シリコンバレーロックダウン後日記

起点はシリコンバレーがロックダウンされた2020年3月。2021年6月、シリコンバレーのロックダウンが解除されてから、シリコンバレーと世界がどのように回復に向かっていくのかを日記に記録してみようと思う。

姉妹サイト「シリコンバレーをよむ」もぜひご訪問ください

カーブサイドピックアップ(規制緩和フェーズ2)

ロックダウン後に最初に緩和されたものの中には小売店のカーブサイドピックアップがある。実は、このカーブサイドピックアップはロックダウンされる前から米国で広がっていたサービスで、オンラインで注文したのものを配達して貰う代わりに、店舗までうけとりにいくと、注文したものをお店がまとめてくれて店頭で引き渡してくれるサービスだ。

なんでカーブサイドなのかというと、カーブサイドというのは歩道の縁のことで、つまり、店の前の歩道で商品をうけとる感じをイメージしれてくれればいいのだが、実際は、駐車場に駐車してから店頭に取りに行くとか、または、商品が大物だったら駐車場まで持ってきてくれとか、そういうサービスである。

今回のロックダウン後のカーブサイドピックアップには、さらにコンタクトレスサービスが合体したものがある。駐車場に停車した状態でトランクを開けておくと、注文した品を持ってきてトランクにいれてくれるところまでやってくれるのだ。とにかく人と人の接触を最小限に減らすための努力だ。

これまで存在は知っていたのだけれど、使ったことがなかったカーブサイドピックアップだが、今日、必要に迫られて初めて使ってみた。目的地は酒屋だ。

ロックダウンからこれまで、とにかく出かけずに、家ですごしてばかりいるので、酒量が随分増えてしまった。外食しない代わりに、今まで作らなかった料理に挑戦したり、庭でバーベキューをしたり、ツマミ類を充実して仕入れたりするようになったせいで、家でアルコールを摂取する機会がぐんと増えた。実はこれは社会的に起こっている現象らしく、米国ではロックダウン以降アルコールの売上が随分伸びているらしい。医者がパンデミックに伴うアルコール中毒患者の増加を心配して警告を発しているくらいだ。

その社会状況とたぶん関係あるのだと思うのだけれど、いつも近所のスーパーで買っている愛飲の安ワインの在庫がいつも少ない。前なら一度に6本買っていたものが1本手に入れば良いという状態だ。そういう状態が2ヶ月ほど続き、もうこれはオンラインで買うしかないと検索をかけると、車で10分ほどの大きな酒屋に在庫がたっぷりあるという。最初は配達してもらおうかと思ったけれど、配達代もかかるし、無料のカーブサイドのコンタクトレスサービスはどんなもんだろうと興味があったので、早速注文をしてカーブサイドピックアップを選択した。

数時間後に、用意ができましたからいつでも取りに来てくださいというテキストが携帯に届いたが、急ぐ必要もないし翌日用事のついでに酒屋に向かう。駐車場にはカーブサイドピックアップ用の駐車スペースが10台分ぐらい用意されている。スペースに置いてある看板の指示にしたがい、携帯のテキストで注文番号と駐車しているスポットの番号を送る。しばらく待っていると、店の中から注文の品が運ばれてくる。車の窓越しに身分証明書を提示して確認をとったら、トランクに荷物をがんがん積んでくれておしまい。確かに人との接触は皆無で買い物終了だ。

広いお店の中で商品を探す面倒もなく。重い瓶や缶を運ぶ必要もなく。これって酒屋に最高のサービスなのでは!と上機嫌で帰宅して商品を確認すると、商品が足りない...。コンタクトレスにより、同時に商品を確認する機会も失っていたのだと気付いた。

しょうがないので、酒屋に電話をして事情を話す。責任者と話しますので少々お待ちくださいと5分ぐらい待たされ、やっぱりカーブサイドピックアップはだめかなあ、とウンザリしていたら、ようやく責任者に話が通ったらしく、もし不足商品をもう一度とりにきていただけるなら、20ドルのギフトカードをさしあげますという話だった。

機嫌はいっきに回復。酒屋に飛んで戻り、再びカーブサイドピックアップ駐車場に停めて、不足分の商品と20ドルのギフトカードをトランクに積んでもらった。懲りずにコンタクトレスで。そんなこんなで、カーブサイドピックアップは悪くないという結論にたどりついた平和な日曜日だった。

それにしても、ロックダウン以降、電話やオンラインでの会話が本当に増えた。今のところ、慣れないNew Normal なシステムの中で、人々が互いのミスや誤解を笑って許しあう優しい場面にしか遭遇していないけど、世間のニュースをいろいろ見てみると、それは幸運なのだと思っている。

 

PVアクセスランキング にほんブログ村