シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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85%のカリフォルニア州民がロックダウン

州政府から提示されたロックダウンのトリガーである「ICUベット数の残りが全ICUベット数の15%以下」に、カリフォルニア最南地域とそのすぐ北に位置する地域の2地域がほぼ予測通り達っしてしまったので、これらの地域は今週の月曜日からロックダウンに入る。シリコンバレーは一足先にロックダウン」で説明したように、ベイエリアの一部の郡はトリガーに達成していなくても、自主的にロックダウンに入ることを発表しているので、合計にして85%近くのカリフォルニア州民約3300万人が、月曜日からロックダウン体制に入ることになる。

米国のほぼ全地域が’感染拡大の波に覆われていて、カリフォルニアよりもずっと状況の悪い州があるにもかかわらず、これだけ大規模なロックダウンを開始するのは現在のところカリフォルニア州だけなので、このロックダウンは全国的に大きなニュースとして報道されている。

なにしろ、カリフォルニアは全米で最も多い人口を抱えている州だ。たとえ100万人あたりの感染者数が50州のうち41位で、死者数が38位だったとしても、累計感染者数は50州中1位だし、累計死者数も3位だ。人口の多い州は、それだけたくさんの命が失われるし、それだけたくさんの人々を守る責任がある。

一人一人の感染リスクは他の州と比較すれば随分マシだとしても、失われる命の総計は驚くほど大きな数になる。同時に、入院者数も大きい。医療機関への圧迫は、非常に深刻だ。そんな州だからこそ、ほかの州が回避しようとするロックダウンに踏み切る必要があるのだろう。

今年2度目の全面的ロックダウン。前回の衝撃とは違いパンデミックとロックダウンに、ある意味慣れ、ある意味疲弊している住民たち。明日から1ヶ月、ホリデーシーズンの街はどのように変わるのか、それともまったく変わらないのか、気づいたことがあればこの日記で報告していく。また、このロックダウンによりカリフォルニアが医療崩壊の危機を回避することができるかどうかにも注目してニュースを読んでいきたい。もちろん、自分が病院のお世話になって、貴重な病院のベッドを占領してしまわないように十分に注意しなくてはいけないなと思う。

さて、そんな風に思ってニュースを読んでいたら、トランプ大統領の選挙の結果をめぐる法廷闘争の弁護団を代表してきたジュリアーニ弁護士が感染したというニュース速報ではいってきた。

いつもマスクをせずに法廷闘争の舞台である州から州に飛び回ってミーティングをしていた彼が、ウィルスに感染したからといって驚く理由はないのだが、彼は実は76歳であり、重症化のリスクは高い。現在入院中のようだが、重症化せずにすめばよいと思う。彼の言っていることは往々にしてめちゃくちゃで、聞いているとイラつくことが多いが、だからといって彼の命の価値が変わることはない。彼は誰かの大切な家族であり友人である。

そういえば、米国には未だに集団免疫論を信じている人たちがいて、ウィルスに感染して免疫がつくことでパンデミックを乗り越えられると考え、感染予防をする必要はないという前提で行動している人達がいる。ジュリアーニ弁護士もそうだったのかもしれない。しかし、そのような説に対して、ホワイトハウスのウィルス対策委員会で、初期からファウチ博士と共に科学に基づいたメッセージを送り続けているバークス博士は「(集団免疫論は)神話である」と宣言していた。彼女は立場上、予防対策をしないホワイトハウスの面々に気を使いながら言動をしなくてはならない人だが、最近は、あまり遠慮のない発言をするようになった。そんな気など使っていられないほど、米国の事態は深刻だ。

さて、カリフォルニアのロックダウンだが、結果的にはこの感染の大波を抑えることはできるだろうし、他州に比べて比較的死者を少なくすることもできるだろう。ただし、同時に、ホリデーシーズンのロックダウンは、その経済、特にスモールビジネスには再び大打撃をあたえるだろう。

現在連邦政府は臨時救済金を発行するための審議を進めているところだが、与野党の攻防でなかなか進まない。以前に失業者に対してとられた救済処置は、今後残り数週間でついえてしまう。今、米国は冬だ、それもホリデーシーズンだ。この季節に、経済的に打撃を受けた人々が、家を失ったり、凍えたり、飢えたりするような事態が発生する前に、今すぐになんらかの救済処置が求められている。

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