シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

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死亡者数のトリック(オレンジティア)

ロイターの最新のデータによれば10月30日の米国の一日の新規感染者は10万人を超えたらしい。とうとう、桁があがってしまった。ほんの数週間前までは7万人なんて信じられないといっていたところなのに、あっという間に10万人を突破した。ウィルス感染は指数関数的に増加するという言葉を何度も聞いたが、本当にそのとおりだ。

一日の新規感染者数が7万人、8万人、9万人、10万人と増えている間、選挙戦で遊説をしている大統領は米国エピデミックはは峠を超えていると言い続けている(どう考えても峠を登り続けているようにみえるのだが)。そして、感染者数は重要ではない。なぜなら、感染しても症状がない人や、あっという間に回復する人がたくさんいるからだ。その証拠に死亡者は増えていない。死亡者数を見ろと語っている。

いや待て待て。確かに死亡率は下がった。その1つの理由は7ヶ月におよぶ経験と知識を得て医療関係者がより多くの患者を救えるようになったからだ。しかし、もう1つ、現在死者数が増えていない理由は、以前も記載したように、死亡者の増加は、新規感染者の増加に必ず遅れてやってくる点をあえて無視しているからにすぎない

感染者は、たとえ基本疾患があったとしても感染が判明した翌日とか3日以内に亡くなることはない。大抵の場合、陽性がわかっても症状が重くなければ自宅療養を求められる。その後、症状が悪化して入院するまでに数日から1週間、そして、重症化して亡くなるまでにさらに1週間から1ヶ月、その後、死亡が報告されてデータにのるまでにも数日かかると言われていて、CDCなどの公のデータには、今日から一週間ぐらい前のデータは実際の数値よりも低い可能性を示唆する注意書きが書いてある。

ざっくりまとめると、現在の新規感染者数の大幅な増加が、死亡者の数に反映されてくるには早くても2、3週間後になると思ったほうがいい。

だからといって、死亡者数が春のニューヨークのときのように驚異的に伸びると考える必要はない。先程も書いたけれども、医療関係者の努力により助かる人の数は確実に増えているし、また、膨大な新規感染者の中には若者が多いことも感染者の死亡率を下げている大きな一因だ。確かに感染したからといって、死を覚悟しなくてはならない状況は少しづつ減ってきている。

が、10月30日、米国の1日の死者数は1000人を超えた。2、3分に1人ペースで亡くなっている。ちなみに、新規感染者は1秒に1人以上ペースで増えている。

そもそも感染者数と死亡者数には、まるで関係ないかのように語るのは詭弁だ。たとえ感染者の増加が、死者の増加に直結しなかったとしても、感染者の数が減れば、それに伴って死者数が減ることは、中学生でもわかる算数だ。ウィルスに感染していない人は、ウィルスによる死亡者に数えられることは決してない。それならば、少しでも感染拡大を抑制して、母数である感染者を減らす努力をすれば、それは必ず死亡者の減少につながるはずだ。

この事実を無視して、死亡者が増えていないので大丈夫だというのは、つまり2、3分に1人が亡くなるくらいのペースなら、このままでいいじゃないかと言っていることと同じになる。実際にそう言っているのだ。ホワイトハウスは感染をコントロールしないと言っていた。

しかし、ほっとくには死者数が多すぎやしないか?1日1000人の死者ということは10日で1万人、1ヶ月で3万人だ。米国のインフルエンザの死者数が、一年で3万人程度だが、その数を1ヶ月で達成してしまう病なのだ。そこには1人でも多くの命を救おうとか、健康的弱者を守ろうとか、そういう人道的な精神がまったく感じられない。

また、このまま感染者が増え、入院者が増えた時に怖いのは、春にニューヨークが体験した医療崩壊だ。医療機関の容量が足りなくなり、十分な手当てを受けさせることができなくなれば、死亡者数は急激に増加する可能性がある。

新規感染者の数が増え続ければ、必ず死亡者の数は増えていくだろう。連邦政府が今の体制を続けるというのであれば、私達は自己防衛をするしかない。幸いカリフォルニアの州政府は感染拡大の抑制を諦めてはいないので、このまま連邦政府の言うことをスルーして、州政府の方針で慎重な規制の緩和と強化に努め続けてほしい。そうすることで、完全にロックダウンしなくても感染を抑える方法はあると、アジア諸国が証明しているのだから。

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