シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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どこにもいかないクリスマス

スモールビジネスをやっていると、人々が休む年末年始に限って仕事が忙しくなることが結構ある。クリスマス休暇前に仕事をお願いしてしまおうと考えるお客さんが多いからだろう。うちの会社も例にもれず、突然にして仕事が立て込んできて、朝7時から夜6時ぐらいまであれやこれやで疲れ果てた。

よって、あまりニュースも読んでないのだが、今日の英国のウィルスの変異種の話題で持ちきりだった。英国が国ごと隔離されそうな勢いで、英国に住んでいる人はさぞや心細いだろう。英国のような気候の島国はその食料の多くを大陸から仕入れているだろうから、その心細さを想像するのは難しくない。

今や、世界の多くの場所でコロナウィルスはその猛威を奮っている。冬になれば感染拡大をコントローするのはより難しくなるという展開は、パンデミック初期から専門家が指摘していたことなので、今私達は彼らがいかに正しかったかを学んでいるところだ。

さて、サンタクララ郡の新規感染者の動きを見ると、13日をピークに右肩上がりの傾斜が緩んできていて、ここ数日あたりから平らになりつつあるような気がする。ロックダウンに入ったのが7日だということを考えると、ちょうど2週間なので、もしかしたらこのまま平らになるかもしれない。ただ、平らになったとしても、その平らのレベルはとんでもなく高い。一日あたりの新規感染者の数が1200人というレベルだ。いくら平らになっても、この状態で新規感染者が増え続ければ医療崩壊は訪れてしまうような気がする。確かに急上昇よりはマシだが、喜べる状況ではない。

ちなみに、入院者の数は未だ右肩上がりだ。この日記で何度も説明しているように入院者の数と死者の数の動きは、新規感染者の数の動きに1週間から2週間遅れてくるのだ。ここで、新規感染者の数を下り坂に持っていきたいところだが、このタイミングでクリスマスがやってくる。もちろん、州政府も保健局も、旅行とパーティのキャンセルを呼びかけているが、すでに人々の移動は始まっているとニュースが言っていた。

例年の3分の1ほどの人々がクリスマスに旅行すると言われてるが、なにしろ母数が大きいので、その3分の1をでも相当の人々がリスクを承知で旅行をしたり、家族に会いに行ったりするらしい。

「何があっても人生は続いてるのよ。子どもたちには楽しみが必要だわ」

旅行に出かけることについてインタビューに応える母親の言葉だ。今の時代、子供は家にいたって十分楽しむことができる。実際は子供を言い訳に使って、ロックダウンの閉塞感からぬけだしたい親のいいわけにしか聞こえない。「人生は続いている」のは、彼女とその家族が幸運なだけで、人生を続けることができなかった人々が、すでに米国で32万人をこえているのだ。

こういう自分勝手な人々はいっそのこと、子供をだしに使った言い訳などせずに、「自分たちは若くいから大丈夫だと思うし、それで、他の人に感染が広がったとしても別にかまわないので。」と正直にいえばいい。しかし、彼らはそうは言わない。そうは言わないところが、実は自分が正しくないことをしているという自覚があるということなのだろう。

どこか行ったことのないところに行って何かをすることは人生を豊かにする。遠方の家族や友人に会って時間を共有することも人生を豊かにする。でも、どこにもいかなくても、誰かに合わなくても、人生は豊かであってほしい。本当の豊かさを決めるのは人々の中にある資質だ。豊かな資質にあふれていれば、どこにいても、誰といても、誰といなくても、その人は豊かだ。

せっかく慌ただしくないゆっくりとしたクリスマスとニューイヤーを迎えられるチャンスなので、のんびりすごしてみれば、なにか新しい発見があるかもしれない。

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