なぜなら、今定められている失業者保険の延長はクリスマスの翌日、つまり来週には有効期限を迎えてしまい、来週から失業保険をもらえなくなる人が500万人ほどいるらしい。

それだけではない、今月末には家賃が払えない人への立ち退き要求の禁止も期限切れになる。新しい法案はこの期間を1ヶ月延長する項目も含まれていたのだが、新しい法案が通らなければ、1月の寒空に家から追い出される人たちが多数出る可能性もあるのだ。

そのうえ、今年の国会の終了日は12月29日だ。ということは、それまでに大統領が署名をしなかった場合、せっかく合意にこぎつけた法案は破棄され、来年の1月から、また一から合意にこぎつけるプロセスをやらなくてはならなくなるのである。

確かに一人2000ドルの給付金は素敵だが、29日までに署名されなければ 1 ドルにもならないのである。次の法案が成立するまで何百万人の人が、食べるものにも住むところにも困る可能性がある。彼らにとってはいつもらえるかわからない2000ドルよりも、家を追い出される前の600ドルのほうが大切だ。だからこそ、民主党は600ドルの給付金でも合意したのに、今更、共和党の大統領がそれでは署名しないと駄々をこねている。

もう、なにがなんだかわからない。一体なにを考えているんだろう。国会に対する単なる嫌がらせなのではないかと思えるレベルだ。もしくは、彼を選挙で選ばなかった国民への仕返しなのかと思えるレベルでもある。一人2000ドルは必要だと、国民の味方の顔をしながら、実際には政策を成立させないことで 1 ドルも与えないとか、まさかそういう作戦なのだろうか?

どちらにせよ、このような中途半端な状態で、本日トランプ大統領はフロリダにクリスマス休暇を過ごしにでかけてしまった。今や米国の感染拡大状態は最悪、クリスマスの旅行やパーティによりさらに悪化するであろうと予想されていて、毎日3000人以上の米国人がなくなっているというのに、クリスマス休暇でフロリダに飛んでいってしまった。

もう、本当になにを考えているのか予想不可能だと思う。きっと彼の側近でさえ、予想できないんじゃないかと思う。

もういいから、クリスマス休暇に行っても、毎日ゴルフに行っててもいいから、来週にでも飢えに向かい合わなくてはいけなくなる人たちのために署名だけでもしてほしい。署名をしたら暖かいフロリダの豪奢な別荘でゴルフを毎日楽しんでていいし、そうだ、いっそのこと1月21日までフロリダでのんびりしてくれていていいから。

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